30 / 98
板挟み
しおりを挟む
84-030
いつもの恰好で職場の役所に行くと昼食時に井上真知子が「丸山さんが三人で食事がしたいと、落合さんを誘って欲しいと言われまして、お願い出来ませんか?」
「えっ、二人のデートの邪魔は出来ないわ!」
「まだ、一度も食事に二人で行った事がなくて、三人なら行っても良いと、、、、、、」
真知子は言い難そうに誘った。
丸山も来週から三人目の参戦が有るので、何とかそれまでに近づきたい。
真知子を使って近づく作戦だった。
麻結は困惑して「私が行くのは?良くないのでは?」
「じゃあ、最初だけで、途中で私が携帯に電話をしますので急用で帰って下さい!お願いいします!」
真知子は苦肉の策を麻結に話して、協力して欲しいと拝む様に言った。
麻結は根負けして平日の夜か、土曜日なら大丈夫だと答えた。
真知子は大喜びで食事の後軽やかに職場に帰って行った。
もう一人の男、麻生祐樹もいよいよ来週から参戦の準備に入った。
大手の証券会社に勤めて、家族は大阪の南に5階建てのマンションを所有している。
三人の中では一番二枚目だが、年齢は一番上の33歳だ。
付き合いの有る人にも、一癖も二癖も有る人物も居た。
その男達と自分が落合麻結と結婚したいので、協力して欲しいと相談していた。
梅宮に貰った写真を見せると「凄い!別嬪さんだ!祐樹が欲しがる筈だ!」と茶化した。
「言っとくが遊びの相手では無いのだぞ!ホテルに連れ込んで何て考えでは無いのだぞ!彼女の親父は銀行の支店長だ!」
「良い家のお嬢様って事ですね!祐樹の家とは合う様だな!」
「上手く結婚まで運べば100万、手付にひとり10万で頼む!経費は別途払う」
「具体的には何をすれば?」
「彼女のガードだ!ライバルが最低でも3人いるので、強行手段に出る奴も居るからな!」
仕事を承知した須永工と三島光男は喜んで金を受け取った。
麻結を取り囲む色々な人物が思い思いにアプローチを賭けて来る。
両親も今の見合い相手を不服として、直接間接に次々と策を講じている。
藪内卓也に大きな期待を持っている。
その為の策も父親の智光は考えているのだ。
週の半ばの夜、その卓也が父からの預かり物を持ってやって来た。
既に時間は7時を過ぎていて、食事が終わった頃だった。
智光は卓也を招き入れると、コーヒーを飲んで帰る様に勧めた。
勿論、麻結を卓也に見せる為で、卓也が気に要れば作戦実行へと向かう事に決まっていた。
コーヒーを作ると浅子が「これを応接に持って行って頂戴!」と言って麻結に委ねる。
「何故?私が?」文句を言うが「後片付けが有るから、手伝いなさい!」と押し付けた。
「何方がいらしてるの?」
「お父さんの同僚で姫路支店の支店長さんの息子さんが、届け物を預かって来られた様だわ!」
「姫路から来られたら、帰りが遅く成るのでは?」
「コーヒー位出さないと悪いわ!早く持って行って頂戴!」
麻結は少し変だと思いながら応接室に入った。
「娘の麻結です!こちら薮内支店長のご子息の卓也さんだ!」
コーヒーをテーブルに置きながら、軽く会釈をした麻結。
「美しいお嬢様ですね!」卓也は麻結の長い黒髪を見て思わず口に出た。
「いやいや、もう直ぐ30なのに嫁にも行かずに親と暮らしています!」
コーヒーを置くと、直ぐに出て行こうとする麻結。
「卓也君!結婚は?」
「まだ独身なのです!良い方に巡り合いませんでした!」
「それは残念だったな!探しているのか?」
「は、はい!」
雲行きが怪しく成って、直ぐに応接を出る麻結。
もしかして、私を見に来たのかな?仕組まれたのね?と悟った。
大阪の変な男の次は、同僚の息子か?何年か前に聞いた記憶が蘇る。
「私、伸一さんの事が忘れられないから、結婚は考えられません!」と強く断った記憶が、、、、
24歳位の時だったと思い出していた。
その時は相手の顔も見ていない麻結だったが、同僚の息子さんと聞いた事は思い出した。
