ラジオコントロール飛行機物語。

ゆみすけ

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模型エンジンの商売。

これは売れる、そうオヤジは思った・・・

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 「間違いない、これは商売になる。」と、オヤジは確信する。
このころには、先進国では模型飛行機をつくる授業が正式に学校で決まっていたのだ。
 ドイツも英国も、日本もだ。(これは、マジだ。)
つまり、国をあげて模型飛行機だったのだ。
 なら、この単純でカンタンなエンジンは価格も安価にできそうだ。
安価ということは、学校での教材に使われたら・・・オヤジは笑いが止まらなかった。
 「これは、絶対もうかる、商売になるぞ。」と、確信する。
そして、目の前のムスコの友人が考えたということも知ってるのだ。
 「おい、坊主。」「なに?」
「このエンジンは十分に商売になりそうだ。」
 「この特許を取らないか。」と、中学生の斉藤君へ・・・
天才発明家のドクター中松は灯油の給油ポンプを少年のころに発明したそうだ。
 斎藤君が考えた焼き玉エンジンは模型エンジンとして未完成だったが・・・これを、改良して大量生産できるようにすれば・・・中学生で、このエンジンだ、こいつは磨けば玉になるぞ。
 そう、オヤジは考えたのだ。
この中坊を技師として雇って、会社を拡大して・・・野望がオヤジに膨らんだのだ。

 斎藤少年が考えた焼玉エンジンは模型用の安価なエンジンとして特許が認められたのだ。
そして、竹ヒゴでない木製の模型飛行機がつくられるようになっていった。
 つまり、ゴム動力は小学生、そして中学生にはエンジンの模型飛行機だ。
日本の模型飛行機の学校教育は・・・一気に最先端へ・・・
 欧米からのエンジンの問い合わせが・・・
鉄工所は銀行からの融資もOKで、エンジン製作工場へと・・・数年で様変わりしたのだ。
 斎藤君は工業専門学校へ・・・もちろん、模型エンジンの会社の技師の身分でである。
学費は会社が出したのだ。
 そして、エンジンは2ccから15ccまでの種類のエンジンが開発されたのだ。
そして、斎藤君はゴム動力の自動操縦装置を考案する。
 ゴムの巻き戻る回転力を歯車で取り出して、尾翼の舵(ラダー)を操作するのだ。
つまり、いままで直線飛行していたが、自動操縦装置で第一旋回、第2旋回、第3旋回、そして第4旋回で着陸とする作動をするのだ。
 時間やエンジンコントロールまでが自動操縦だ。
そして、一番すごいことは・・・バランスを水準器でとってることだ。
 振り子の原理で、機体が傾いたら・・・戻すように舵(ラダー)が微妙に動くのだ。
いままで、飛んでいく模型飛行機を追いかけて苦労していたが、それがなくなるのだ。
 これは、正規の日本陸軍から幹部が会社へ見学にくるほどだったのだ。
軍で誘導兵器を研究してるらしいのだが・・・自動操縦ができなかったらしい・・・
 それが、模型飛行機で完成したから・・・軍としては驚きだったようだ。
「距離と方向が決められるなら、誘導飛行爆弾が完成なのだ。」と、陸軍幹部だ。
 敵の基地がある方向へ正確に飛ばせるなら、誘導兵器として使えるかもしれない・・・
模型飛行機エンジンの会社に陸軍御用達のカンバンが・・・
 会社に拍がついたのだった。

 「一番、おおきい15ccのエンジンで爆弾は何キロ運べますかね。」と、陸軍の士官が聞く。
技術主任の斉藤君が、「そうですね、機体を大きくすれば、4キロくらいなら。」
 「ふむ、10キロは欲しいですが。」「なら、双発なら。」と、斎藤君だ。
「燃料タンクを大きくすれば50キロはいけますよ。」
 「なんと、それで速度は?」「そうですね、時速100キロくらいかな。」
「プロペラを4枚にすれば、120キロはいけるかと・・・」
 「飛行高度は40メートルくらいですから、下手な鉄砲では撃ち墜とせないですよ。」
「いちど、試作をしてもらえませんか、予算を見積してください。」
 正規の軍からの依頼だ・・・金銭的にリスクがないのだ。
「どれくらいで?」と、試作製造期間を聞いてくる軍幹部だ。
 「そうですね、まあ3ヶ月もあれば。」
「そんなんで、いいんですか?」 普通、兵器の開発は数年かかるのだ。
 「模型飛行機ですから、そこは実機とはちがいますよ。」
「なら、3ヶ月後に。」
 
 「おい、斎藤主任。」「なんですか。」
「これは、マジな話だが・・・」と、陸軍からの依頼を話す社長だ。
 鉄工所のオヤジが、今は社長であるのだ。
「50キロの重さの積荷を積んで、50キロの距離を自動操縦で飛行できる模型飛行機を試作してくれ。」
 「予算は、そうだな500円までなら。」
「えっ、500円も!」 現在なら5000万円だ。(貨幣価値は現在は当時の10万倍だからだ。)
 「そんなにあるんなら、新型エンジンを開発できますよ。」と、斎藤君だ。
「しかし、試作期間は3ヶ月だぞ。」と、社長だ。
 「わかりました、じゃあ双発で試作します。」
こうして、斎藤君による軍事兵器の第1号機の試作がはじまったのだ。
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