零式輸送機、満州の空を飛ぶ。

ゆみすけ

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陸軍の大演習がはじまった・・・

ロシア軍艦を・・・ダグボートで曳航する。

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 以前にロシア軍艦を移動させる水兵がいないということで・・・船員をツテでなんとかしょうと・・・
しかし、しかしだ。
 軍艦のボイラーへ石炭をくべて・・・蒸気を起こして・・・蒸気機関を動かすことは・・・
無理だったのだ。
 過酷な重労働を強いることとなったしまうからだ。
ロシア海軍は階級差が激しいことでも有名だったのだ。
 一番、酷いのが・・・釜たき要員である。
せっせと・・・石炭の山からスコップでボイラーへ石炭をくべるのだが・・・
 熱いし(溶鉱炉なみ)軍艦の底は過酷な重労働だったのだ。
ヒトは馬でも機械でもない・・・人間なのだ。
 とても・・・頼んだんだが・・・やってくれなんて・・・言えない、陸軍幹部だ。
ロシア海軍の鎌たき要員は奴隷以下の労働環境を、よく耐えてたものである。
 「オレはヒトとして、あそこで石炭をくべろ・・・なんて、言えない。」と、大演習の陸軍参謀の弁である。
無理を言ってお願いする以上は・・・頼めることと・・・頼めないことがあるのは当然なのである。
 それで、タグ・ボートで曳航することとなったのだ。
ここで、問題が・・・大連港には海軍所属のタグ・ボートしかなかったからだ。
 たとえ死んでも、海軍へ貸してください、なんて言えるわけがない陸軍なのだ。
それで、陸軍幹部が徴用船の航海士へ、「相談なんだが?」と、無理難題である。
 「うむ、そうですか。」
「で、軍艦を鎮座させる場所は?」と、航海士が聞く。
 「あ、あ、大連港沖にある小島の付近なら・・・」
つまり、大演習の観覧者の都合で演習場所は、あまり移動できないのである。
 「なら、あきつ丸と徴用船の2隻で曳けばなんとかなりそうですよ。」と、回答する。
「タグ・ボートならカンタンなんですが、無理なんでしょう。」「うむ、そのなんだ・・・無理なんだ。」と、苦しい言い訳の幹部さんだ。
 「前を徴用船で、後ろからは、あきつ丸でやればなんとかなりそうですよ。」と、航海士がいう。
「フネはすぐには停船できないですから、ブレーキ船が要るんですよ。」
 「まあ、2隻とも無理して使うんですが、しゃあないでしょう。」
「まあ、そうしてくれるとありがたい。」と、冷や汗の陸軍の幹部だ。
 海軍の大演習で標的である敵戦車を空中魚雷で殺ってるときに・・・陸軍の徴用船とあきつ丸で・・・
ロシア海軍の軍艦プーチャン号を演習場所まで、なんとか曳航できたようだ。
 「そうだ、軍艦の煙突から煙が・・・出てたほうが・・・」と、陸軍幹部が余計なことを・・・
輸送機から降下する隊員が煙たい・・・だろうに・・・
 「でも、艦を拿捕するときはどうだったんだ。」と、幹部が聞く。
空挺隊員は、「ガマンですよ、ひたすらガマンです。」
 「空挺部隊の隊則に、ガマンすることが修行である、とありますから。」だぞうだ。
やりたいことをヤル、それはいいとして・・・やりたいことをヤルためのガマンが必要ということだ。
 空挺隊員として降下する以上、地上には何があるかわからないものだ。
煙突からの煙が・・・イヤだからできないなんて・・・お子ちゃま以下だ。
 漢(オトコ)の職場というものは、耐え(ガマン)なけれなならない場合も多々あるのである。
愚将である、山本五十六も人生訓として・・・
 言いたいこともあるだろう、不満なこともあるだろう、腹の立つこともあるだろう、泣きたいこともあるだろう。
これらをじっとこらえていくのが男の修行である。
 との、名言を残している。
マジな武人は戦闘を語ることはないのだ。
 真の野郎は行動を自慢しないし・・・ひけらかすことも無いのだ。
伝えねばならないとこは、伝えるべきだが・・・自分勝手な余計な一言は、言わないのが漢(オトコ)なのである。
 鏡で自身の顔を観て・・・そこに、解答があるのだ。
まだ、修行が足りないぞ、って・・・

 
 
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