292 / 393
スターターを試してみる。
そこのボタンを押してみる・・・
しおりを挟む
「ところで、スタータですが?」と、今野少尉だ。
「エンジンを掛けてみたいんですが・・・」と、顔がガキだ。
もう、飴玉を目の前にぶら下げられたガキのように・・・欲しい顔である。
「すこし、待ってください。」と、主任が操縦手のハッチを・・・重そうに、開ける。
「ずいぶん、重そうなフタですね。」
「じゃないと、砲弾が砲塔で跳ね返って・・・車台へ当たり爆発したときに危険ですから。」と、主任だ。
そこまで、考えてるのか・・・と、少尉は技師らの苦労を思った・・・(思うだけだが)
実際、ハッチは玉鋼鋼鉄(製鉄所の命名)で、厚さ2センチもあるのだ。
はじめは、1センチだったが・・・試し撃ちで、砲塔で砲弾が跳ね返り・・・操縦席が破壊された・・・らしい・・・
これは、あくまでウワサである。
「よいしょっと。」と、年齢相応の掛け声でハッチが開く。
そして、「よっこらしょっと。」と、年齢相応の掛け声で主任が操縦席へ体を押し込んだ。
「じゃあ、掛けますよ。」と、声が・・・「ヒーターでシリンダー内を温める時間がかかるんです。」と、もったいをつける。
そして、「キュンキュン。」と、モーターがエンジンクランクを廻す音が・・・
そして、止まった。
「どうしたんですか?」と、少尉だ。
「いえ、あまり長くクランクすると電力が・・・短く繰り返すんですよ。」と、言い訳じみた回答だ。
そして、再度「キュンキュン。」と、廻る・・・・
やがて、「ド、ド、ド、ド。」と、巨大な18気筒ジーゼルエンジンが廻りだした。
なんとも、すごい重低音だ。
格納庫の外壁が・・・ブルブル震えている・・・
「すごい、エンジンの重低音ですね。」と、感想を・・・
しかし、主任へは聞こえないだろう・・・それほどの重低音だ。
やがて、エンジンは止まった・・・シ~~~ンと雰囲気が変わる。
「すごい、エンジンですね、戦闘機も逃げ出しますよ。」と、感想だ。
実際のところ、戦闘機のエンジン音は重低音ではないのだ。
この満州型の戦車のほうが・・・迫力満点だ。
「そうですか、なんせ九五式の6気筒のジーゼルエンジンを3基載せてますからね。」
「・・・・」声もでない少尉だ。
「この18気筒ジーゼルは、おそらく世界イチの出力でしようね。」
「なんせ、300馬力で、トルクがハンパ無いですから。」
「トルクは?」
「いやぁ、計測器で測ったら、計測器がもたなかったんですよ。」
「それで、計算上ですが・・・おそらく、180kg以上かと・・・」
普通の自動車エンジンが30から50である。
「ロングストロークの1気筒1800ccですから、回転数は2000毎分ですがトルクだけは大きいですから。」
と、いう主任だ。
「でも、3基のエンジンを載せたので、内部の歯車などの機械抵抗などから、本来は600馬力なんですが、半分しかでないんですよ。」
「しかし、でかいエンジンですね。」と、戦車の後部を見る少尉だ。
「見ます?」と、主任が・・・
「いいんですか。」
「とうぜんですよ。」と、主任がエンジンカバーを開く。
「おお、なんとも、これは・・・」と、感嘆の声を上げる今野少尉殿である。
そこには、九五式のジーゼルエンジンが3基押し込んであるんだが・・・カバーで詳しくはわからないが・・・
「まるで、底が見えませんね。」と、隙間なく押し込められたエンジンや燃料噴射ポンプだ。
現在のハイブリットのクルマの様である。
「さすがに、18気筒のV型エンジンのクランクシャフトは、長すぎて入りません。」
「それで、直列6気筒を3基並べたんですよ。」と、苦労話である。
「ところが、連接歯車の機械抵抗がハンパなかったので、完成するまで苦労なんてモノではなかったですよ。」
と、エンジン開発に思いを寄せる主任であった。
「なんとか、この重量29トンの戦車を動かせる動力を得ることができました。」
「29トンもあるんですか?」と、少尉が驚く。
八九式が13トンくらいなのだ。
倍の重さだ、とても輸送船では運べない。
満州国での運用だけの大陸型戦車というのはマジだったのだ。
「エンジンを掛けてみたいんですが・・・」と、顔がガキだ。
もう、飴玉を目の前にぶら下げられたガキのように・・・欲しい顔である。
「すこし、待ってください。」と、主任が操縦手のハッチを・・・重そうに、開ける。
「ずいぶん、重そうなフタですね。」
「じゃないと、砲弾が砲塔で跳ね返って・・・車台へ当たり爆発したときに危険ですから。」と、主任だ。
