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戦車にはジーゼルだな。
実戦が実験でもあるのだ。
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この、今野戦車隊には給油のためのトラックが3台用意されていた。
もちろん、工兵であるが・・・
半分は、軍属の技師らが・・・混じっていたのだ。
エンジンや変速機や無線機の修理要員である。
そして、兵器の実戦での試験も兼ねた参加なのだ。
もちろん、相手は熊のソ連軍だ。
命の保証なんて・・・無いのである。
まあ、陸軍の遺族年金は支給されるのだが・・・(一般兵と、同じである。)
それよりも、彼らを戦場へ駆り立てたのは・・・日本軍のためではないのだ。
そう・・・自身らが製造したエンジンや無線機などの戦場での運用状況を実際に、自身の眼で見たかったのである。
内地の工場で待ってれば、修理品が送られてくるのだが・・・
「そんな、悠長なことは言ってられない。」
「実際の運用状況を見てみたいのだ。」
「どれだけ通用するか、ぜひ見たいのだ。」
つまり、彼らは技師としての誇りと使命感が・・・戦車隊員に劣らないのである。
「この兵器が実用できるか、戦場で使ってみなくては、わからんからな。」
が、口癖なのだ。
著者は、現役の自衛隊の装備や兵器が実戦で使われていないことを・・・憂うのである。
兵器は使ってみなきゃ、わからない・・は通説なのである。
使ってみて、ゴミだった兵器は数知れないのである。
そして、こんなものが・・・というヤツが無双の兵器だった・・・ということも多々あるのだ。
日本陸軍の三式戦闘機の飛燕が・・・そうだ。
戦場では、整備士が液冷エンジンに悩まされて・・・故障で飛べない機体ばかり・・・だったとか・・・
そして、試しに空冷の定番エンジンを載せたら・・・
「マスタングにも・・・勝てる。」と、言わしめたほどの無双戦闘機に、変化したのである。
設計者の土井技師は・・・液冷エンジンがダメとは、エンジン部に配意して言えなかった・・・と、後悔の念を・・・
急降下の制限速度がハンパ無い機体は・・・米軍の追撃をカンタンに振り切れたのだ。(マジで音速に近い。)
そして、座席の防弾や防弾燃料タンクも装備である。
無線機の通話も良好だ。(米軍のテストでも遜色なしの判定だった。)
機銃も13ミリが4門だ。
紫電改にも勝てる陸軍機となったのである。
4年も古い、(皇紀2600年完成)零戦なぞ・・・問題外なのだ。
「うむ、さすがジーゼルは頑丈だな。」と、工兵がエンジンの整備である。
「そうだな、連続運転でガソリンじゃあ、ここまでもたないぞ。」
「うむ、オイルの汚れ具合は・・・」
「オイルの減りは、どうだ?」
「そうだな。」と、オイルゲージを抜く。
「おお、すこし減ってるが・・・粘りも、まだまだ使えそうだ。」
ゲージの先についてるオイルを手の指に附けて・・・確かめる工兵らである。
なんせ、奉天の駐屯地から長春まで距離にして400キロを超えるのだ。
満州大陸は広大なのである。
360度の、何も無い地平線だ。
内地では、そんな耐久試験なんて・・・できない。
そして、ソ連軍の戦車とガチで戦闘するなんて・・・内地では無理なのである。
それが、戦死の危険は多々あるが・・・この満州大陸では、可能なのだ。
どれだけ日本軍の兵器が使えるか?
