大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

討伐と帰路

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アーネの氷塊が馬頭の頭に突き刺さり、それを簡単に引っこ抜く馬頭。
そしてその氷塊を四班に投げつけ、それを自分の身長とほぼ同じ長さの棒を振るう女子が叩き落とし、その後ろから四班の魔法使いの女の子が細く絞った岩の槍を投げるが、それをよけられ、バランスを崩したところでクアイちゃんの極薄ナイフが馬頭の腕を高速で回り、肉を削ぎ落とし…。
ダメだ。実況しようとしたど、うまいこと表現出来てねぇ。
「ナナキぃ…」
「なんだい?レィア」
「何分経ったっけ?」
「んーと…そろそろ三十分になるんじゃない?」
「そうかぁ…」
どうやら、馬頭一体を倒すだけでも、それだけかかるのが普通らしい。
最初と比べて、馬頭も疲れてきて、動きが鈍くなってるし、凄まじいまでの回復力も大分落ちてきて、今は体の至るところに傷がある。
一方、こっちの方はというと、だんだんヴォルテールくんのいない連携にも慣れて来たらしく、スムーズに、より効率よく攻撃が入っていっている。
あぁ、そうだ、戦闘中にちょくちょくラウクムくんがさっきの謎の固形物を口に放り込んでいるのは補足しておく。
その度に体が膨れ上がり、締まり…を繰り返してる。
…ヤバいドーピングとかじゃないよな?あれ。
「そろそろ終わるかな?」
「終わるんじゃねぇの?馬頭も限界が見えてきたしな」
適当にそう返したところで、タイミングよく馬頭が膝から崩れるようにして倒れた。
そして湧き上がる歓声。
ハイタッチをしたり、背中をバシバシ叩いたり、地面にへたりこんだり、とるリアクションは様々だ。
…これを一撃で仕留めるナタリさんって一体…。
みんなが一旦落ち着いたところで、村へ向かって歩いていく。
列になって進んで行き、自分が先頭、そのすぐ後ろからナナキとナタリさん。その更に後ろから一、四班がぐったりとついてくる。
クアイちゃんと四班の魔法使いの子とか、四班の子達におぶわれてるもんな…。
流石にほぼみんな疲労困憊といった様子。
ちなみに、疲れてないのは自分とナナキとナタリさん。普通に帰りに意気投合したらしく、結構仲良く話ながら…ちょいうるせぇな。
あぁ、あと、あの馬頭は先生の使い魔がどこから湧いたか知らんけど、一気に群がり、運んでいった。
…監視…されてたんだろうな…。
全く気づかなかったわ。
あ!そだ!忘れてた!
生きた屍みたいになって後ろからついている疲労困憊組の、その更に後ろで、もはや死んだ屍みたいになってるラウクムくんに質問タイムだ。
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