戦車がすべての世の中。

ゆみすけ

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米軍側の立場。

逃げるが先だ。

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 「はあ、今日も偵察か。」 とシャーマンを転がす米兵のリッツ君だ。 一応、車長である。 「なにも、しないわけには行かない。」 としての偵察行動だ。 それでは力がはいらない。 アフリカに来て、満足に戦闘行動もなく、押しては引く作戦で、人的被害も戦車の損害も皆無だ。 このまま終わればラッキーだな、と内心考えていた。 と、その時だ。 「ドガガガガガンンンン。」と金槌で、殴られたような衝撃だ。 「やられた。」 と叫んで、キューポラから車内へ戻る。 「おい、だいじょうぶか。」 「点呼だ。」 「運転。」 「OK。」 「機銃。」 「OK.] 「砲手に装填はOKだな。」 全員無事だ、怪我人もない。 「だめだ、車輪と履帯をヤラれた。」 操縦手が叫ぶ。 「出るぞ。」 「独逸軍は。」 「ここで、2発目を喰らいたいか。」 リッツは他の乗員を連れて、速攻に逃げた。 いや、退避したのが正解だ。 なんせ、88ミリでヤラれたのだ。 まともなら、全員が戦死だ。 なぜ、独逸が車輪へ着弾を外したのか・・・ 
   そして、なんとかテントの米軍基地まで、帰ることができた。 「履帯と車輪が、ティーガーの88ミリで、ヤラれましたが。」 基地司令は、「よく、生きてかえった、偵察は生きて帰れなければ意味はない、休んでよろしい。」 リッツ君は偵察任務を果たしたと評価してくれた司令に感謝した。 2000メートルの距離で、同軸機銃とほぼ同じ、同軸機銃は88ミリ砲の真横についている、7ミリ機銃だ。 これが、当るところに砲弾も当るのだ。 それで、岩を目標にセットして、シャーマンがくるまで、動かずに照準を固定で、砲撃したのである。 「岩より、ずらして撃てば、完全な撃破だったかも。」 と砲手や装填手はいうが、「今回は、遠距離砲撃のテストだ、戦車撃破に違いは無い。」と大佐はフォローしてくれた。 戦争は殺し合いである。 だが、戦いでもあるのだ。 それに戦車の戦い方の実戦研究が独立部隊を遊ばせている理由みたいなのだ。 まあ、上の考えには関与しないタミヤ君だ。 
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