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墓参り
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92-012
一度は諦めた子供でも何処かで元気で育ってくれたら、それだけで充分だと思って周に預けた凛子。
仕事をする為に仕方が無い事で、不規則な空港の仕事では子育てとの両立は至難の業だった。
真夜中に盛岡の駅前のビジネスホテルに着く。
部屋に入ると、もう凛子は耐えられない。
涙が流れ出すともう止まらない。
「咲!文武!どうして、どうして死んでしまったの?」泣きながら二人の名前を叫ぶ様に言う。
やがて泣き疲れてそのままベッドに眠ってしまった。
翌日アメリカ土産を持って老人ホームに向かう凛子。
70歳を少し越えた両親は事故の後遺症で身体が自由に動かないのです。
自宅の火事で焼け出されて、父は足が不住で母は殆ど寝たきり状態の身体だった。
「お帰り、久しぶりだな!もう日本に居るのか?」父の直之が尋ねた。
「そのつもりよ!これからは時々顔を見に来るわ!」
「そうか、凛子も多少は癒えたか?」
頷く凛子だが、とても両親には子供が亡くなった話は出来なかった。
二人にとっても唯一の孫だから、結婚には大反対されたけれど孫が生まれると可愛がってくれた。
その後親の反対を押し切って結婚した事を凛子は後悔した。
結局離婚で決着が付き、心の傷を癒す為アメリカ勤務を志願したのだ。
だが戻って見ると最悪の結果が待ち構えて居たのだ。
しばらく話した後、凛子は母信子の様子を見る為に向かった。
事故後一命は取り留めたが、意識不明で殆ど寝たきり状態だ。
火事の煙を吸った事が主な要因の様だ。
病室で凛子の姿を見ても殆ど反応が無い状況だ。
「今日はお母さん!帰って来たわよ!」声をかけるが反応は無い。
再び父直之の所に戻ると「お母さん!変化ないわね!」悲しそうに言った。
東京に住んで羽田空港に勤務すると伝えて、これから寺に寄って東京に向かうと告げた。
「そうか、智之も誰も来ないから寂しい思いをしているだろうな!私もお母さんもこんな身体だからな!凛子よろしく頼むよ!」
介護老人ホームを出ると花巻に向かう凛子。
今の両親が事故の事を知ったら、精神的に耐えられないだろうと思う。
花巻の駅前からタクシーに乗ると、垢抜けした姿の凛子はひと際目立つ。
「龍昇寺に行きたいのですが、花と線香を先に買いたいのですがお店有りますか?」
「は、はい!」この運転手が石崎で偶然の悪戯に成った。
「初めてですか?」
「三年振りに日本に帰って来ました!少し変わった様な気がしますね」
「海外でお仕事を?」
「は、はい!アメリカに居ました。今度は東京勤務です」
「田舎がこちらですか?」
「誰も居ませんが、墓が在るので、、、、、、」
車はしばらく走って仏壇仏具店の駐車場に入った。
「確かお供え用の花も置いて在ったと思いますよ!」そう言って石崎はドアを開いた。
しばらくして献花用の花とお供え用の花を抱えて戻って来た凛子。
「どうされたのですか?」驚いて石崎が尋ねる。
「墓参りの後、交通事故の献花する場所が一関インターに在ると聞いたのでそこに連れて行って貰えませんか?」
「交通事故って半月程前のトンネル事故ですか?」
「はい!そうです」
「は、はい」
車が走り始めると石崎は「お知り合いがあの事故で?」
「え、ええ」曖昧な返事をする。
ミラーの顔が今にも泣き出しそうだったので、しばらく話をするのを躊躇う石崎。
凛子は必死で耐えていた。
子供達の顔と弟智之の顔がちらついていたからだ。
しばらくして龍昇寺に到着すると、献花用の花と鞄を残して墓地に向かった。
「ごめんね!ちーちゃん!寂しかったでしょう?」
智之は自宅の火事で焼死していた。
その時、助け様とした両親が巻き込まれて事故に遭ったのだ。
両手を合わせて「ごめんね!咲と文武が行ったでしょう?仲良くしてね!」と語りかける凛子の瞳から大粒の涙が零れていた。
しばらくして、涙が収まって化粧を整えるとタクシーに戻る凛子。
「お待たせしました!一関の献花場にお願いします」
「私もあの事故に巻き込まれたのですよ!」
「えっ、運転手さんも?」
「私はトンネルの外でしたが、長時間動かず困りました!幼い子供さんが亡くなられて可哀そうでした」
「、、、、、、、、、、」
「あの事故の関係者の方、貴女で二人目ですよ!先日は関西から来られた方でした!知り合いのご主人と子供さんかも知れないと、必死で探されて居ましたよ!」
「えっ、どんな感じの方ですか?」
「60半ば位の紳士でしょうか?私連絡先聞いていますよ!」そう言いながら手帳を出す石崎。
「名前は青木さんですね」
顔色が一気に変わった凛子。
「何をする為に来たと?」
「知り合いの女性の旦那さんと子供では?とニュースを見て飛んで来たと、花巻空港に勤めて居る筈だと二度行かれましたね!一緒に事故の車に乗ってない、職場にも居ないと心配されていましたね」
「そう、、、、、、、、、、」そう呟くと凛子は喋らなく成った。
石崎に彼女が探している本人だと知る筈もなかった。
