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元婚約者side
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わたくしは5歳の時に倒れてから前世の記憶が蘇った。
ここは乙女ゲームの世界で自分が悪役令嬢だって知った時は絶望した。しかも倒れる前日にメインヒーローと婚約してしまった。
でも推しに会える!ってことに気がついて早速会いに行った。推しは次期公爵で青い髪の青い目をしている。
生で見た推しは尊かった。彼と結婚したい!
そう思って行動にした。メインヒーローに気に入られないようにドレスや宝石類は身に付けず、孤児院に寄付した。そのおかげで平民からの支持は上がった。花は自室に飾らず居間や応接室に飾り、お菓子類は使用人にあげた。
王妃殿下や国王陛下には気に入られるように努力もした。万が一、国外追放や死刑を言い渡された時に味方になってもらうように。そのため実の娘のように可愛がられた。
お父様には殿下との婚約を白紙にするか聞かれたが断った。わたくし以外の令嬢と婚約したら、その人が悪役令嬢になってしまう。それは可哀想だ。わたくしならば記憶があるから色々と回避出来るからね。
だからメインヒーローと婚約したまま推しとの距離を縮めた。
計画はうまくいって、卒業パーティーで婚約破棄された。
しかも王家からは多額の慰謝料が手に入った。
そう。上手くいってるはずだった。押しとも結婚して子供も出来た。
それなのに!!
「どうするんだ? 王家にバレだぞ?」
お父様が声を荒らげる。
「だから、婚約を白紙に戻した方が良かったんだ!」
そうしたら、他の令嬢が悪役令嬢になっちゃうよ。これしか方法はなかった。
「お父様、仕方なかったのです」
「せめて、婚約破棄されるまで清いままでいたら何とかなったんだ!」
愛する2人がそれで我慢できるはずもないでしょう? 推しと結婚するのには必要なことだった。
「それも致し方のないことですわ」
「これからどうするんだ!? わしは隠居を求められたんだぞ」
お父様もいい歳だからそれもいいのでは?
「ただ息子に譲ればいいってものじゃない! 最低でも次期公爵は甥にしなければならないんだ!」
何でお兄様じゃだめなの? お兄様は関係ないじゃん!
「お兄様でよろしいのでは?」
「王家を謀ったんだ! 良いわけあるか! 色持ちの公爵家だから潰されないだけだ!」
そこまでされるほど悪いことしたかしら? 本当に好きな人と愛を貫いただけじゃない。メインヒーローもヒロインと結ばれたんだから丸く収まってるわよ!
「関係ないという顔をしてるがランナフ公爵も将来はないぞ!」
「何で?」
「当然だろ! 弟君か従兄弟殿に爵位を譲ることになるだろう!」
ええー。そうなったら、わたくしどうなっちゃうの?
今までのような贅沢は出来なくなるということ?
そんなの嫌なんだけど?
どうしたらいいんだろう……。
どうにかして挽回しないと……。
ここは乙女ゲームの世界で自分が悪役令嬢だって知った時は絶望した。しかも倒れる前日にメインヒーローと婚約してしまった。
でも推しに会える!ってことに気がついて早速会いに行った。推しは次期公爵で青い髪の青い目をしている。
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「当然だろ! 弟君か従兄弟殿に爵位を譲ることになるだろう!」
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どうしたらいいんだろう……。
どうにかして挽回しないと……。
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