その答えは、技師連中にとって危険なぞ顧みないほどに魅惑的なのである。
「整備士殿。」「ハイ。」
「どうも、以前よりトルクが・・・イマイチなんですが。」と、操縦手が・・・
「ふむ、では調べてみます。」と、エンジンフードを開ける。
そして、18気筒の巨大なジーゼルエンジンの18個のヒーターを調べ始める。
ジーゼルは電気点火ではない。
シリンダー内の圧縮空気へ軽油を噴射して点火するのだ。
それで、点火プラグが無い。
しかし、シリンダー内を温めるヒーターはある。
それを、1個づつ外して・・・ヒーターの先を調べるのだ。
1個のヒーターに軽油が・・・先が軽油で濡れている。(燃焼していない。)
「これが、弾けてないな。」 つまり、シリンダー内で軽油が爆発したないのだ。
それで、1気筒のトルクが・・・無かったのだ。
ヒーターはニクロム線が切れていない。
ヒーター電源もOKだ。
なら、噴射ポンプか・・・一番、やっかいだな・・・
なんせ、噴射ポンプは精密装置だ。
腕時計整備クラスの整備の腕が・・・
それで、噴射ポンプの専門整備士を呼びに行く。
機械式の燃料噴射ポンプは日本軍の兵器の中でも、最高機密なのだ。
戦闘機の照準器か軍艦の射撃統制装置と同等の機密事項なのである。
戦車を破棄するときは、エンジンを必ず爆破することと、内規で厳重に縛りが・・・あるほどだ。
「ここです、技官殿。」「うむ。」
と、壮年の技師がエンジンを覗き込む。
しばらく、レンチを動かしていたが・・・
やがて、噴射ポンプを外して・・・整備台へ置いた。(水平の台の上でないと。)
そして、精密ドライバーやラジオペンチで・・・ポンプがバラバラへ・・・
そして、細長い針で・・・噴射ポンプの噴射ノズルを拡大鏡で見ながら・・・掃除を始めた。
そして、数時間かけて組み立て治す。
分解は早かったが・・・再組み立ては慎重なのである。
「肩が凝ったぞい。」と、腕を廻す技官だ。
「取り付けを頼めるか。」と、技官が・・・
「ハイ。」と、恐る恐る受け取る、整備技師だ。
「やってみろ、でないと、進歩がないぞ。」
「ハイッ。」と、敬礼してエンジン内へレンチを・・・
やがて、18気筒ジーゼルエンジンは快調に動き出した。
戦場での実務ほど・・・技師が鍛えられるところは無いのだ。
もちろん、工兵であるが・・・
半分は、軍属の技師らが・・・混じっていたのだ。
エンジンや変速機や無線機の修理要員である。
そして、兵器の実戦での試験も兼ねた参加なのだ。
もちろん、相手は熊のソ連軍だ。
命の保証なんて・・・無いのである。
まあ、陸軍の遺族年金は支給されるのだが・・・(一般兵と、同じである。)
それよりも、彼らを戦場へ駆り立てたのは・・・日本軍のためではないのだ。
そう・・・自身らが製造したエンジンや無線機などの戦場での運用状況を実際に、自身の眼で見たかったのである。
内地の工場で待ってれば、修理品が送られてくるのだが・・・
「そんな、悠長なことは言ってられない。」
「実際の運用状況を見てみたいのだ。」
「どれだけ通用するか、ぜひ見たいのだ。」
つまり、彼らは技師としての誇りと使命感が・・・戦車隊員に劣らないのである。
「この兵器が実用できるか、戦場で使ってみなくては、わからんからな。」
が、口癖なのだ。
著者は、現役の自衛隊の装備や兵器が実戦で使われていないことを・・・憂うのである。
兵器は使ってみなきゃ、わからない・・は通説なのである。
使ってみて、ゴミだった兵器は数知れないのである。
そして、こんなものが・・・というヤツが無双の兵器だった・・・ということも多々あるのだ。
日本陸軍の三式戦闘機の飛燕が・・・そうだ。
戦場では、整備士が液冷エンジンに悩まされて・・・故障で飛べない機体ばかり・・・だったとか・・・
そして、試しに空冷の定番エンジンを載せたら・・・
