日本戦車を改造する。

ゆみすけ

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ソ連軍のワナ。

黄色い猿は全滅だ。

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 「いいか、まず戦車隊で進軍する。」「あ、あ。」「そして、ヤツらと会敵したら、戦闘機発進だ。」「うむ。」
「そして、戦闘機の20ミリでヤツらの戦車は全滅だ。」と、作戦を述べるイワン司令官だ。 
 もちろん、この作戦は、イワン司令が考えたのではない。 参謀本部からの指令である。
なかなか、日本軍を殲滅できないシベリア前線基地への参謀本部からの助言であるのだ。
 先日、モスクワから帰ったイワノビッチが持ち帰った書類にあったものである。
 
 当然、機密文書であるから司令しか読んでいないのだ。 
それで、自身の作成した作戦として宣伝するのである。
「ふむ、なかなか司令も、考えておられるな。」と、配下の幹部が誉めそやす。 実際、なかなかの作戦であるのだ。
 日本軍が戦闘機を配備していない内に、日本軍を叩かなくてはならない。
まだ、日本軍は1機の連絡機を司令部に配備しているだけなのだ。 
 「ノコノコ出てきた日本軍の戦車を、我がソ連軍戦闘機の20ミリ機銃で穴だらけにしてやるのだ。」
イワン司令は、勝利を確信していた。 それほど、この作戦は完璧に思えたのである。
 副官が、「ヤツらの対空戦車は?」と、心配顔だが・・・
「いいか、我らは6機の戦闘機だ。」「日本軍は、どうだ。」と、司令が副官へ・・・
「いえ、1機もありません。」と、答える。 
「それに、20ミリ機銃だぞ、戦車の上部の装甲なぞ20ミリで穴だらけだ。」と、言い切るイワン司令官だ。
 「さすが、我が同志の司官だ。」と、参謀連中が誉めそやす。 この作戦が成功すれば、モスクワへ・・・なら、我らも同行できるかも・・の予測からのゴマ擦りなのである。
 「いいか、日本軍の戦車を誘き出してから、我が戦闘機を出すのだ。」「戦車からの連絡を待つのだぞ。」と、注意事項も伝える司令官である。
もちろん、連絡は無線である。 ソ連軍の戦車は、隊長戦車だけには無線機が備えられているのだ。 他の戦車には無線機は無い。 それが、欠点であるのだが・・・

 「まだ、無線は入らないか。」と、イワノビッチ副官が無線通信員へ・・「え、え、まだです。」「ふむ、渡河して30分以上だ。」「もう、会敵しても。」と、参謀が。
「やけに、遅いな。」と、イワノビッチ副官が焦る。
 この作戦は、敵の(日本陸軍)の戦車隊を誘き出す作戦だ。 だから、戦闘機は、まだ飛ばない。
ノコノコと日本軍戦車隊がでてきたところを叩くのだ。 その機会は1度きりなのだ。 それを、逃すと、また敗残もありうるかと・・・・
 これは、つまり日本軍の戦車隊長の今野少尉が、2キロ手前で戦車隊を停止させたからである。
ソ連軍の、釣り作戦に乗せられては全滅なのだ。 偵察隊からの、ソ連軍の位置を把握してるからできる待機である。 情報が戦場を左右するのは、今も昔も同じである。
 しかし、いづれ会敵するのだ。 つまり、戦闘機が日本軍に無い以上は時間稼ぎにしかならない。
それも、わかってる今野少尉である。 

 今野少尉は、砂袋と4連装対空戦車に賭けるしかないのである。
砂袋を砲塔に乗せての行軍は、どうやら問題ないようである。 4連装対空戦車も附いてきている。
 「よし、B地点で待ち伏せだ。」と、この先の岩場を待ち伏せ地点と決める今野少尉である。
作戦は逐一変わるのだ。 敵の動きへ対処せねばならないからである。 
そのために訓練で、わざと作戦変更の指示を出すことも多いのだ。
 戦場では、柔軟性も大切なのである。
「岩場を背後にして、対空戦車を敵から隠すよういに布陣だ。」と、指示する今野だ。
 「そろそろ、ヤツらが見えるころだ。」 と、双眼鏡から眼が離れない今野少尉であった・・・・・



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