5 / 15
お茶会
しおりを挟む
忙しい中、わたくし主催のお茶会を開いた。勿論、セレスティア・ランナフ公爵夫人とその生家は呼んでいない。
これが、わたくしからの宣戦布告よ。
「フェリシア、これで全員なの?」
お母様が不思議そうにわたくしに尋ねてきた。
「ええ。これで全員ですわ」
「あなたのことだから何か考えがあるのでしょうね」
流石、お母様だわ。わたくしのことをよくご存知でいらっしゃる。
他の皆様方もハーべ公爵家、セレスティア・ランナフ公爵夫人がいないのことに居心地が悪そうにしている。
「さぁ! 皆様方。本日は特別なお菓子を用意いたしましたのよ」
遠い北国で食べられてるというアイスクリームを配った。
「まぁ! 冷たくて甘いわ」
「初めて食べましたわ」
評価はなかなかいいものだった。暑い夏だから余計にアイスクリームが美味しく感じられる。
「フェリシア様、そちらのドレスとても素敵ですね。どちらに仕立てましたの?」
今日のために特別なドレスにしている。水色のグラデーションのドレスで裾にいくにつれて濃い色になってる。グラデーションのドレスなんてないためとても注目を浴びてる。
「開発にとても時間がかかりましたの。まだ多くは作れなくて販売はしておりませんの」
「販売するさいは是非、声をかけてくださいましね」
「ええ。勿論ですわ」
お茶会は恙無く終わった。
翌日、王妃殿下に呼び出された。理由は分かってるため侍女に報告書と証拠を持たせて王妃殿下のもとに行く。
「フェリシア、座ってちょうだい」
王妃殿下の正面に腰を下ろす。
「昨日のお茶会のことを聞きました。どうしてランナフ公爵家とハーべ公爵家を呼ばなかったのですか? あなたは存じてないかもしれませんが、王家は2家に大きな借りがあるのですよ」
侍女に持ってきてもらったものを王妃殿下に渡した。
「そちらをご覧くださいませ」
王妃殿下は報告書を読んでいく。顔が赤くなったり青くなったりしている。
「これは本当なのですか?」
「こちらが証拠となります」
証拠は王立学園での2人の逢瀬が魔道具に記録されていた。キスシーンまであるのだ。不貞だと断言出来る。
「な、なんというこでしょう!? 王家を甘く見られていたのですか?」
王妃殿下は顔を覆った。肩が震えてるから泣いてるのか、怒りでそうなってるのだろう。
「わたくしたちは王太子が全部悪いと思い、王太子に辛くあたってきたというのに……。なぜ、このようなことに……」
王妃殿下の嘆きは理解出来る。
でも、ディー様が婚約解消を願い出た時に調べれば明るみに出たことでもある。今回は王家の情報収集のなさが原因だと思うわ。
「王妃殿下、わたくしは2家を許すつもりはありませんの」
「ええ、ええ。わたくしも許しませんわ!」
それから王妃殿下とこれから2家に対する接し方を話し合った。王妃殿下もこれからは2家をお茶会には呼ばないことを決めた。それで周囲は何かあると悟るだろう。そこからが勝負だ。ランナフ公爵夫妻が学園時から不貞をしていたということを社交界に流す。婚約破棄後にすぐに2人は婚姻してるから真実味を帯びるだろう。ハーべ公爵も知っていたのに黙認していたということにする。実際にそうだから嘘は言ってない。
その後、どうなるかはお楽しみだ。
これが、わたくしからの宣戦布告よ。
「フェリシア、これで全員なの?」
お母様が不思議そうにわたくしに尋ねてきた。
「ええ。これで全員ですわ」
「あなたのことだから何か考えがあるのでしょうね」
流石、お母様だわ。わたくしのことをよくご存知でいらっしゃる。
他の皆様方もハーべ公爵家、セレスティア・ランナフ公爵夫人がいないのことに居心地が悪そうにしている。
「さぁ! 皆様方。本日は特別なお菓子を用意いたしましたのよ」
遠い北国で食べられてるというアイスクリームを配った。
「まぁ! 冷たくて甘いわ」
「初めて食べましたわ」
評価はなかなかいいものだった。暑い夏だから余計にアイスクリームが美味しく感じられる。
「フェリシア様、そちらのドレスとても素敵ですね。どちらに仕立てましたの?」
今日のために特別なドレスにしている。水色のグラデーションのドレスで裾にいくにつれて濃い色になってる。グラデーションのドレスなんてないためとても注目を浴びてる。
「開発にとても時間がかかりましたの。まだ多くは作れなくて販売はしておりませんの」
「販売するさいは是非、声をかけてくださいましね」
「ええ。勿論ですわ」
お茶会は恙無く終わった。
翌日、王妃殿下に呼び出された。理由は分かってるため侍女に報告書と証拠を持たせて王妃殿下のもとに行く。
「フェリシア、座ってちょうだい」
王妃殿下の正面に腰を下ろす。
「昨日のお茶会のことを聞きました。どうしてランナフ公爵家とハーべ公爵家を呼ばなかったのですか? あなたは存じてないかもしれませんが、王家は2家に大きな借りがあるのですよ」
侍女に持ってきてもらったものを王妃殿下に渡した。
「そちらをご覧くださいませ」
王妃殿下は報告書を読んでいく。顔が赤くなったり青くなったりしている。
「これは本当なのですか?」
「こちらが証拠となります」
証拠は王立学園での2人の逢瀬が魔道具に記録されていた。キスシーンまであるのだ。不貞だと断言出来る。
「な、なんというこでしょう!? 王家を甘く見られていたのですか?」
王妃殿下は顔を覆った。肩が震えてるから泣いてるのか、怒りでそうなってるのだろう。
「わたくしたちは王太子が全部悪いと思い、王太子に辛くあたってきたというのに……。なぜ、このようなことに……」
王妃殿下の嘆きは理解出来る。
でも、ディー様が婚約解消を願い出た時に調べれば明るみに出たことでもある。今回は王家の情報収集のなさが原因だと思うわ。
「王妃殿下、わたくしは2家を許すつもりはありませんの」
「ええ、ええ。わたくしも許しませんわ!」
それから王妃殿下とこれから2家に対する接し方を話し合った。王妃殿下もこれからは2家をお茶会には呼ばないことを決めた。それで周囲は何かあると悟るだろう。そこからが勝負だ。ランナフ公爵夫妻が学園時から不貞をしていたということを社交界に流す。婚約破棄後にすぐに2人は婚姻してるから真実味を帯びるだろう。ハーべ公爵も知っていたのに黙認していたということにする。実際にそうだから嘘は言ってない。
その後、どうなるかはお楽しみだ。
254
あなたにおすすめの小説
聞き分けよくしていたら婚約者が妹にばかり構うので、困らせてみることにした
今川幸乃
恋愛
カレン・ブライスとクライン・ガスターはどちらも公爵家の生まれで政略結婚のために婚約したが、お互い愛し合っていた……はずだった。
二人は貴族が通う学園の同級生で、クラスメイトたちにもその仲の良さは知られていた。
しかし、昨年クラインの妹、レイラが貴族が学園に入学してから状況が変わった。
元々人のいいところがあるクラインは、甘えがちな妹にばかり構う。
そのたびにカレンは聞き分けよく我慢せざるをえなかった。
が、ある日クラインがレイラのためにデートをすっぽかしてからカレンは決心する。
このまま聞き分けのいい婚約者をしていたところで状況は悪くなるだけだ、と。
※ざまぁというよりは改心系です。
※4/5【レイラ視点】【リーアム視点】の間に、入れ忘れていた【女友達視点】の話を追加しました。申し訳ありません。
婚約者に心変わりされた私は、悪女が巣食う学園から姿を消す事にします──。
Nao*
恋愛
ある役目を終え、学園に戻ったシルビア。
すると友人から、自分が居ない間に婚約者のライオスが別の女に心変わりしたと教えられる。
その相手は元平民のナナリーで、可愛く可憐な彼女はライオスだけでなく友人の婚約者や他の男達をも虜にして居るらしい。
事情を知ったシルビアはライオスに会いに行くが、やがて婚約破棄を言い渡される。
しかしその後、ナナリーのある驚きの行動を目にして──?
