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気に成る微笑み
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84-06
翌朝「お母さんの選んだ人調べたけれど、どの人も好みじゃなかったわ!また探してね!」
「えっ、あんなに良い条件の人を選んだのに、でも麻結が気に要る人でなければ駄目よね!もう一度探してみるわ!見合いをする気には成ったのね!」
「まあね!一度位見合いも良いのかなって思ったわ!」
「判ったわ!真剣に探してみるわ!」浅子は麻結の言葉に結婚する気が有ると喜んだ。
食事が終わると何時もの様に丸い眼鏡と地味な服装、大きなマスクに綺麗な長い黒髪を小さく纏めると髪バンドで留めた。
「自然体で通勤出来ないのかね!」祖母が余りの変身に嘆きながら言った。
「大学生の時、ミスキャンバス騒動が尾を引いているのですよ」
「もう三十近い女性だよ!あの様な騒ぎには成らないわよ!」
二人の会話を背中に元気よく出て行く麻結。
歩きながら昨夜のパソコンの画面を思い出すと「何故だろう?気に成るわ!」独り言の様に言う。
何処かの公園の芝生の上に足を投げ出して座る男性、その笑顔が昨夜から麻結の脳裏を離れないのだ。
何処の誰までは調べなかったが、結婚相談所のサイトに三年程掲載されている古い男性会員の様だった。
普通は一年程度で決まって退会するか、諦めて退会らしいので三年も掲載しているのは珍しいのだ。
古い登録者は次々新しい人が入会するので、忘れられて行く様だ。
会費も結構必要なので、見合いも無い状態で登録している人は本当に少ない。
その日の夜、再び麻結は昨夜の男性を探し始めた。
沢山の登録者で兵庫県か大阪府だと思って探すが、中々表示されない。
しばらく探してようやく見つけると麻結は一瞬嬉しく成った。
「この人だわ!身長162センチ、体重63キロか、チビだわね!でも何故こんなに長く掲載されているのだろう?」
独り言を言いながら紹介の文章を読み始めた。
「あっ、これが原因なのね!」顔は普通だけれど歩くのに杖が必要だと書いて有る。
「障害者の人なのだわ!」
それで見合いも少ないし、交際も出来て無いのだわ!
生年月日を見ると一歳年上だと判ると、疑問が解けた様な気分に成ってパソコンを閉じた麻結。
だが眠りに就くと昨夜と同じで、あの笑顔がちらついて眠れなくなる。
「何故なの?」寝がえりをしても、うとうとして熟睡が出来ずに朝を迎える麻結。
翌日、浅子が再び五人の男性を選んで麻結にメモを渡して「この中から選んで頂戴!新しく申し込みの有った人の中から選んだのよ!」
「えっ、この前に申し込みを頂いた人ではないの?」
「その後に来た人よ!だって毎日十人程来るのよ!写りの良い写真を載せたからだわ!実物より良いかもね!」嬉しそうに言う浅子。
「そんなに沢山の方に申し込まれているの?」
「我が子ながら鼻が高いわ」
「でも悪いわ!見合い出来る人数限られているのにね!」申し訳なさそうに言う麻結。
「断った人沢山ね!早く取り下げるか?決めるかだわね!」
仲人の梅宮は自分が推薦した3人が全員断られてショックが大きい。
だがこれ程反響が有るとは考えても居なかった梅宮。
自分が麻結の好みを聞かずに推薦したのが失敗の原因だと思い翌日電話をかけて来た。
尋ねられた浅子は昔好きに成って、今でも忘れられないと言う麻結の友人坂上伸一の姿を想像しながら梅宮に話した。
梅宮は「若々しい方ですね!どちらかと云えば同い年か年下が好みなのね!確かに娘さんは若く見えるしお美しいわ」
浅子は二度会っただけの坂上伸一のイメージを話したので、当然その青年は18歳の若者そのものだった。
梅宮は浅子に聞いたイメージの男性を探し始めた。
同じ結婚相談所の仲間なので、探すと連絡をして麻結を紹介するのだ。
二回目に浅子が選んだ男性を麻結が調べたが、それ程気に成る人も居なかった。
それでも麻結は直ぐに断らずに、ニ三日考える様にした。
唯、あの写真の男性がその後も時々、麻結の脳裏に蘇るのだ。
二日後、「お母さん!今回も気に要る男性は居なかったわ!ごめんなさい!」
「麻結が真剣に見合いの相手を探そうとしてくれただけでも嬉しいわ!また沢山来ているから良い男性を探して置くわ!」
「一人気に成る人を見つけたのだけれど、、、、、、」
恐る恐る口籠りながら言う麻結。
「えー、ど、どこで見つけたの?役所の人!それとも役所に来る人!友達の紹介?」
驚いて矢継ぎ早に尋ねる浅子。
「違うわよ!婚活サイトで見つけたのよ!」
「向こうから申し込みが有った人なの?」
「違うわ!何も無いわ!偶然見つけたのよ!」
「じゃあ、麻結から申し込むの?こんなに沢山申し込みが有るのに?」
「気に成るのよ!」
「学歴が良いの?仕事が良いの?年収が多いの?何処に住んでいるの?」
「学歴は大卒しか書いてないわ!」
「そりゃ、私立だわね!それも有名じゃない学校だよ!年収は1千万?」
「違うわ!少ないみたいよ!」
「じゃあ、仕事は有名な企業なの?」
「違うわ、多分中小企業だと思うわ!」
「えーー、でも麻結が気に成るのなら、美男子ね!」
首を振る麻結を見て浅子は不思議そうな顔で「何が、良かったの?」と尋ねた。
翌朝「お母さんの選んだ人調べたけれど、どの人も好みじゃなかったわ!また探してね!」
「えっ、あんなに良い条件の人を選んだのに、でも麻結が気に要る人でなければ駄目よね!もう一度探してみるわ!見合いをする気には成ったのね!」
「まあね!一度位見合いも良いのかなって思ったわ!」
「判ったわ!真剣に探してみるわ!」浅子は麻結の言葉に結婚する気が有ると喜んだ。
食事が終わると何時もの様に丸い眼鏡と地味な服装、大きなマスクに綺麗な長い黒髪を小さく纏めると髪バンドで留めた。
「自然体で通勤出来ないのかね!」祖母が余りの変身に嘆きながら言った。
「大学生の時、ミスキャンバス騒動が尾を引いているのですよ」
「もう三十近い女性だよ!あの様な騒ぎには成らないわよ!」
二人の会話を背中に元気よく出て行く麻結。
歩きながら昨夜のパソコンの画面を思い出すと「何故だろう?気に成るわ!」独り言の様に言う。
何処かの公園の芝生の上に足を投げ出して座る男性、その笑顔が昨夜から麻結の脳裏を離れないのだ。
何処の誰までは調べなかったが、結婚相談所のサイトに三年程掲載されている古い男性会員の様だった。
普通は一年程度で決まって退会するか、諦めて退会らしいので三年も掲載しているのは珍しいのだ。
古い登録者は次々新しい人が入会するので、忘れられて行く様だ。
会費も結構必要なので、見合いも無い状態で登録している人は本当に少ない。
その日の夜、再び麻結は昨夜の男性を探し始めた。
沢山の登録者で兵庫県か大阪府だと思って探すが、中々表示されない。
しばらく探してようやく見つけると麻結は一瞬嬉しく成った。
「この人だわ!身長162センチ、体重63キロか、チビだわね!でも何故こんなに長く掲載されているのだろう?」
独り言を言いながら紹介の文章を読み始めた。
「あっ、これが原因なのね!」顔は普通だけれど歩くのに杖が必要だと書いて有る。
「障害者の人なのだわ!」
それで見合いも少ないし、交際も出来て無いのだわ!
生年月日を見ると一歳年上だと判ると、疑問が解けた様な気分に成ってパソコンを閉じた麻結。
だが眠りに就くと昨夜と同じで、あの笑顔がちらついて眠れなくなる。
「何故なの?」寝がえりをしても、うとうとして熟睡が出来ずに朝を迎える麻結。
翌日、浅子が再び五人の男性を選んで麻結にメモを渡して「この中から選んで頂戴!新しく申し込みの有った人の中から選んだのよ!」
「えっ、この前に申し込みを頂いた人ではないの?」
「その後に来た人よ!だって毎日十人程来るのよ!写りの良い写真を載せたからだわ!実物より良いかもね!」嬉しそうに言う浅子。
「そんなに沢山の方に申し込まれているの?」
「我が子ながら鼻が高いわ」
「でも悪いわ!見合い出来る人数限られているのにね!」申し訳なさそうに言う麻結。
「断った人沢山ね!早く取り下げるか?決めるかだわね!」
仲人の梅宮は自分が推薦した3人が全員断られてショックが大きい。
だがこれ程反響が有るとは考えても居なかった梅宮。
自分が麻結の好みを聞かずに推薦したのが失敗の原因だと思い翌日電話をかけて来た。
尋ねられた浅子は昔好きに成って、今でも忘れられないと言う麻結の友人坂上伸一の姿を想像しながら梅宮に話した。
梅宮は「若々しい方ですね!どちらかと云えば同い年か年下が好みなのね!確かに娘さんは若く見えるしお美しいわ」
浅子は二度会っただけの坂上伸一のイメージを話したので、当然その青年は18歳の若者そのものだった。
梅宮は浅子に聞いたイメージの男性を探し始めた。
同じ結婚相談所の仲間なので、探すと連絡をして麻結を紹介するのだ。
二回目に浅子が選んだ男性を麻結が調べたが、それ程気に成る人も居なかった。
それでも麻結は直ぐに断らずに、ニ三日考える様にした。
唯、あの写真の男性がその後も時々、麻結の脳裏に蘇るのだ。
二日後、「お母さん!今回も気に要る男性は居なかったわ!ごめんなさい!」
「麻結が真剣に見合いの相手を探そうとしてくれただけでも嬉しいわ!また沢山来ているから良い男性を探して置くわ!」
「一人気に成る人を見つけたのだけれど、、、、、、」
恐る恐る口籠りながら言う麻結。
「えー、ど、どこで見つけたの?役所の人!それとも役所に来る人!友達の紹介?」
驚いて矢継ぎ早に尋ねる浅子。
「違うわよ!婚活サイトで見つけたのよ!」
「向こうから申し込みが有った人なの?」
「違うわ!何も無いわ!偶然見つけたのよ!」
「じゃあ、麻結から申し込むの?こんなに沢山申し込みが有るのに?」
「気に成るのよ!」
「学歴が良いの?仕事が良いの?年収が多いの?何処に住んでいるの?」
「学歴は大卒しか書いてないわ!」
「そりゃ、私立だわね!それも有名じゃない学校だよ!年収は1千万?」
「違うわ!少ないみたいよ!」
「じゃあ、仕事は有名な企業なの?」
「違うわ、多分中小企業だと思うわ!」
「えーー、でも麻結が気に成るのなら、美男子ね!」
首を振る麻結を見て浅子は不思議そうな顔で「何が、良かったの?」と尋ねた。
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