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人馬一体だ。
これが、ロボットと一体だ。
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「いいわね、合体するわよ。」 ロボットのホクトの背中が開く。 そこのハーネスと感応パッドだ。 それを、体に装着するアイシャだ。 そして、ロボットのホクトに入る。 アイシャはでかいヘルメットをかぶる。 すっぽりと頭が入る。 突然、目の前に、VTOLの機内が見える。 「これが、ホクトが見てるのと同じ景色なのね。」 「ア、ア、ソウダ。」 ホクトが答える。 ホクトの四本脚が手足に伝わる。 VTOLの機内の床の感触が伝わる。 「アイシャ、聞こえるか。」 連れのレンジャーからだ。 「え、え、聞こえるわ。」 「どうだ、調子は?」 「そうね、人馬一体て感じね。」 「そうか、さすがウイグルの血だな。」 人工頭脳との連携はウイグル少女しかできなかったのだ。 それで、年齢が・・・だが、戦場に出ざるをえんのである。 もちろん、軍事機密だ。 他国に知られるわけにはいかない。 なんせ、16歳以下の(アイシャをのぞく)少女なのだ。 なんと、12歳の少女がワンコ4号の親なのだ。 いままで、戦死はゼロなのだが・・・ 言い訳にもならない。 しかし、原爆やミサイルでは、なんともできない作戦に、ロボット兵器は最大の戦果をあげてきたのだ。 邦人の救出や亡命者の保護など、そしてロンメロ将軍の命も救ったのだ。 「これが、最期の出撃かも・・」 同盟国にも内緒のことなのだ。 少女を戦場に投入する国なのだ。 それも、12歳の・・・ 総理は自信の進退ではどうにもならないことだ・・・ 「いや、全責任はオレが盗る。」 あえて、盗るだ。 責任をとり、腹を切るのが漢(オトコ)なのだ。 総理をやめるときは華々しく散るのみなのだ。 「あと、30分で博多沖に到着です。」 「なら、速度を墜とせ。」 「速度、30まで墜とせ~。」 空母のバルバスバウ(船首の下のふくらみだ。)が開いて、逆進の水流ジェットが噴き出す。 「左右の水流でフネのバランスを取れ。」 「了解。」 左右の船べりから水流が噴き出して、空母のバランスと取る。 「さすが、超電磁推進は違うな。」 数秒で、「速度、30です。」 「VTOL発進。」 発令だ。 VTOLは音もなく、空母から発進する。 ロボットにウイグル少女が乗り込むことで、動きがロボット兵の動きが格段に進歩した。 そして、レンジャーはVTOLから指示をだすことは、以前とかわらないのである。 なんか、いたたまれないレンジャーだが・・・ 人工知能がレンジャーの野郎では、言うことをきかないのだ。 なぜなのか、理由はカンタンだ。 開発者の変態科学者、須藤君のロリコンとマザコンとシスコンの三重苦が心底にあるからなのだ。 だが、それは言えない須藤君だ。 まさか、人工知能がロリでマザコンでシスコンなんて死んでも言えないのだ。 そして、今回の作戦で初めて国旗がロボットに描かれたのだ。 なぜなら、隠密行動ではないからだ。 住民をシナ兵から守るためだ。 それには、国旗が必要である。 (国際法を守る、日本国なのだ。) 「見えました。」 「では、いいわねホクト。」 「まかされよ。」 博多市へVTOLは舞い降りる・・・・・
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