しばらくして卓也が帰ると「あの人私を見に来たのでしょう?」
「そうだ!あの薮内の息子さんなら、結婚に大賛成だがな!」
「そうですよ!今付き合って居る人は駄目よ!」浅子も一緒に言う。
「障害者の方だから?偏見よ!差別だわ!」
「あの身体で子供が出来るのか?」
「そうですよ!普通の身体でも、、、、、、、」浅子が言いながら誤魔化した。
「判らないけれど、大丈夫だと思うわ!」
「服を着ているから判らないが、本当は能力無いかも知れないぞ!」
「本当お父さん達は差別の塊ね!」怒る麻結。
「お前の事を考えて話して居るのよ!お願いですから考え直して!」
(反対すると反発して結婚するって言いだしますよ!気を付けて下さいね)梅宮の言葉が頭を過った浅子。
「そんなに云うなら、試して見るわ!」麻結が言った。
「試すって何を?」
「勿論SEXよ!」
「えーーーー」
「何を言い出すのだ!麻結!軽率な行動は駄目だぞ!」
二人は麻結の言葉に驚いて狼狽える。
してやったりの麻結は二人を階下に、自分の部屋に駆け上がった。
「やはり、例の方法を使うしか道は無い様だな!」
「何ですか?例の方法って?」
「今日来た卓也君が麻結の事をどの様に思ったか?それが一番大事だ!」
「そりゃ、申し込むのに決まっているわ!」自信の浅子。
(家は反対の嵐よ!今も変な男が家に来たわ?)
(それって見合い候補かな?)
(何故判るの?)
武史にlineで話をする麻結、苦しい板挟み状態を露呈していた。
いつもの恰好で職場の役所に行くと昼食時に井上真知子が「丸山さんが三人で食事がしたいと、落合さんを誘って欲しいと言われまして、お願い出来ませんか?」
「えっ、二人のデートの邪魔は出来ないわ!」
「まだ、一度も食事に二人で行った事がなくて、三人なら行っても良いと、、、、、、」
真知子は言い難そうに誘った。
丸山も来週から三人目の参戦が有るので、何とかそれまでに近づきたい。
真知子を使って近づく作戦だった。
麻結は困惑して「私が行くのは?良くないのでは?」
「じゃあ、最初だけで、途中で私が携帯に電話をしますので急用で帰って下さい!お願いいします!」
真知子は苦肉の策を麻結に話して、協力して欲しいと拝む様に言った。
麻結は根負けして平日の夜か、土曜日なら大丈夫だと答えた。
真知子は大喜びで食事の後軽やかに職場に帰って行った。
もう一人の男、麻生祐樹もいよいよ来週から参戦の準備に入った。
大手の証券会社に勤めて、家族は大阪の南に5階建てのマンションを所有している。
三人の中では一番二枚目だが、年齢は一番上の33歳だ。
付き合いの有る人にも、一癖も二癖も有る人物も居た。
その男達と自分が落合麻結と結婚したいので、協力して欲しいと相談していた。
梅宮に貰った写真を見せると「凄い!別嬪さんだ!祐樹が欲しがる筈だ!」と茶化した。
「言っとくが遊びの相手では無いのだぞ!ホテルに連れ込んで何て考えでは無いのだぞ!彼女の親父は銀行の支店長だ!」
「良い家のお嬢様って事ですね!祐樹の家とは合う様だな!」
「上手く結婚まで運べば100万、手付にひとり10万で頼む!経費は別途払う」
「具体的には何をすれば?」
「彼女のガードだ!ライバルが最低でも3人いるので、強行手段に出る奴も居るからな!」
仕事を承知した須永工と三島光男は喜んで金を受け取った。
麻結を取り囲む色々な人物が思い思いにアプローチを賭けて来る。
両親も今の見合い相手を不服として、直接間接に次々と策を講じている。
藪内卓也に大きな期待を持っている。
その為の策も父親の智光は考えているのだ。
週の半ばの夜、その卓也が父からの預かり物を持ってやって来た。
既に時間は7時を過ぎていて、食事が終わった頃だった。
智光は卓也を招き入れると、コーヒーを飲んで帰る様に勧めた。
勿論、麻結を卓也に見せる為で、卓也が気に要れば作戦実行へと向かう事に決まっていた。