そこまで、考えてるのか・・・と、少尉は技師らの苦労を思った・・・(思うだけだが)
実際、ハッチは玉鋼鋼鉄(製鉄所の命名)で、厚さ2センチもあるのだ。
はじめは、1センチだったが・・・試し撃ちで、砲塔で砲弾が跳ね返り・・・操縦席が破壊された・・・らしい・・・
これは、あくまでウワサである。
「よいしょっと。」と、年齢相応の掛け声でハッチが開く。
そして、「よっこらしょっと。」と、年齢相応の掛け声で主任が操縦席へ体を押し込んだ。
「じゃあ、掛けますよ。」と、声が・・・「ヒーターでシリンダー内を温める時間がかかるんです。」と、もったいをつける。
そして、「キュンキュン。」と、モーターがエンジンクランクを廻す音が・・・
そして、止まった。
「どうしたんですか?」と、少尉だ。
「いえ、あまり長くクランクすると電力が・・・短く繰り返すんですよ。」と、言い訳じみた回答だ。
そして、再度「キュンキュン。」と、廻る・・・・
やがて、「ド、ド、ド、ド。」と、巨大な18気筒ジーゼルエンジンが廻りだした。
なんとも、すごい重低音だ。
格納庫の外壁が・・・ブルブル震えている・・・
「すごい、エンジンの重低音ですね。」と、感想を・・・
しかし、主任へは聞こえないだろう・・・それほどの重低音だ。
やがて、エンジンは止まった・・・シ~~~ンと雰囲気が変わる。
「すごい、エンジンですね、戦闘機も逃げ出しますよ。」と、感想だ。
実際のところ、戦闘機のエンジン音は重低音ではないのだ。
この満州型の戦車のほうが・・・迫力満点だ。
「そうですか、なんせ九五式の6気筒のジーゼルエンジンを3基載せてますからね。」
「・・・・」声もでない少尉だ。
「この18気筒ジーゼルは、おそらく世界イチの出力でしようね。」
「なんせ、300馬力で、トルクがハンパ無いですから。」
「トルクは?」
「いやぁ、計測器で測ったら、計測器がもたなかったんですよ。」
「それで、計算上ですが・・・おそらく、180kg以上かと・・・」
普通の自動車エンジンが30から50である。
「ロングストロークの1気筒1800ccですから、回転数は2000毎分ですがトルクだけは大きいですから。」
と、いう主任だ。
「でも、3基のエンジンを載せたので、内部の歯車などの機械抵抗などから、本来は600馬力なんですが、半分しかでないんですよ。」
「しかし、でかいエンジンですね。」と、戦車の後部を見る少尉だ。
「見ます?」と、主任が・・・
「いいんですか。」
「とうぜんですよ。」と、主任がエンジンカバーを開く。
「おお、なんとも、これは・・・」と、感嘆の声を上げる今野少尉殿である。
そこには、九五式のジーゼルエンジンが3基押し込んであるんだが・・・カバーで詳しくはわからないが・・・
「まるで、底が見えませんね。」と、隙間なく押し込められたエンジンや燃料噴射ポンプだ。
現在のハイブリットのクルマの様である。
「さすがに、18気筒のV型エンジンのクランクシャフトは、長すぎて入りません。」
「それで、直列6気筒を3基並べたんですよ。」と、苦労話である。
「ところが、連接歯車の機械抵抗がハンパなかったので、完成するまで苦労なんてモノではなかったですよ。」
と、エンジン開発に思いを寄せる主任であった。
「なんとか、この重量29トンの戦車を動かせる動力を得ることができました。」
「29トンもあるんですか?」と、少尉が驚く。
八九式が13トンくらいなのだ。
倍の重さだ、とても輸送船では運べない。
満州国での運用だけの大陸型戦車というのはマジだったのだ。
2
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
【架空戦記】狂気の空母「浅間丸」逆境戦記
糸冬
歴史・時代
開戦劈頭の真珠湾攻撃にて、日本海軍は第三次攻撃によって港湾施設と燃料タンクを破壊し、さらには米空母「エンタープライズ」を撃沈する上々の滑り出しを見せた。
それから半年が経った昭和十七年(一九四二年)六月。三菱長崎造船所第三ドックに、一隻のフネが傷ついた船体を横たえていた。
かつて、「太平洋の女王」と称された、海軍輸送船「浅間丸」である。
ドーリットル空襲によってディーゼル機関を損傷した「浅間丸」は、史実においては船体が旧式化したため凍結された計画を復活させ、特設航空母艦として蘇ろうとしていたのだった。
※過去作「炎立つ真珠湾」と世界観を共有した内容となります。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる