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噂
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王太子妃宮の使用人を全員、入れ替えた。どうやら王太子妃殿下の配慮で平民や平民に近い下級貴族を雇っていたそうだ。本来側妃であるわたくしが裁量出来る範囲ではないが、あまりにも酷かったので王妃殿下に許可をもらったわ。
王太子妃殿下は反対してきたが、環境がよくありませんと説き伏せだ。今まで働いてた人たちは全員解雇にした。王太子妃殿下と関係をもった男たちは処刑にした。王太子妃殿下が包み隠しず教えてくれるので調査は簡単だった。
「シア、手間を掛けさせて悪いな」
「ディー様、お気になさらないでください」
政務に戻ったが、仕事が1/3ほど減っていた。国王陛下と王妃殿下が担ってくれてる。その代わり次の王色を望まれている。
「私はダメな男だ」
ディー様がダメなわけじゃないと思うわ。ただ女運が非常に悪いのだと思うのよ。ランナフ公爵夫人はディー様が望んだわけではないし、王太子妃殿下は運が悪かったと。あんな女性は平民でもいないわ。
「ディー様は何も悪くありせんわ」
「そう言ってくれるのはシアだけだ。私は生涯を掛けてシアを愛していこう」
「まあ!」
愛してくれるなんて嬉しいわ。わたくしも精一杯お応えしていこう。ディー様にわたくしで良かったと思ってもらえるように。
のんびりとした日々を過ごしていたら、わたくしの耳にとんでもない噂が耳に入ってきた。
ディー様が婚約時代にランナフ公爵夫人に対して暴言を吐いていて、それに傷付いたランナフ公爵夫人をランナフ公爵が慰めたと。
不貞の噂を消すために、動き出したのね。ディー様を悪者にして2人の愛を正当化させようとしてるのね。
それにしてもディー様を悪者にするなんて許されませんわ。
わたくしはお友達に連絡して次の噂を流してもらう。
2人の関係は幼い頃からでランナフ公爵に女性が近付くと排除していたというもの。これは実際に被害にあった女性が数多くいるから瞬く間に広がっていくと思うわ。
ハーべ公爵は爵位を甥に譲り隠居した。本当は取り潰しにしたいが色持ちのためそれは叶わないでいる。息子でなく甥が引き継いだということだしこちらに関しては矛を収めよう。
その代わりランナフ公爵家はとことん叩かせてもらうわ。
流行りだしたグラデーションのドレスもランナフ公爵夫人には売らないように手はずを整えたわ。勿論、お茶会にも呼ばないわよ。王家に疎遠にされてるということで、他の家でもランナフ公爵夫人をお茶会に呼ばないところが増えてきた。
ランナフ公爵夫人の噂は平民にまで広がった。6年前は王家が箝口令をひいたため噂にはならなかった。その分、今になってアレコレと出てきてる。わたくしが流した噂以外にも色んな噂が出回った。
これだけ噂になれば普通の人ならば社交から退くわ。それなのにランナフ公爵夫人は何食わぬ顔で王家のパーティーに参加してる。どうやら図太い精神の持ち主らしい。そうよね、そうでなければディー様を無下になさるような行いはしないわ。
「わたくし悲しいですわ」
パーティーでランナフ公爵夫人が泣き真似をして訴えてきた。
「どちらが酷いのかしら? わたくしたちは真実しかお話ししてないわよ」
「王妃殿下……、あれほどわたくしを可愛がってくださったのに……」
「ええ、そうね。本当に愚かなことをしたと思ってるわ」
王家とランナフ公爵家の関係に周りは聞き耳をたててる。
「わたくしは何も悪いことはしてませんわ」
「そう。王太子を無下に扱ったことはないと?」
「それは……、致し方のないことですわ」
何が仕方ないことなの? どんな理由があっても婚約者を無下にするなんて悪いことに決まってるじゃない。
「明確な理由があってしたということね。それによって王家と仲が悪くなっても受け入れるということね」
「そんな! そんな、つもりはありません! 王太子殿下以外とは友好な関係が築ければと思っております」
ランナフ公爵夫人は何故、そこまでディー様を嫌がるのかしら? 少し頼りないところはあるけど、政務はしっかりなさるしお優しいし、見目も麗しいわ。
「王太子に何の不備があると?」
「それは……、王太子殿下は……」
ランナフ公爵夫人は言葉を詰まらせて肝心なことは口にしない。
「話にならないわ! 下がりなさい!」
王妃殿下がランナフ公爵夫人を下がらせようとしたが、ランナフ公爵夫人は頑なに動かず何かを言いたげだった。そんな夫人をランナフ公爵が引き摺るように下がっていった。
王太子妃殿下は反対してきたが、環境がよくありませんと説き伏せだ。今まで働いてた人たちは全員解雇にした。王太子妃殿下と関係をもった男たちは処刑にした。王太子妃殿下が包み隠しず教えてくれるので調査は簡単だった。
「シア、手間を掛けさせて悪いな」
「ディー様、お気になさらないでください」
政務に戻ったが、仕事が1/3ほど減っていた。国王陛下と王妃殿下が担ってくれてる。その代わり次の王色を望まれている。
「私はダメな男だ」
ディー様がダメなわけじゃないと思うわ。ただ女運が非常に悪いのだと思うのよ。ランナフ公爵夫人はディー様が望んだわけではないし、王太子妃殿下は運が悪かったと。あんな女性は平民でもいないわ。
「ディー様は何も悪くありせんわ」
「そう言ってくれるのはシアだけだ。私は生涯を掛けてシアを愛していこう」
「まあ!」
愛してくれるなんて嬉しいわ。わたくしも精一杯お応えしていこう。ディー様にわたくしで良かったと思ってもらえるように。
のんびりとした日々を過ごしていたら、わたくしの耳にとんでもない噂が耳に入ってきた。
ディー様が婚約時代にランナフ公爵夫人に対して暴言を吐いていて、それに傷付いたランナフ公爵夫人をランナフ公爵が慰めたと。
不貞の噂を消すために、動き出したのね。ディー様を悪者にして2人の愛を正当化させようとしてるのね。
それにしてもディー様を悪者にするなんて許されませんわ。
わたくしはお友達に連絡して次の噂を流してもらう。
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ハーべ公爵は爵位を甥に譲り隠居した。本当は取り潰しにしたいが色持ちのためそれは叶わないでいる。息子でなく甥が引き継いだということだしこちらに関しては矛を収めよう。
その代わりランナフ公爵家はとことん叩かせてもらうわ。
流行りだしたグラデーションのドレスもランナフ公爵夫人には売らないように手はずを整えたわ。勿論、お茶会にも呼ばないわよ。王家に疎遠にされてるということで、他の家でもランナフ公爵夫人をお茶会に呼ばないところが増えてきた。
ランナフ公爵夫人の噂は平民にまで広がった。6年前は王家が箝口令をひいたため噂にはならなかった。その分、今になってアレコレと出てきてる。わたくしが流した噂以外にも色んな噂が出回った。
これだけ噂になれば普通の人ならば社交から退くわ。それなのにランナフ公爵夫人は何食わぬ顔で王家のパーティーに参加してる。どうやら図太い精神の持ち主らしい。そうよね、そうでなければディー様を無下になさるような行いはしないわ。
「わたくし悲しいですわ」
パーティーでランナフ公爵夫人が泣き真似をして訴えてきた。
「どちらが酷いのかしら? わたくしたちは真実しかお話ししてないわよ」
「王妃殿下……、あれほどわたくしを可愛がってくださったのに……」
「ええ、そうね。本当に愚かなことをしたと思ってるわ」
王家とランナフ公爵家の関係に周りは聞き耳をたててる。
「わたくしは何も悪いことはしてませんわ」
「そう。王太子を無下に扱ったことはないと?」
「それは……、致し方のないことですわ」
何が仕方ないことなの? どんな理由があっても婚約者を無下にするなんて悪いことに決まってるじゃない。
「明確な理由があってしたということね。それによって王家と仲が悪くなっても受け入れるということね」
「そんな! そんな、つもりはありません! 王太子殿下以外とは友好な関係が築ければと思っております」
ランナフ公爵夫人は何故、そこまでディー様を嫌がるのかしら? 少し頼りないところはあるけど、政務はしっかりなさるしお優しいし、見目も麗しいわ。
「王太子に何の不備があると?」
「それは……、王太子殿下は……」
ランナフ公爵夫人は言葉を詰まらせて肝心なことは口にしない。
「話にならないわ! 下がりなさい!」
王妃殿下がランナフ公爵夫人を下がらせようとしたが、ランナフ公爵夫人は頑なに動かず何かを言いたげだった。そんな夫人をランナフ公爵が引き摺るように下がっていった。
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