ラジオコントロール飛行機物語。

ゆみすけ

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飛行爆弾の完成。

新型エンジンなら、250キロ爆弾も・・・

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 朴の木で胴体をつくる。
朴は削りやすくて模型飛行機に適している。
 バルサは南洋の木だから、まだ輸入はしていなかった。(普通の木材より、3倍はやわらかい。)
米国で1930年代になり普及したのだ。
 主に、ハリウッドで映画のセットをつくるために使われたのだ。
近年になり、ラジコン飛行機の材料で日本では普及したのだ。
 「エンジンは双発で、プロペラは4枚だな。」と、設計図を書いていく斎藤君だ。
「そうだ、積荷は50キロまでだから載せ替えができるようにしよう。
 双胴で、真ん中に荷物だ。 
「困ったな、タイヤが無いぞ。」
 そう、小型のタイヤが無いのだ。
おもちゃ用のゴムタイヤは小さくて使えない。
 仕方がないから・・・ゴム工場へ発注である。
陸軍からの依頼だから予算もあり、なんとか注文できたんだが・・・
 空気チューブ入りの直径20センチだ。
ミニベロにも使えそうだ・・・(小径折り畳み自転車は、まだ無い。)
 長さが2メートルほど、翼の長さが4メートルほど。
重さが20キロくらいの、エンジン模型飛行機が完成した。

 「荷物は墜落しても問題ないように、石だよ。」
「自動操縦装置のゴムは巻いたかな。」「あ、あ。」
 「4回めの旋回で帰ってくるはずだ。」
「しかし、4枚のプロペラでは、手で廻せないな。」
 「だから、小型モーターでエンジン始動装置を造ったのか。」「そうだよ。」
「蓄電池は充電してあるな。」
 「しかし、この蓄電池は重いな。」
「乾電池では、電流がニクロム線では使えないからな。」
 ニクロム線を赤く熱するには、ある程度の電流がいるからだ。
ちなみに、陸軍の依頼の模型だ。
 陸軍の試験飛行機は黄色だ。
それで、模型といえども黄色に色が塗ってあるのだ。
 「陸軍の役人には立ち合いしたないが・・・」
斉藤君がいう・・・
 「いいか、失敗なんかできないだろう。」「そうだな。」
「だから、役人に見せる前にやっておくんだ。」と、社長がいう。
 「そんなもんかな。」「いいから、いいから。」

 「さすがに、この大きさだと滑走して離陸になるが・・・」
「カタパルトでも造ればよかったかな・・・」と、斎藤君が不安げだ。
 「左右のエンジン回転が同じなら、まっすぐにいくさ。」と、社長だ。
「ところで、陸軍は何に使うんだろうね。」と、疑問を斎藤君がいう。
 「そんなもの、爆弾飛行機に決まってるじゃないかっ。」と、社長だ。
「えっ、この模型に爆弾を・・・」
 「つまり、この模型飛行機を・・・壊すのか。」と、斎藤君だ。
「そりゃ、ヒトが死ぬよりいいだろうに。」と、社長がなだめる。
 「せっかく、苦労して・・・」
「それは、わかるが・・・まあ、決まったわけだはない、そう思うだけだ。」とい、社長が慰める。
 「会社として、陸軍御用達なら拍がつくしな。」と、加える。

 「これには、爆弾は積まないでしょ?」と、斎藤君だ。
自身がつくった機体は爆弾で壊したくないからだ。
 「試験もあるし、残すつもりだよ。」と、社長だ。
「まあ、飛んで戻ってくるかだよ。」
 「さあ、試験飛行をやるぞ。」
2人だけの試験飛行がはじまったのだ。
 片方づつエンジンを廻す。(双発だから、互いに逆に回転させるエンジンだ。)
翼を社長が押さえて、機体が進まないようにしてくれた。
 エンジンコントロールのゴム装置を入れる。
左右に尾翼の舵が動くか確認する。
 「いいよ。」「なんだ?」「聞こえないぞ。」
エンジンが2個、廻ってるから五月蠅くて聞こえないのだ。
 手を振り回して、合図だ。
社長が、あわてて機体の前から移動する。
 尾翼を押さえていた斎藤君が手を離した。
スル、スル、と、機体は滑走へ・・・
 ゴム動力のエンジンコントロールがエンジンをフル・パワーへ・・・
あっという間に、車輪が地面から離れる。
 「ブ~ン。」と、いう双発エンジンのハミングを高らかに鳴らして・・・巨大な模型飛行機は空へ飛び立っていく。

 時計を計測しながら、「そろそろ、第1旋回だ。」
すると、機体は左方向へ45度、舵を切る。
 「第2旋回だ。」と、斎藤君が叫ぶ。
機体は左へ舵を45度だ。
 こうして、双発模型飛行機は模型飛行場を周回するのだ。
つまり、機体を追いかけなくてもいいのだ。
 「いいぞ、なんとか周回してくれるぞ。」と、斎藤君が叫ぶ。
まあ、大声で叫ばなくても聞こえるんだが・・・
 「あとは、うまく着陸してくれれば・・・」と、飛行機を見る。
「機体が双発だと、安定性がいいね。」と、社長が叫ぶ。
 そこは、実機と同じだ。
数回、周回飛行をする。
 「そろそろ、着陸装置が動き出すころだが。」と、時計を計測して斎藤君がいう。
「なかなか、降りてこないぞ。」と、社長が叫ぶ。
 「どうしたんだ。」「ゴム動力が切れてしまうぞ。」
あまり、長い時間はゴムの操舵装置がもたないのだ。
 なんせ、ゴム動力だからだ。
ここは、モーターなら・・・そう、斎藤君が思ったのだが・・・
 「いかん、舵のゴムが・・・」機体が旋回をしない・・・
あわてて、自転車へ・・・斎藤君が自転車で飛行機を追いかける。
 社長は、なんもないから自身の足で走って追いかける。
そこは、無線操縦ではないからね。
 機体はエンジンの燃料が切れるまでエンジンが廻るのだ。
なかなか、エンジンの信頼性はあるのだ。
 それから、約30分も模型飛行機は飛ぶ続けたのだ。
そう、約50キロ先まで・・・
 もちろん、斎藤君は道がなくなり・・・追いかけることを断念したのだ。
それで、陸軍の試験飛行機の捜索願いを警察へ・・・
 陸軍御用達の模型飛行機だ。
警察官が10名ほども捜索してくれたのだ。
 もちろん、市内の広報スピーカーからも・・・
翌日になり、神社の鎮守の森の木へ引っかかってることが、地元民から・・・
 そこは、天下の陸軍の威光が光るのだ。
一般の市民まで巻きこんだのだった。
しかし、50キロ先まで飛んだのだ。
 実験が陸軍にバレてしまったが・・・「50キロも飛んだのか。」と、逆に驚く陸軍だった。
そして、陸軍幹部に立ち会い実験を要求されたのだった。
 


 


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