零式輸送機、満州の空を飛ぶ。

ゆみすけ

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未だ、敵の軍艦へ降下しろっ!

タイミングは1度っキリだぞっ!!!

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 「いいかっ、降下のチャンスは1度っきりだ。」「心してかかれっ!」
と、激を飛ばす藤堂少佐だ。
 零式輸送機は黄海上をポツンと彼方に見えるロシア海軍の軍艦であるプチャーン号へ・・・
「高度は1500で固定しろ。」
 「軍艦の約500メートル手前で降下するぞ。」
つまり、気圧や風の影響を計算した数値だ。
 「いいか、特殊降下具は装着したな。」「何度も、確認だ。」
特殊降下具とは、足の裏を金属でカバーした軍足や切断式落下傘などのことだ。
 なんせ、軍艦の艦橋の上に降下するからだ。
普通の軍艦は艦橋の上に見張り所がある。
 そこで、見張り員が双眼鏡で周囲を見張るためだ。
当時はレーダーは実用化されていなかったのだ。
 日本の兵器工廠で研究されているウワサが・・・あくまで、ウワサだ。
靴底の金属板は降下先が軍艦の上だからだ。
 なにが、床にあるかわからんからだ。
そして、狭いことろだ。 落下傘が邪魔である。
 それで、着地と同時に切り離せるように・・・あとは、海の上へ・・・拾うヤツなんていないからね・・・
そして、銃の修身が短い突撃機関銃でロシア水兵を皆殺しにすれば、いいだけなのだ。
 散々、満州騎馬隊を殺したロシア兵なぞ・・・皆殺しで十分なのである。
殺された数の、3倍返しの日本陸軍である。

 ブザーが鳴り、警告灯が点滅した。
「今だっ、行けい!」と、係官が合図だ。
 12名が次々と降下する。
眼下に停船してるロシア海軍の軍艦、プチャーン号は・・・まさか、日本陸軍の空挺が降ってくるなんて・・・夢にも思っていなかったのだから・・・
 普通、ヒトは上空から降ってくることはないからだ。
停船中といっても、ボイラーは稼働して臨戦態勢にある軍艦だ。
 それなりの騒音はあるのだ。
それで、零式輸送機の双発エンジン音はかき消されて・・・上空を見上げる水兵は皆無だった。
 軍艦の敵は水平線から現れるからだ。
12名の決死隊、隊長として指名を受けたヤマモト少尉は・・・
 最初に降下して・・・グングン、軍艦が迫ってくる・・・
とても、落下傘を操る暇なんて・・・無かったのだ。
 もう、必死だ。
時間にして、数秒だったらしいが・・・人生を思考するほどの長~い緊張が・・・
 そして、艦橋の見張り所へ・・・バウンドして降り立ったのだ。
「よし、。やったぞ。」「皆は、どうだ。」
 数人が艦橋から外れて・・・甲板へ降りたモノも居るようだが・・・
流されて海上へ降下した隊員は皆無だ。
 勝てるぞ、と確信するヤマモト少尉だ。
運が味方したのだ。
 運がよくないと・・・誰かが脱落するものだ。
12名が突撃銃を乱射して・・・ロシア水兵に風穴を開ける。
 「騎馬隊の恨みだ。」「思い知れっ!」
白い水兵服が朱に染まるが・・・
 「いいか、全員抹殺だ。」と、殺しまくる隊員らである。
これが、戦争なのである。
 銃での撃ちあいは陸軍が勝っている。
それで、銃撃戦に脆い・・・海軍水兵なのである。
 確実に軍艦の階層ごとに、敵を殲滅したかの確認だ。
「艦橋は掃除したぞ。」「通信室は?」「最初に掃除したぞ。」
 軍艦は500名ほど乗ってるのだ。
12名が500名を殺戮するのだ。 
 ひとりで40名以上を殺さねばならない。
手を挙げて投降する兵も・・・朱に染まる。
 先の大戦で米軍なんて・・・投降する日本兵を殺しまくったそうだ。
捕虜を獲るのは・・・めんどくさいからである。
 死体は転がしておけばいいが・・・捕虜は監視してないと・・・
日本軍のことを貶めるヤカラに言いたい・・・
 有史以来、日本軍ほど規律を守り国際法(ハーグ陸戦条約)を守った軍はないだろう。
なぜなら、日本軍は天皇陛下の軍、つまり皇軍だからだ。
 恐れ多くも天皇陛下に・・・恥をかかせることだけは絶対にできないからだ。
「全艦内、制圧しました。」「うむ。」
 こうして満州国派遣、日本陸軍空挺決死隊は軍艦プチャーン号を鹵獲したのだった。


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