日本戦車を改造する。

ゆみすけ

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ゴジラ対ゴングではないが・・・

ソ連軍との砲撃戦だ。

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 元馬賊の早馬が・・・駐屯地へ・・・駆け込んだ。
ソ連邦の国境である黒龍江(大河を江と呼ぶ。)からは、駐屯地のある奉天までは無線が届かないからだ。
 荒野はやはり馬が速いのだ。
「なんだと、もうヤツらが・・・」と、駐屯地の本郷司令が・・・叫ぶ声が聞こえる・・・
 「どうやら、ソ連側の対岸の動きが・・・。」と、元馬賊の早馬の知らせなのだ。
つまり、2,3日でソ連軍が侵攻する恐れが大ということだ。
 「くそっ、鹵獲戦車隊が、やっと編成できるかというときに・・・」と、司令官が・・・更に。
「おい、開発工場へ早馬だ。」と、続ける。
 駐屯地から工場までは戦車や輸送トラックより、早馬が速いのだ。
まだ、自動二輪は内地から運んでいない駐屯地だ。
 それに、小型のガソリンエンジンは、まだ馬力がショボイから・・・満州では馬が速いのである。
「ソ連軍が国境(河)を渡り、ハルピンまでは、おそらく2,3日だろう。」
 「奉天から鹵獲魔改造版で・・・そうだな3日と踏んで・・・」と、作戦を練る本郷司令官である。
「本郷司令、ヤツらが・・・」と、そこへ今野少尉が敬礼もそこそこに・・・
 「うむ、遅そいぞ。」「スンマセン、ハイ。」と、冷や汗の今野少尉だ。
まさか、満州娘の・・・なんて、バレたら懲罰モノだ。
 「全員へ招集は掛けたから、作戦を練るぞ。」と、司令が吠える。
司令室には、満州国の作戦図が・・・黒板へ満州国の地図が白線で描いてあるのだ。
 そこへ、赤いチョークで・・・
 
 「司令、早馬の2番です。」「ここへ、通せ。」「ハイ。」
侍従兵が直に馬賊を連れてくる。
 めったに入れない司令室で・・・緊張する馬賊だ。
「報告しろ。」と、少尉が・・・
 「ヤツらの戦車は新型で、30両は・・・アルヨ。」と、新型戦車のスケッチを見せる。
言葉より、絵が伝えやすいからだ。
 当時の写真器は馬賊では使えない。(現在の猿でも撮れるカメラなんて無い。)
その、スケッチを見た本郷司令が・・・「これは、T34だぞ。」と、本郷司令が・・・
 「とう、とう、T34ですか。」と、今野少尉がいう。
「うむ、それも30両だ。」「我が軍は、全部だしても15だぞ。」
 「司令、魔改造のT26Bが負けるとは思いません。」「うむ、そうか。」
「斎藤技官からの説明でT34にも、十分に対抗できると確信しました。」と、自信たっぷりの今野少尉だ・
 「半数ですが、撃ちあいでは負けません。」と、自信を見せる。
どうやら、カラ元気ではないようだ。
 「うむ、そうだ。」「はぁ。」「そうだ、君にプレゼントがあるぞ。」
「新型徹甲弾を内地からトラックで運んできてるはずだ。」と、司令が思い出したように言う。
 「それは、上々ですね。」 「これは、風が吹いてます。」「どうやら、そのようだな。」
勝利の女神からの風が・・・新型徹甲弾となって吹いてきたのだ。
 
 新型徹甲弾は対戦車用に陸軍大阪工廠が開発した徹甲弾である。
新型九七式改、つまり満州型に使うヤツだ。
 もちろん、口径は同じなので、T26B魔改造版でも使えるのである。
ただし、薬莢の無煙火薬が長砲身用に量が多いので、砲身に無理がかかりやすいのが欠点である。
 まあ、300発も撃ったら砲身交換だ。
普通なら、500発まで行けるんだが・・・
 そこが、魔改造版の不足するところなのである。
何事も、完璧はないのだ。
 そして、出撃のときは来たのだ。
戦車隊員が広場に整列する。
 背後には、15両の鹵獲魔改造のT26B型が、今や遅しと並んでいる。
出撃式である。
 お立ち台へ司令が・・・「きおつけぃ。」と、副官が号令だ。
「敬礼。」 今野少尉が敬礼して、それに倣って隊員らが司令を注目する。(司令の方へ顔を向ける。)
 答礼する本郷司令官だ。
司令官からの一言が・・・「休め。」
 「諸君、戦車隊の諸君。」「作戦は隊長から聞いてると思うが。」
「敵は新型を出してきた。」「この戦いは、今後を左右することになる。」
 「諸君の健闘を祈る。」「以上、だ。」
「敬礼。」と、副官だ。
 挨拶は短い方がイイのである。

 そして、15両の魔改造戦車は暖気運転をしつつ、ハルピンへ進撃を開始したのである。
もちろん、燃料給油のトラック隊も3台のタンク車が続く・・・
 空冷ジーゼルの燃料噴射装置は戦車隊員の簡易整備では無理があったのだ。
それで、余熱燃焼方式へ改められた。
 性能は劣るが・・・整備性は向上したのである。
やはり、過酷な戦場では、性能より整備性が優先されるのである。
 春とはいえ、内地よりかなりの北方である満州だ。
燃料も凍結しない不凍軽油を、まだ入れてるのである。
 朝方の気温は氷点下もありうるからだ。
今野隊長が、横にいる砲手へ、「新型の砲弾は、どうだ。」と、聞いてみた。
 「大きさは、同じで少し重いくらいですから、使い勝手は変わらないです。」と、良好な返事だ。
しかし、装填手いわく、「重い、重いぞ。」らしい。
 なんせ、敵戦車は前面装甲が斜め傾斜で装甲厚が8センチクラスらしいのだ。
それで、いままでの砲弾では撃ち抜けない。
 それで、急遽に内地から送られてきた砲弾だ。
ソ連軍の侵攻へ、間に合ってよかったのである。

 砲弾の寸法が以前と同じだから、1両に72発の砲弾を載せることができる。
敵のT34が何発搭載か、不明だが・・・72発あれば十分だと思う今野少尉だ。
 「全段撃ち尽くすほど相手と、こちらがモツとは思えないな。」が、少尉の予想なのだ。
玉鋼の装甲板を重ねた魔改造の装甲と、敵の傾斜装甲と比べての勝負になるだろう・・・
 我が国の刀剣技術の結晶の玉鋼だ。
露スケの装甲板に劣るとは思えない少尉であった。


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