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります)
学生のうちは自由恋愛を楽しもうと彼は言った
mios
恋愛
学園を卒業したらすぐに、私は婚約者と結婚することになる。
学生の間にすることはたくさんありますのに、あろうことか、自由恋愛を楽しみたい?
良いですわ。学生のうち、と仰らなくても、今後ずっと自由にして下さって良いのですわよ。
9話で完結
9時から5時まで悪役令嬢
西野和歌
恋愛
「お前は動くとロクな事をしない、だからお前は悪役令嬢なのだ」
婚約者である第二王子リカルド殿下にそう言われた私は決意した。
ならば私は願い通りに動くのをやめよう。
学園に登校した朝九時から下校の夕方五時まで
昼休憩の一時間を除いて私は椅子から動く事を一切禁止した。
さあ望むとおりにして差し上げました。あとは王子の自由です。
どうぞ自らがヒロインだと名乗る彼女たちと仲良くして下さい。
卒業パーティーもご自身でおっしゃった通りに、彼女たちから選ぶといいですよ?
なのにどうして私を部屋から出そうとするんですか?
嫌です、私は初めて自分のためだけの自由の時間を手に入れたんです。
今まで通り、全てあなたの願い通りなのに何が不満なのか私は知りません。
冷めた伯爵令嬢と逆襲された王子の話。
☆別サイトにも掲載しています。
※感想より続編リクエストがありましたので、突貫工事並みですが、留学編を追加しました。
これにて完結です。沢山の皆さまに感謝致します。
【片思いの5年間】婚約破棄した元婚約者の王子様は愛人を囲っていました。しかもその人は王子様がずっと愛していた幼馴染でした。
五月ふう
恋愛
「君を愛するつもりも婚約者として扱うつもりもないーー。」
婚約者であるアレックス王子が婚約初日に私にいった言葉だ。
愛されず、婚約者として扱われない。つまり自由ってことですかーー?
それって最高じゃないですか。
ずっとそう思っていた私が、王子様に溺愛されるまでの物語。
この作品は
「婚約破棄した元婚約者の王子様は愛人を囲っていました。しかもその人は王子様がずっと愛していた幼馴染でした。」のスピンオフ作品となっています。
どちらの作品から読んでも楽しめるようになっています。気になる方は是非上記の作品も手にとってみてください。
後悔などありません。あなたのことは愛していないので。
あかぎ
恋愛
「お前とは婚約破棄する」
婚約者の突然の宣言に、レイラは言葉を失った。
理由は見知らぬ女ジェシカへのいじめ。
証拠と称される手紙も差し出されたが、筆跡は明らかに自分のものではない。
初対面の相手に嫉妬して傷つけただなど、理不尽にもほどがある。
だが、トールは疑いを信じ込み、ジェシカと共にレイラを糾弾する。
静かに溜息をついたレイラは、彼の目を見据えて言った。
「私、あなたのことなんて全然好きじゃないの」
婚約者は一途なので
mios
恋愛
婚約者と私を別れさせる為にある子爵令嬢が現れた。婚約者は公爵家嫡男。私は伯爵令嬢。学園卒業後すぐに婚姻する予定の伯爵令嬢は、焦った女性達から、公爵夫人の座をかけて狙われることになる。
もうすぐ婚約破棄を宣告できるようになるから、あと少しだけ辛抱しておくれ。そう書かれた手紙が、婚約者から届きました
柚木ゆず
恋愛
《もうすぐアンナに婚約の破棄を宣告できるようになる。そうしたらいつでも会えるようになるから、あと少しだけ辛抱しておくれ》
最近お忙しく、めっきり会えなくなってしまった婚約者のロマニ様。そんなロマニ様から届いた私アンナへのお手紙には、そういった内容が記されていました。
そのため、詳しいお話を伺うべくレルザー侯爵邸に――ロマニ様のもとへ向かおうとしていた、そんな時でした。ロマニ様の双子の弟であるダヴィッド様が突然ご来訪され、予想だにしなかったことを仰られ始めたのでした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる