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電池式の真空管だ。
小型の真空管の開発。
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受信装置を机へ並べる斎藤技師だ。
どれを省いて、どれを最低限に必要かを検証するためだ。
「ううむ、真空管のヒータが一番の問題だな。」と、解析する。
真空管はガラスの管に電極をつけて、そこを真空へする。
そして、ニクロム線で温めるのだ。
すると、電極へ電流を加えると・・・電極から電子が対する電極へ飛び出るのだ。
その間に別の電極のスリットが入れてあり、増幅ができるのだ。
このニクロム線を温めるのに電気が喰うのだ。
とても、当時の乾電池では・・・足りない。
「なら、ニクロム線を電池でも温められるように細くすれば・・・
そのためには、真空管が小さくないと・・・
こうして、電池で使える真空管が・・・
欠点は使用時間が短いことだが、何時間も使うわけではない。
長くても、1分くらいだ。
「受信機は短波帯だから・・・検波するだけで、変調(音声が乗ってないない電波)してない信号だけだ。」
と、真空管が1基で回路を組んだ。
送信機は、電波に音声を乗せる訳ではない。
それで、電信と同じ信号を送るだけなのだが・・・
「エンジンと尾翼の舵の操作を信号だけでだな。」
「送信機の周波数を固定すればいいから、水晶発振子で切り替えればいいはずだ。」
「しかし、それなりに電波が強くないと・・・」と、送信機の送信する出力真空管はST管の増幅器に使うヤツだ。
通称名が807というST管だ。
これなら、短波の送信の最終段に使えるからだ。
「しかし、電池を入れても重量は5キロか。」
「いや、たった5キロだぞ。」
「50キロ爆弾を運ぶ飛行機なんだ。」
「45キロに爆弾をするだけだぞ。」
「それに、無線操縦なら自動操舵装置はいらない。」
「地上で、まずは操縦ができるかの実験だな。」
「しかし、舵やエンジンの操作は自動操縦装置を改造すれば、できそうだな。」
「しかし、回路の設計が・・・」
そうなのだ、斎藤君はエンジンや模型飛行機の航空力学は勉強して、それなりの実力はあるのだが・・・
ヒトには、得て不得手がある。
電子工作や回路図設計やハンダ附けは・・・苦手だったのだ。
エンジンには強いが、電気には弱い斎藤技師なのである。
そこで、人材を募ることとしたのだ。
しかし、零細企業の模型飛行機製作所には、電子回路設計の腕がある技師なんて・・・求人なんてしても・・・
誰も、こないのだ。
仕方なく、陸軍省へ泣きついた斎藤技師である。
例の陸軍の幹部の小川少佐だ。
つまり、少佐というと軍艦の艦長クラスだ。
それなりのコネもあるだろう。
「ふむ、無線装置の設計技師が欲しいのかな。」「え、え、そうですが。」
「そうだな、軍からは出せんが・・・民間で聞いてみようか。」
「ぜひ、おねがいします。」
「無線装置があれば、飛行爆弾を操縦して命中させられます。」
「マジかっ。」と、小川少佐が驚く。
ちなみに、マジという語源は江戸時代から使われているのだ。
当時の歌舞伎のセリフのもあるくらいだ。
「え、え、将来的には、爆撃機から飛行爆弾を投下して、操縦し敵の軍艦へ・・・」
「もし、それが実現すれば・・・日本は敵なしだぞ。」と、小川少佐が立ち上がるほどだ。
誘導爆弾なぞ、空想科学読本くらいしか・・・それが、実現しそうなのである。
「よし、オレが必ず人材を確保しょうぞ。」
こうして、数日後に大学で電気工学を専攻した学士が模型飛行機製造会社へ面接に来訪したのだ。
「帝大から来ました、犬塚です。」と、自己紹介だ。
「帝大って、あの帝国大学ですか。」「え、え。」
「その、工学部の高木教授からの紹介です。」と、紹介状を見せる犬塚君だ。
「その、内の給金は・・・」「知ってます。」
「じゃあ、どうして・・・」「将来性ですよ。」
「いまに、ソ連軍やシナの軍閥との争いが・・・それに、英米とも・・・」と、日本が世界中を相手にするような話だ。
「あなたの飛行誘導爆弾構想を将来性ありと判断しました。」と、斎藤君を見ていう犬塚君である。
「どうして、また・・・」と、斎藤君が聞いた。
「それは、ヒトが乗ってないからですよ。」「つまり、軍人が戦死しなくてもいいのです。」
「これ以上に、すばらしい兵器はないでしょう。」
「正直いいますと、オレは戦争で死にたくはないのです。」と、犬塚君が明かす。
「それは、オレもだ。」と、斎藤君が同感する。(誰もが、そうなのだ。)
「敵には負けたくない、しかし戦争にはいきたくはない。」「なら、無線で飛行機が爆弾を抱いて戦えばいいのですよ。」と、力説する犬塚君だ。
「日本へ侵攻してくる敵国の兵隊が何人、戦死しようと関係ありませんが、我が国の兵隊が戦死するのはいかんですからね。」と、固く決意を述べる犬塚君なのだ。
「そうだ、そうだ。」と、賛同する斎藤君である。
「この、電池で使える真空管は、誰が考えたんですか。」と、犬塚技師が・・・
「あ、あ、無線受信機用に造ったのだ。」と、いう斎藤技師だ。
「この真空管を軍用の無線電話機へ使っても。」と、聞く。
「うん、ただし変調用に開発してないから、変調用に真空管をこさえてね。」と、いう。
「それは、カンタンですよ、内部の電極を改造すればいいのですから。」
「いいですか、携帯無線機ができたら・・・軍は、少し高額でも買い上げますからね。」
「それで、浮いた資金で無線操縦を開発できますよ。」
「しかし、この零細企業では無理だぞ。」と、斎藤君だ。
「いえ、設計は当社で、製作は他社へ外注すればいいのですよ。」
「なるほど。」と、感心する斎藤技師だ。
やはり、人材を増やすことはイイことでもあるのである。
どれを省いて、どれを最低限に必要かを検証するためだ。
「ううむ、真空管のヒータが一番の問題だな。」と、解析する。
真空管はガラスの管に電極をつけて、そこを真空へする。
そして、ニクロム線で温めるのだ。
すると、電極へ電流を加えると・・・電極から電子が対する電極へ飛び出るのだ。
その間に別の電極のスリットが入れてあり、増幅ができるのだ。
このニクロム線を温めるのに電気が喰うのだ。
とても、当時の乾電池では・・・足りない。
「なら、ニクロム線を電池でも温められるように細くすれば・・・
そのためには、真空管が小さくないと・・・
こうして、電池で使える真空管が・・・
欠点は使用時間が短いことだが、何時間も使うわけではない。
長くても、1分くらいだ。
「受信機は短波帯だから・・・検波するだけで、変調(音声が乗ってないない電波)してない信号だけだ。」
と、真空管が1基で回路を組んだ。
送信機は、電波に音声を乗せる訳ではない。
それで、電信と同じ信号を送るだけなのだが・・・
「エンジンと尾翼の舵の操作を信号だけでだな。」
「送信機の周波数を固定すればいいから、水晶発振子で切り替えればいいはずだ。」
「しかし、それなりに電波が強くないと・・・」と、送信機の送信する出力真空管はST管の増幅器に使うヤツだ。
通称名が807というST管だ。
これなら、短波の送信の最終段に使えるからだ。
「しかし、電池を入れても重量は5キロか。」
「いや、たった5キロだぞ。」
「50キロ爆弾を運ぶ飛行機なんだ。」
「45キロに爆弾をするだけだぞ。」
「それに、無線操縦なら自動操舵装置はいらない。」
「地上で、まずは操縦ができるかの実験だな。」
「しかし、舵やエンジンの操作は自動操縦装置を改造すれば、できそうだな。」
「しかし、回路の設計が・・・」
そうなのだ、斎藤君はエンジンや模型飛行機の航空力学は勉強して、それなりの実力はあるのだが・・・
ヒトには、得て不得手がある。
電子工作や回路図設計やハンダ附けは・・・苦手だったのだ。
エンジンには強いが、電気には弱い斎藤技師なのである。
そこで、人材を募ることとしたのだ。
しかし、零細企業の模型飛行機製作所には、電子回路設計の腕がある技師なんて・・・求人なんてしても・・・
誰も、こないのだ。
仕方なく、陸軍省へ泣きついた斎藤技師である。
例の陸軍の幹部の小川少佐だ。
つまり、少佐というと軍艦の艦長クラスだ。
それなりのコネもあるだろう。
「ふむ、無線装置の設計技師が欲しいのかな。」「え、え、そうですが。」
「そうだな、軍からは出せんが・・・民間で聞いてみようか。」
「ぜひ、おねがいします。」
「無線装置があれば、飛行爆弾を操縦して命中させられます。」
「マジかっ。」と、小川少佐が驚く。
ちなみに、マジという語源は江戸時代から使われているのだ。
当時の歌舞伎のセリフのもあるくらいだ。
「え、え、将来的には、爆撃機から飛行爆弾を投下して、操縦し敵の軍艦へ・・・」
「もし、それが実現すれば・・・日本は敵なしだぞ。」と、小川少佐が立ち上がるほどだ。
誘導爆弾なぞ、空想科学読本くらいしか・・・それが、実現しそうなのである。
「よし、オレが必ず人材を確保しょうぞ。」
こうして、数日後に大学で電気工学を専攻した学士が模型飛行機製造会社へ面接に来訪したのだ。
「帝大から来ました、犬塚です。」と、自己紹介だ。
「帝大って、あの帝国大学ですか。」「え、え。」
「その、工学部の高木教授からの紹介です。」と、紹介状を見せる犬塚君だ。
「その、内の給金は・・・」「知ってます。」
「じゃあ、どうして・・・」「将来性ですよ。」
「いまに、ソ連軍やシナの軍閥との争いが・・・それに、英米とも・・・」と、日本が世界中を相手にするような話だ。
「あなたの飛行誘導爆弾構想を将来性ありと判断しました。」と、斎藤君を見ていう犬塚君である。
「どうして、また・・・」と、斎藤君が聞いた。
「それは、ヒトが乗ってないからですよ。」「つまり、軍人が戦死しなくてもいいのです。」
「これ以上に、すばらしい兵器はないでしょう。」
「正直いいますと、オレは戦争で死にたくはないのです。」と、犬塚君が明かす。
「それは、オレもだ。」と、斎藤君が同感する。(誰もが、そうなのだ。)
「敵には負けたくない、しかし戦争にはいきたくはない。」「なら、無線で飛行機が爆弾を抱いて戦えばいいのですよ。」と、力説する犬塚君だ。
「日本へ侵攻してくる敵国の兵隊が何人、戦死しようと関係ありませんが、我が国の兵隊が戦死するのはいかんですからね。」と、固く決意を述べる犬塚君なのだ。
「そうだ、そうだ。」と、賛同する斎藤君である。
「この、電池で使える真空管は、誰が考えたんですか。」と、犬塚技師が・・・
「あ、あ、無線受信機用に造ったのだ。」と、いう斎藤技師だ。
「この真空管を軍用の無線電話機へ使っても。」と、聞く。
「うん、ただし変調用に開発してないから、変調用に真空管をこさえてね。」と、いう。
「それは、カンタンですよ、内部の電極を改造すればいいのですから。」
「いいですか、携帯無線機ができたら・・・軍は、少し高額でも買い上げますからね。」
「それで、浮いた資金で無線操縦を開発できますよ。」
「しかし、この零細企業では無理だぞ。」と、斎藤君だ。
「いえ、設計は当社で、製作は他社へ外注すればいいのですよ。」
「なるほど。」と、感心する斎藤技師だ。
やはり、人材を増やすことはイイことでもあるのである。
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