車は高速の入り口に向かって走り出した。
一度は諦めた子供でも何処かで元気で育ってくれたら、それだけで充分だと思って周に預けた凛子。
仕事をする為に仕方が無い事で、不規則な空港の仕事では子育てとの両立は至難の業だった。
真夜中に盛岡の駅前のビジネスホテルに着く。
部屋に入ると、もう凛子は耐えられない。
涙が流れ出すともう止まらない。
「咲!文武!どうして、どうして死んでしまったの?」泣きながら二人の名前を叫ぶ様に言う。
やがて泣き疲れてそのままベッドに眠ってしまった。
翌日アメリカ土産を持って老人ホームに向かう凛子。
70歳を少し越えた両親は事故の後遺症で身体が自由に動かないのです。
自宅の火事で焼け出されて、父は足が不住で母は殆ど寝たきり状態の身体だった。
「お帰り、久しぶりだな!もう日本に居るのか?」父の直之が尋ねた。
「そのつもりよ!これからは時々顔を見に来るわ!」
「そうか、凛子も多少は癒えたか?」
頷く凛子だが、とても両親には子供が亡くなった話は出来なかった。
二人にとっても唯一の孫だから、結婚には大反対されたけれど孫が生まれると可愛がってくれた。
その後親の反対を押し切って結婚した事を凛子は後悔した。
結局離婚で決着が付き、心の傷を癒す為アメリカ勤務を志願したのだ。
だが戻って見ると最悪の結果が待ち構えて居たのだ。
しばらく話した後、凛子は母信子の様子を見る為に向かった。
事故後一命は取り留めたが、意識不明で殆ど寝たきり状態だ。
火事の煙を吸った事が主な要因の様だ。
病室で凛子の姿を見ても殆ど反応が無い状況だ。
「今日はお母さん!帰って来たわよ!」声をかけるが反応は無い。
再び父直之の所に戻ると「お母さん!変化ないわね!」悲しそうに言った。
東京に住んで羽田空港に勤務すると伝えて、これから寺に寄って東京に向かうと告げた。
「そうか、智之も誰も来ないから寂しい思いをしているだろうな!私もお母さんもこんな身体だからな!凛子よろしく頼むよ!」
介護老人ホームを出ると花巻に向かう凛子。
今の両親が事故の事を知ったら、精神的に耐えられないだろうと思う。
花巻の駅前からタクシーに乗ると、垢抜けした姿の凛子はひと際目立つ。
「龍昇寺に行きたいのですが、花と線香を先に買いたいのですがお店有りますか?」
「は、はい!」この運転手が石崎で偶然の悪戯に成った。
「初めてですか?」
「三年振りに日本に帰って来ました!少し変わった様な気がしますね」
「海外でお仕事を?」
「は、はい!アメリカに居ました。今度は東京勤務です」
「田舎がこちらですか?」
「誰も居ませんが、墓が在るので、、、、、、」
車はしばらく走って仏壇仏具店の駐車場に入った。
「確かお供え用の花も置いて在ったと思いますよ!」そう言って石崎はドアを開いた。
しばらくして献花用の花とお供え用の花を抱えて戻って来た凛子。
「どうされたのですか?」驚いて石崎が尋ねる。
「墓参りの後、交通事故の献花する場所が一関インターに在ると聞いたのでそこに連れて行って貰えませんか?」
「交通事故って半月程前のトンネル事故ですか?」
「はい!そうです」
「は、はい」
車が走り始めると石崎は「お知り合いがあの事故で?」
「え、ええ」曖昧な返事をする。
ミラーの顔が今にも泣き出しそうだったので、しばらく話をするのを躊躇う石崎。
凛子は必死で耐えていた。
子供達の顔と弟智之の顔がちらついていたからだ。
しばらくして龍昇寺に到着すると、献花用の花と鞄を残して墓地に向かった。
「ごめんね!ちーちゃん!寂しかったでしょう?」
智之は自宅の火事で焼死していた。
その時、助け様とした両親が巻き込まれて事故に遭ったのだ。
両手を合わせて「ごめんね!咲と文武が行ったでしょう?仲良くしてね!」と語りかける凛子の瞳から大粒の涙が零れていた。
しばらくして、涙が収まって化粧を整えるとタクシーに戻る凛子。
「お待たせしました!一関の献花場にお願いします」
「私もあの事故に巻き込まれたのですよ!」
「えっ、運転手さんも?」
「私はトンネルの外でしたが、長時間動かず困りました!幼い子供さんが亡くなられて可哀そうでした」
「、、、、、、、、、、」
「あの事故の関係者の方、貴女で二人目ですよ!先日は関西から来られた方でした!知り合いのご主人と子供さんかも知れないと、必死で探されて居ましたよ!」
「えっ、どんな感じの方ですか?」
「60半ば位の紳士でしょうか?私連絡先聞いていますよ!」そう言いながら手帳を出す石崎。
「名前は青木さんですね」
顔色が一気に変わった凛子。
「何をする為に来たと?」
「知り合いの女性の旦那さんと子供では?とニュースを見て飛んで来たと、花巻空港に勤めて居る筈だと二度行かれましたね!一緒に事故の車に乗ってない、職場にも居ないと心配されていましたね」
「そう、、、、、、、、、、」そう呟くと凛子は喋らなく成った。
石崎に彼女が探している本人だと知る筈もなかった。
車は高速の入り口に向かって走り出した。
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