日本戦車を改造する。

ゆみすけ

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模型飛行機の工夫。

無線操縦ではないが・・・

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 対空戦車が2両に増えた。 そして、戦車隊員も増員となる。 そして、さらなる対空戦車の訓練が求められたのである。 
 つまり、いままでは単に飛ぶだけだったが、方向や高度を変化させて飛べないか・・・
「どうだ、できそうか。」と、技師へ本郷司令官が問う。
 「無線装置が軽く小さくなれば、出来ないことはないですが。」と、技師が答える。
隊内の無線技士が、「まだ、蓄電池が重いし、真空管では消費電力が大きいから無理ですね。」との回答だ。
 「でも、なぜですか。」と、無線技士が聞いた。
「あ、あ、標的の模型飛行機が増えただろ。」「え、え、そうですね。」「同じ飛び方では、訓練に色がつかないから。」
 「そうなら、無線でない方法を考えるしか・・・」「なんか、ないかな。」と、思考をめぐらす二人である。
そこへ、別の整備員が、「どうしたんです、考え込んで。」「あ、あ、君か。」「君も考えてくれよ。」「なんですか?」 かくかくしかじか・・・・

 「あ、あ、いい案がありますよ。」「えっ。」 こいつ、オレ達が考えても出ないのに、一瞬だな。
「どんな、方法なんだ。」「自動舵取り器ですよ。」「わが国の、江戸時代に造られたカラクリがあります。」 
 「また、古い話だな、でも聞こう。」と、ヒザを交えて聞き耳である。
「お茶くみ人形ですよ。」「なんだ、それは?」「知らないヒトも多いですが、江戸時代の玩具で、お茶を運ぶ人形ですよ。」「まあ、形は茶坊主ですが、小皿の上に湯呑を乗せて運ぶんです。」「うむ。」「そうして、お客の前で停止します。」「うむ。」「そして、お茶を飲んだ客人は、湯呑を返します。」「すると、180度廻って、主人の元へ・・・」「どうやって、客人の前で止まるんだ。」「え、え、あらかじめ直進する距離が決めてあるのです。」「だいたい、2メートルくらいかな。」「木を削ったカムをゼンマイ動力の歯車に・・・」
 「つまり、飛行機の舵にカムで動く装置をつくれば。」「え、え、それなら軽いしカンタンでしよ。」「君は、天才かよ。」「まさか。」「江戸時代の職人技ですよ。」と、謙遜する。

 こうして、自動舵取り装置は数時間で完成した。
ラジコン飛行機の初期はサーボモータが重いので、エスケープメントという、サーボモーターの替わりをするゴム動力の装置があったのだ。
 それに、カムをつけて、自動で連兵場の上空を旋回する装置である。
ラジコン飛行機が完成する20年も以前の話である。
  
 こうして、模型の標的機は方向を変えて飛ぶようになったのだ。
これで、一番苦労したのが、そう、回収の馬賊連中だ。
 あちらこちらへと、方向を変えるから、追うのがたいへんなのだ。 とうとう、賃上げ騒動まで・・・
さすがの満州馬賊も、根をあがるほどであったのである。 空とぶモノを地上で追いかけるのは大変なのである。
 そして、吹き流しの命中精度は・・・「やはり、最初の連続撃墜はマグレだったのか。」 と、回収した吹き流しを見る隊員らである。
 2割、いや1割くらいの弾痕なのである。 やはり、方向を変えて飛ぶ戦闘機には地上の機銃は、なかなか当たらないのである。 (1割でも、命中してれば欧州ならバンバンザイである。)
 「これは、訓練の大幅な見直しが必要だな。」と、本郷司令だ。
もう、今野少尉は・・・・なのだ。
 「最善をつくしてはいるんですが。」と、司令へ言い訳しかいえないのだ。

 「これでは、ソ連戦闘機に戦車がヤラれてしまうぞい。」と、副官が・・・
「せめて、3割くらいには命中率をあげるんだ。」と、今野少尉が厳命を下す。
 「数をこなす訓練しかないな。」と、日に2回だった模型飛行機による訓練が・・・倍である。
午前に2回、午後から2回である。 馬賊が泣きをいれてきたが、軍隊だ。 もう、満州馬賊といえども文句はいわせない日本陸軍である。 (馬賊の回収時間があるから、日に4回がギリなのだ。)
 「訓練だ、訓練だ、露スケにヤラれたくなかったら訓練しかないのだ。」と、鬼の上官の今野少尉である。
「無事に内地へ帰りたかったら、ヤルしかないのだ。」 そうなのだ、ソ連軍は甘くないからだ。
 口ばかりで、すぐにトンズラの鮮人兵やシナ兵とは違うのだ。
「いいか、訓練で泣いて、実戦で笑うんだ。」と、喝を入れる今野である。
 こうして、実戦の方がマシと伝えられる、鬼の陸軍訓練は造られていくのである。 
でなと、熊のようなコサック兵には勝てないからだ。 
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