コーヒーを作ると浅子が「これを応接に持って行って頂戴!」と言って麻結に委ねる。
「何故?私が?」文句を言うが「後片付けが有るから、手伝いなさい!」と押し付けた。
「何方がいらしてるの?」
「お父さんの同僚で姫路支店の支店長さんの息子さんが、届け物を預かって来られた様だわ!」
「姫路から来られたら、帰りが遅く成るのでは?」
「コーヒー位出さないと悪いわ!早く持って行って頂戴!」
麻結は少し変だと思いながら応接室に入った。
「娘の麻結です!こちら薮内支店長のご子息の卓也さんだ!」
コーヒーをテーブルに置きながら、軽く会釈をした麻結。
「美しいお嬢様ですね!」卓也は麻結の長い黒髪を見て思わず口に出た。
「いやいや、もう直ぐ30なのに嫁にも行かずに親と暮らしています!」
コーヒーを置くと、直ぐに出て行こうとする麻結。
「卓也君!結婚は?」
「まだ独身なのです!良い方に巡り合いませんでした!」
「それは残念だったな!探しているのか?」
「は、はい!」
雲行きが怪しく成って、直ぐに応接を出る麻結。
もしかして、私を見に来たのかな?仕組まれたのね?と悟った。
大阪の変な男の次は、同僚の息子か?何年か前に聞いた記憶が蘇る。
「私、伸一さんの事が忘れられないから、結婚は考えられません!」と強く断った記憶が、、、、
24歳位の時だったと思い出していた。
その時は相手の顔も見ていない麻結だったが、同僚の息子さんと聞いた事は思い出した。
しばらくして卓也が帰ると「あの人私を見に来たのでしょう?」
「そうだ!あの薮内の息子さんなら、結婚に大賛成だがな!」
「そうですよ!今付き合って居る人は駄目よ!」浅子も一緒に言う。
「障害者の方だから?偏見よ!差別だわ!」
「あの身体で子供が出来るのか?」
「そうですよ!普通の身体でも、、、、、、、」浅子が言いながら誤魔化した。
「判らないけれど、大丈夫だと思うわ!」
「服を着ているから判らないが、本当は能力無いかも知れないぞ!」
「本当お父さん達は差別の塊ね!」怒る麻結。
「お前の事を考えて話して居るのよ!お願いですから考え直して!」
(反対すると反発して結婚するって言いだしますよ!気を付けて下さいね)梅宮の言葉が頭を過った浅子。
「そんなに云うなら、試して見るわ!」麻結が言った。
「試すって何を?」
「勿論SEXよ!」
「えーーーー」
「何を言い出すのだ!麻結!軽率な行動は駄目だぞ!」
二人は麻結の言葉に驚いて狼狽える。
してやったりの麻結は二人を階下に、自分の部屋に駆け上がった。
「やはり、例の方法を使うしか道は無い様だな!」
「何ですか?例の方法って?」
「今日来た卓也君が麻結の事をどの様に思ったか?それが一番大事だ!」
「そりゃ、申し込むのに決まっているわ!」自信の浅子。
(家は反対の嵐よ!今も変な男が家に来たわ?)
(それって見合い候補かな?)
(何故判るの?)
武史にlineで話をする麻結、苦しい板挟み状態を露呈していた。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
清掃員と僕の密やかな情状
MisakiNonagase
恋愛
都心のオフィスビルで働く会社員の26歳・高城蓮(たかぎれん)。彼の無機質な日常に唯一の彩りを与えていたのは、夕方から現れる70歳の清掃員・山科和子だった。
青い作業服に身を包み、黙々と床を磨く彼女を、蓮は「気さくなおばあちゃん」だと思っていた。あの日、立ち飲み屋で私服姿の彼女と再会するまでは――。
肉じゃがの甘い湯気、溶けゆく氷の音、そして重ねた肌の温もり。
44歳の年齢差を超え、孤独を分かち合った二人が辿り着いた「愛の形」とは。これは、一人の青年が境界線の向こう側で教わった、残酷なまでに美しい人生の記録。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる