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決意の麻結
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84-076
結局翌朝も麻結の電話に武史は全く出る事が無かった。
麻結は役所に行かずに直接三田のお寺に行くと言って、準備を始める。
「役所の仕事なのに、いつもの役所スタイルでは無いの?」不思議そうに尋ねる浅子。
「今日は直行、直帰だからこれで良いのよ!」
「そうなの?今日27日よ!明日休みにしているでしょう?」
「明日と3日は休みにして居るわよ!」
「明日は買い物に行くのよ!」
「判っているわよ!」
その言葉に麻結がもう諦めて結納に行くと安心顔に成った浅子。
軽四でゆっくり走ると、約90分位時間がかかるので、面会の時間には間に合う。
役所には午後から来週の4日までの休暇届を出したが、27日は終わり次第帰って良いと課長に言われた。
普通なら、面談の時間を午後に入れると3時に終わって役所に帰れば定時に成る。
麻結は今日別の要件が有るので、午前中の面談を予定している。
予定の時間に到着して泉住職に会うと「以前役所で会った方ではないのですか?」
名刺を探しながら「確か、福崎課長と一緒にお会いした!この方!落合さん!落合麻結さん!」
「私です!」
「えっ、服装は私服だが、大きな眼鏡と、、、、、、今日はスタイルも服装も全く別人だ!」
麻結は簡単に説明をして自分が落合麻結だと住職を説いた。
驚き乍ら女性は化け物の様だと笑って、話を進める中で以前の時と同じ女性だと笑った。
その頃、ようやく武史は熱も下がって、多少は元気を取り戻していた。
「昼、何か食べるよ!」
「そうだね!何か食べないと元気が出ないわね!」
「誰か連絡して来た?」
「睦が心配して電話をして来た位よ!会社は以前にも同じ様に休んでいるから、お大事に!って言われただけよ!」
「携帯何処に置いたかな?」
「知らないわよ!」
「鳴ってなかった?」
「一度も鳴らなかったわよ!」
「そうなのか?」失望の様に言う。
麻結は今朝電話をかけても繋がらなかったので、lineを送っていた。
(父の事を怒っていらっしゃるのね!私の気持ちは湯布院の夜と変わって居ません!3日の結納はお断りする予定です!武史と結婚出来ないのなら、もう誰とも結婚しない道を選びます!もう会う事も無いかも知れませんが、お元気で、、、、麻結)
「丁度、お昼に成りますね‼お食事でも如何ですか?」泉住職は時計を見て言った。
「実はお尋ねしたい事がございまして、午前中にして頂いたのです」
「この文章ですが?これはこの寺の中に在るのですか?」
(恋に破れても心を強く持って生きれば、新たな恋に巡り会う!そんな失恋の痛みを救う佛様!気に成る方は一度是非!当寺院にご相談を!)龍王寺、別院花龍庵
ホームページを印刷した用紙をテーブルに置いた。
「この寺の裏手に在る尼寺の庵主が、失恋等で自殺する女性を救う為に書いたのですよ!それが何か?」泉住職は咄嗟に目の前の女性も失恋か何かで悩んでいると感じ取った。
「庵主も呼んで一緒に食事をしませんか?悩みは聞いて貰えると思いますよ」
「是非、お願いします!」
これだけの美人だ!不倫か?変装までして役所に勤めて居るには、何か事情が有ると思ったが?
しばらくして、花龍庵主が尼僧姿でやって来た。
多分年齢は60歳前後の様に見える。
「事情は住職からお聞きしました!本当にお綺麗な方ね!恋も多いでしょうね!」
麻結は12年以上前の話をして、その後最近まで全く男性との付き合いが無かった事実に愕然とした庵主。
「意思が強い方ですね!それで今回はどうしたいのでしょう?」
「今の結婚を取り止めする為に、尼僧に成りたいと思って来ました!」
「えー、いきなり尼僧に?それはまた性急ですね!」
そう話した時に、蕎麦御膳が運ばれて来てテーブルに並べられた。
「これは山芋蕎麦と麦飯です!当寺院でのもてなしなのですよ!召し上がれ!」
「頂きながらお聞きしましょう!」庵主も箸を持って食べる。
麻結も同じ様に「頂きます!」と言うと食べ始める。
「麦飯って意外と美味しいでしょう?」
「は、はい!」
食事をしながら自分の彼氏が障害者で、両親に反対されている事を告げた。
「今度の私の講演のテーマじゃないですか?」驚く泉和尚。
「偶然なのですが、、、、、、」
やがて食事が終わると、泉和尚は席を外して二人に成った。
「でも3日に結納と云うのに、出家されるのは無理が有る様に思いますね!それにその綺麗な長い髪が無く成るのですよ!」
「今の婚約する相手は、親が勝手に決めた相手です!」
しばらく二人の押し問答が続いた。
「落合さんは結論から言えば、得度されたいという事ですか?」
「は、はい!」
「悔いはないのですか?」
「有りません!彼と結婚出来ないのなら、、、、、、、」
「ではその障害者の彼が迎えに来たらどうされますか?」
「、、、、、、、、、、、、、、」答えられない麻結。
「それではこの様にしましょう!時々同じ様な方がいらっしゃるのです!その時は正式には得度をして尼寺に入るのでは無く、しばらく考える時間を与えます!それでも俗世を離れたい時、改めて正式に得度式を行います!」
「それは何でしょう?」
「自殺する人の躊躇い傷の様なものですね!この寺の近くに女性の理髪師が居る散髪屋が有ります!そこで髪を落として帰って下さい!数週間後に同じ気持ちなら正式に受け入れましょう」庵主は提案した。
3日の結納を中止にする為には、少なくとも今の髪を剃る以外に術が無い様に思う麻結。
結局翌朝も麻結の電話に武史は全く出る事が無かった。
麻結は役所に行かずに直接三田のお寺に行くと言って、準備を始める。
「役所の仕事なのに、いつもの役所スタイルでは無いの?」不思議そうに尋ねる浅子。
「今日は直行、直帰だからこれで良いのよ!」
「そうなの?今日27日よ!明日休みにしているでしょう?」
「明日と3日は休みにして居るわよ!」
「明日は買い物に行くのよ!」
「判っているわよ!」
その言葉に麻結がもう諦めて結納に行くと安心顔に成った浅子。
軽四でゆっくり走ると、約90分位時間がかかるので、面会の時間には間に合う。
役所には午後から来週の4日までの休暇届を出したが、27日は終わり次第帰って良いと課長に言われた。
普通なら、面談の時間を午後に入れると3時に終わって役所に帰れば定時に成る。
麻結は今日別の要件が有るので、午前中の面談を予定している。
予定の時間に到着して泉住職に会うと「以前役所で会った方ではないのですか?」
名刺を探しながら「確か、福崎課長と一緒にお会いした!この方!落合さん!落合麻結さん!」
「私です!」
「えっ、服装は私服だが、大きな眼鏡と、、、、、、今日はスタイルも服装も全く別人だ!」
麻結は簡単に説明をして自分が落合麻結だと住職を説いた。
驚き乍ら女性は化け物の様だと笑って、話を進める中で以前の時と同じ女性だと笑った。
その頃、ようやく武史は熱も下がって、多少は元気を取り戻していた。
「昼、何か食べるよ!」
「そうだね!何か食べないと元気が出ないわね!」
「誰か連絡して来た?」
「睦が心配して電話をして来た位よ!会社は以前にも同じ様に休んでいるから、お大事に!って言われただけよ!」
「携帯何処に置いたかな?」
「知らないわよ!」
「鳴ってなかった?」
「一度も鳴らなかったわよ!」
「そうなのか?」失望の様に言う。
麻結は今朝電話をかけても繋がらなかったので、lineを送っていた。
(父の事を怒っていらっしゃるのね!私の気持ちは湯布院の夜と変わって居ません!3日の結納はお断りする予定です!武史と結婚出来ないのなら、もう誰とも結婚しない道を選びます!もう会う事も無いかも知れませんが、お元気で、、、、麻結)
「丁度、お昼に成りますね‼お食事でも如何ですか?」泉住職は時計を見て言った。
「実はお尋ねしたい事がございまして、午前中にして頂いたのです」
「この文章ですが?これはこの寺の中に在るのですか?」
(恋に破れても心を強く持って生きれば、新たな恋に巡り会う!そんな失恋の痛みを救う佛様!気に成る方は一度是非!当寺院にご相談を!)龍王寺、別院花龍庵
ホームページを印刷した用紙をテーブルに置いた。
「この寺の裏手に在る尼寺の庵主が、失恋等で自殺する女性を救う為に書いたのですよ!それが何か?」泉住職は咄嗟に目の前の女性も失恋か何かで悩んでいると感じ取った。
「庵主も呼んで一緒に食事をしませんか?悩みは聞いて貰えると思いますよ」
「是非、お願いします!」
これだけの美人だ!不倫か?変装までして役所に勤めて居るには、何か事情が有ると思ったが?
しばらくして、花龍庵主が尼僧姿でやって来た。
多分年齢は60歳前後の様に見える。
「事情は住職からお聞きしました!本当にお綺麗な方ね!恋も多いでしょうね!」
麻結は12年以上前の話をして、その後最近まで全く男性との付き合いが無かった事実に愕然とした庵主。
「意思が強い方ですね!それで今回はどうしたいのでしょう?」
「今の結婚を取り止めする為に、尼僧に成りたいと思って来ました!」
「えー、いきなり尼僧に?それはまた性急ですね!」
そう話した時に、蕎麦御膳が運ばれて来てテーブルに並べられた。
「これは山芋蕎麦と麦飯です!当寺院でのもてなしなのですよ!召し上がれ!」
「頂きながらお聞きしましょう!」庵主も箸を持って食べる。
麻結も同じ様に「頂きます!」と言うと食べ始める。
「麦飯って意外と美味しいでしょう?」
「は、はい!」
食事をしながら自分の彼氏が障害者で、両親に反対されている事を告げた。
「今度の私の講演のテーマじゃないですか?」驚く泉和尚。
「偶然なのですが、、、、、、」
やがて食事が終わると、泉和尚は席を外して二人に成った。
「でも3日に結納と云うのに、出家されるのは無理が有る様に思いますね!それにその綺麗な長い髪が無く成るのですよ!」
「今の婚約する相手は、親が勝手に決めた相手です!」
しばらく二人の押し問答が続いた。
「落合さんは結論から言えば、得度されたいという事ですか?」
「は、はい!」
「悔いはないのですか?」
「有りません!彼と結婚出来ないのなら、、、、、、、」
「ではその障害者の彼が迎えに来たらどうされますか?」
「、、、、、、、、、、、、、、」答えられない麻結。
「それではこの様にしましょう!時々同じ様な方がいらっしゃるのです!その時は正式には得度をして尼寺に入るのでは無く、しばらく考える時間を与えます!それでも俗世を離れたい時、改めて正式に得度式を行います!」
「それは何でしょう?」
「自殺する人の躊躇い傷の様なものですね!この寺の近くに女性の理髪師が居る散髪屋が有ります!そこで髪を落として帰って下さい!数週間後に同じ気持ちなら正式に受け入れましょう」庵主は提案した。
3日の結納を中止にする為には、少なくとも今の髪を剃る以外に術が無い様に思う麻結。
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