「マスタングにも・・・勝てる。」と、言わしめたほどの無双戦闘機に、変化したのである。
設計者の土井技師は・・・液冷エンジンがダメとは、エンジン部に配意して言えなかった・・・と、後悔の念を・・・
急降下の制限速度がハンパ無い機体は・・・米軍の追撃をカンタンに振り切れたのだ。(マジで音速に近い。)
そして、座席の防弾や防弾燃料タンクも装備である。
無線機の通話も良好だ。(米軍のテストでも遜色なしの判定だった。)
機銃も13ミリが4門だ。
紫電改にも勝てる陸軍機となったのである。
4年も古い、(皇紀2600年完成)零戦なぞ・・・問題外なのだ。
「うむ、さすがジーゼルは頑丈だな。」と、工兵がエンジンの整備である。
「そうだな、連続運転でガソリンじゃあ、ここまでもたないぞ。」
「うむ、オイルの汚れ具合は・・・」
「オイルの減りは、どうだ?」
「そうだな。」と、オイルゲージを抜く。
「おお、すこし減ってるが・・・粘りも、まだまだ使えそうだ。」
ゲージの先についてるオイルを手の指に附けて・・・確かめる工兵らである。
なんせ、奉天の駐屯地から長春まで距離にして400キロを超えるのだ。
満州大陸は広大なのである。
360度の、何も無い地平線だ。
内地では、そんな耐久試験なんて・・・できない。
そして、ソ連軍の戦車とガチで戦闘するなんて・・・内地では無理なのである。
それが、戦死の危険は多々あるが・・・この満州大陸では、可能なのだ。
どれだけ日本軍の兵器が使えるか?
その答えは、技師連中にとって危険なぞ顧みないほどに魅惑的なのである。
「整備士殿。」「ハイ。」
「どうも、以前よりトルクが・・・イマイチなんですが。」と、操縦手が・・・
「ふむ、では調べてみます。」と、エンジンフードを開ける。
そして、18気筒の巨大なジーゼルエンジンの18個のヒーターを調べ始める。
ジーゼルは電気点火ではない。
シリンダー内の圧縮空気へ軽油を噴射して点火するのだ。
それで、点火プラグが無い。
しかし、シリンダー内を温めるヒーターはある。
それを、1個づつ外して・・・ヒーターの先を調べるのだ。
1個のヒーターに軽油が・・・先が軽油で濡れている。(燃焼していない。)
「これが、弾けてないな。」 つまり、シリンダー内で軽油が爆発したないのだ。
それで、1気筒のトルクが・・・無かったのだ。
ヒーターはニクロム線が切れていない。
ヒーター電源もOKだ。
なら、噴射ポンプか・・・一番、やっかいだな・・・
なんせ、噴射ポンプは精密装置だ。
腕時計整備クラスの整備の腕が・・・
それで、噴射ポンプの専門整備士を呼びに行く。
機械式の燃料噴射ポンプは日本軍の兵器の中でも、最高機密なのだ。
戦闘機の照準器か軍艦の射撃統制装置と同等の機密事項なのである。
戦車を破棄するときは、エンジンを必ず爆破することと、内規で厳重に縛りが・・・あるほどだ。
「ここです、技官殿。」「うむ。」
と、壮年の技師がエンジンを覗き込む。
しばらく、レンチを動かしていたが・・・
やがて、噴射ポンプを外して・・・整備台へ置いた。(水平の台の上でないと。)
そして、精密ドライバーやラジオペンチで・・・ポンプがバラバラへ・・・
そして、細長い針で・・・噴射ポンプの噴射ノズルを拡大鏡で見ながら・・・掃除を始めた。
そして、数時間かけて組み立て治す。
分解は早かったが・・・再組み立ては慎重なのである。
「肩が凝ったぞい。」と、腕を廻す技官だ。
「取り付けを頼めるか。」と、技官が・・・
「ハイ。」と、恐る恐る受け取る、整備技師だ。
「やってみろ、でないと、進歩がないぞ。」
「ハイッ。」と、敬礼してエンジン内へレンチを・・・
やがて、18気筒ジーゼルエンジンは快調に動き出した。
戦場での実務ほど・・・技師が鍛えられるところは無いのだ。
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