ラジオコントロール飛行機物語。

ゆみすけ

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海軍VS陸軍、骨肉の争いだ!

本家の意地が・・・負けてたまるか!

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 「なんだと、陸軍の空母だって・・・」
「これを、見てくれ。」と、少年雑誌を示す海軍省の幹部の1人だ。
 「子供の科学の今月号じゃないか。」
子供の科学、という雑誌を読者諸氏はガキの頃、読んだ覚えがあるだろう。
 創刊は大正13年だ。
つまり、曾祖父のガキの頃にはあったのだ。
 「なんだと、我が陸軍の空母の実力だと!」
雑誌の見出しを観て驚く海軍省の幹部だ。
 ペラ、ペラと雑誌を紐解く・・・
見開きに、デカデカと空母の写真だ。
 海軍は海軍艦艇の写真なぞ、公開しなかったのだ。
ゼロ戦も、戦後に明らかになったが・・・敗戦まえは、陸軍の隼戦闘機が有名だったのだ。
 陸軍は国民へ情報を開示することを恐れていなかったのである。
映画にも進んで協力していたのだ。
 ところが海軍は、ハワイ・マレー沖海戦という戦時高揚映画にも、軍艦の写真を公開しなくて、円谷監督は仕方なく欧米の雑誌からの写真で・・・それで、日本海軍の模型戦艦が欧州風なのである。
 それで、海軍は空母に関しては、情報は開示しなかったのだ。
ところが、陸軍は自信をもって陸軍空母を写真入りで開示したのだ。
 雑誌が飛びつかないわけがない。
全長260メートルの蒸気カタパルト装備の陸軍正規空母の威容は・・・海軍省の幹部を震撼せしめたのである。
 「くそっ、いつの間に、こんなフネを。」と、驚く。
そして、決定的に驚いたのは・・・・
 陸軍の双発爆撃機が・・・空母の蒸気カタパルトで・・・飛び上がる写真である。
「あ、あ、我が陸軍の勇士を観よ!」との見出しで・・・飛行甲板から双発爆撃機が・・・それも、胴体へ爆弾を積んでいるのだ。

 「まさか・・・」と、絶句する幹部連中である。
双発爆撃機が爆弾を抱いてなら、総トン数は8トンを下らない。
 その重さの爆撃機が・・・すんなりと・・・飛行甲板から・・・
「ウソだ、ウソに決まっている。」「なんか、トリックをつかったのだ。」
 「合成写真ではないのかね。」と、ワイワイ、ガヤガヤである。
「では、空母対決を申し込んでは?」
 「陸軍へかね?」「万が一にでも、負けたら・・・」
「切腹程度では済まないぞ。」「・・・・」
「しかし、これでは、丸で海軍が能無し呼ばわりされかねないぞ。」と、危機感を煽るのだ。
 「しかし、なぜ陸軍が空母なぞ・・・」
「おそらく、満州への派遣軍で空母で戦闘機を輸送する要望を蹴ったからでしょうよ。」
 「当然だ、なんで陸軍へ協力せにゃならんのだ。」「そうだ、そうだ。」
「海軍が運び屋なんて、やれるかよ。」「そうだ、そうだ。」
 「しかし、この写真を観るかぎりは、陸軍の空母の完成度はハンパ無いですよ。」
「蒸気カタパルトなんて、どこの国でも無いですからね。」
 「それで、我が海軍の空母は?」「戦闘機なら、いけますが。」
「双発の1式陸攻は・・・絶対に無理ですよ。」
 「爆装無しなら、あるいは?」「でも、危険がハンパ無いですよ。」
「とても、部下にやれなんて、オレは言えない。」
 
 「どうして、こんなことに。」と、今更な海軍省の幹部の弁だ。
「それは、陸軍のヤカラが自己中だからだ。」「そうだ、そうだ。」
 相変わらず、どちらも島国根性が丸出しなのだ。
「もし、万が1にでも・・・敗残したら・・・」
 「そのようなことは、無い。」
「絶対に、無い。」「そうだ、海の事で、我が海軍が丘の野郎に負けるわけがない。
 ろくざま、陸軍空母の下調べもしないで・・・情報こそが、大切なのだが・・・
こうして、なんやかんやで・・・空母対決が決まったのである。
 「我が海軍は最新の空母、赤城で。」
「まて、まて、あれは最大の軍事機密だ。」「丘のヤツラに見せるわけにはいかんぞ。」
 「じゃあ、どれを出すのだ。」
「一番、隊員の練度が高い艦を出そう。」「それが、いいぞ。」
 「どの、艦だ。」
「瀬戸内海で訓練中の鵬翔で、どうだ。」
 「あれは、旧式艦ではないかっ!」
「でも、隊員の練度は最高だぞ。」「それは、わかるが・・・」
 鵬翔は空母として、英国海軍の真似をして建造した空母だ。
それで、現在は練習空母として瀬戸内海で活動している。
 「ようは、空母の離着艦の練度を観るんだろう。」
「そうだな。」「なら、一番のヤツで。」「そうなるか。」
 「でも、鵬翔からは・・・双発爆撃機は無理だぞ。」
「そんなもの、赤城でも無理だわさ。」
 「・・・・・」 なんも言えない、作戦参謀だ。

 海軍からは、96式艦上戦闘機隊が空母鵬翔と試合に参加することとなった。
陸軍は1隻しかないから・・・ところで、陸軍の空母の艦名が・・・
 「そうだった。」「艦名を、どうする。」
「海軍は地名を艦名に、しているようだ。」
 「海軍の真似は、死んでもイヤだぞ。」
「そうだ、古代の英雄は、どうだ。」
 「日本神話の英雄なんかだ。」
「それは、スサノウとか?」
 「それが、いいぞ。」「空母スサノウだ。」
「丸は、付けないのだな。」「スサノウ丸なんて、イマイチだぞ。」
 「丸無しで。」
カンタンな乗りで空母の艦名がきまってしまったのである。
 なんせ、政府へ試合の用紙を提出しなければならなかったからである。
まるで、ガキの試験である。
 まあ、鵬翔よりは・・・スサノウが強そうだ、と著者は感じたのだが・・・別に著者は、陸軍ヒイキではないのだ。
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