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本編
夢と仲間
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本当なら、先生とかに怪しまれないようにこの作戦を実行するのなら、学校に行ったほうが良かったのかもしれない。
けれど、脳味噌で、頭で理解していても、身体が拒否反応を起こしていた。
もう、限界だと。
部屋に戻ると、本来なら学校へ行く用意をして、さっさしろとアーネを急かしつつ…あぁクソ、何でもない。
しかしそんな気力も起きず、ベッドにゴロリと寝転んだ。
アイツらは来るだろうか?恐らく、可能性としては半々と言ったところだろう。特に、班に加わって日の短いリーザとかは来ないどころかクアイちゃんを引き留めてしまいそうだ。
ラウクムくんは…多分来てくれると思いたい。
まだ一ヶ月程度の付き合いだが、何だかんだで来てくれる。そう思えた。
そう思いながら、やっぱり来て欲しくないとも思う。
もし誰も来なかったら。
もしそうなら、ほぼ間違いなく俺は死ぬだろう。死因は誰に知られることもなく、歴史に名を残す事も、当然ながら、聖女サマに仕える事も、英雄全員を蹴散らし、たった一人で彼女を守ることも出来ない。
でも、それなら、彼らが、彼女らが死ぬ事もまず無いだろうし、俺が生き残る可能性も下がり…ナナキと会えるかもしれない。
あいつはそれを許さないだろうか?それとも、泣きながら久しぶり、と迎えてくれるだろうか?
何故だか、そんな事がグルグルと、俺の頭をゆっくり、螺旋を描きながら回る。
しかし、その思考もやがて細部がボヤけ、ゆっくりと溶けていく。
最後に考えたのは、記憶の奥底、そのさらに深い所で見た、見たことの無い誰かの顔だった。
あれは……………誰だ?
………。
……。
…。
浅い眠りから覚め、違和感を感じて頬を触ると濡れていた。
口元を触っても何ともない。目元に触れると、やはり濡れているが、何故だろう?
何か…また同じような夢を見た気がする。
輝く金の髪と、その髪をもった彼女へ振り下ろされる刃…。
いや、刃と言うより、厳密に言うなら、あれは鎌と…鍬?
んん?また同じような夢なんでそう思った?初めて見た夢を?
わからないが…そろそろ時間か。
剣は…昨日の内から準備が終わっているし、食料はある程度はある。
扉を開けると、そこには誰もいなかった。当然か。
ラウクムくんぐらいは来てくれるかと思ったが…そう思い、しかしこれで良かったのかもしれないと思い直す。
さぁ、それじゃ、一人ぼっちで行こうか。
そう思い、階段を降りたところで誰かとぶつかった。
尻餅をつき、顔を上げるとそこには、ラウクムくんとクアイちゃん、そしてリーザ、あとは…ユーリア?
「レィアさん、僕も混ぜてくれないかな?」
「あ、アーネさんを一緒に探しましょうよ!」
「短い付き合いだったけど、こんな別れは気持ち悪いからね」
「話は聞かせてもらった!とびきり優秀な助っ人はいかがかな?」
お前らは…ホントに…。
「…ありがとう」
絞り出すようにして言った言葉は、みんなに聞こえただろうか?
寮を出ると、三名の生徒と先生らしき人が二名。
あぁそうか。オードラル先生、アンタはそっち側についたか。
「絶対に止まらねぇ!何があってもだ!」
もう、無くすのは…亡くすのは、嫌なんだ。
そういい、銀剣を取り出し、左手で持ちながら真っ正面のオードラル先生に銀剣の切っ先を向ける。
「いくぞ!」
その一言は、この厳しい旅の始まりの…最初の一戦を始める合図となった。
けれど、脳味噌で、頭で理解していても、身体が拒否反応を起こしていた。
もう、限界だと。
部屋に戻ると、本来なら学校へ行く用意をして、さっさしろとアーネを急かしつつ…あぁクソ、何でもない。
しかしそんな気力も起きず、ベッドにゴロリと寝転んだ。
アイツらは来るだろうか?恐らく、可能性としては半々と言ったところだろう。特に、班に加わって日の短いリーザとかは来ないどころかクアイちゃんを引き留めてしまいそうだ。
ラウクムくんは…多分来てくれると思いたい。
まだ一ヶ月程度の付き合いだが、何だかんだで来てくれる。そう思えた。
そう思いながら、やっぱり来て欲しくないとも思う。
もし誰も来なかったら。
もしそうなら、ほぼ間違いなく俺は死ぬだろう。死因は誰に知られることもなく、歴史に名を残す事も、当然ながら、聖女サマに仕える事も、英雄全員を蹴散らし、たった一人で彼女を守ることも出来ない。
でも、それなら、彼らが、彼女らが死ぬ事もまず無いだろうし、俺が生き残る可能性も下がり…ナナキと会えるかもしれない。
あいつはそれを許さないだろうか?それとも、泣きながら久しぶり、と迎えてくれるだろうか?
何故だか、そんな事がグルグルと、俺の頭をゆっくり、螺旋を描きながら回る。
しかし、その思考もやがて細部がボヤけ、ゆっくりと溶けていく。
最後に考えたのは、記憶の奥底、そのさらに深い所で見た、見たことの無い誰かの顔だった。
あれは……………誰だ?
………。
……。
…。
浅い眠りから覚め、違和感を感じて頬を触ると濡れていた。
口元を触っても何ともない。目元に触れると、やはり濡れているが、何故だろう?
何か…また同じような夢を見た気がする。
輝く金の髪と、その髪をもった彼女へ振り下ろされる刃…。
いや、刃と言うより、厳密に言うなら、あれは鎌と…鍬?
んん?また同じような夢なんでそう思った?初めて見た夢を?
わからないが…そろそろ時間か。
剣は…昨日の内から準備が終わっているし、食料はある程度はある。
扉を開けると、そこには誰もいなかった。当然か。
ラウクムくんぐらいは来てくれるかと思ったが…そう思い、しかしこれで良かったのかもしれないと思い直す。
さぁ、それじゃ、一人ぼっちで行こうか。
そう思い、階段を降りたところで誰かとぶつかった。
尻餅をつき、顔を上げるとそこには、ラウクムくんとクアイちゃん、そしてリーザ、あとは…ユーリア?
「レィアさん、僕も混ぜてくれないかな?」
「あ、アーネさんを一緒に探しましょうよ!」
「短い付き合いだったけど、こんな別れは気持ち悪いからね」
「話は聞かせてもらった!とびきり優秀な助っ人はいかがかな?」
お前らは…ホントに…。
「…ありがとう」
絞り出すようにして言った言葉は、みんなに聞こえただろうか?
寮を出ると、三名の生徒と先生らしき人が二名。
あぁそうか。オードラル先生、アンタはそっち側についたか。
「絶対に止まらねぇ!何があってもだ!」
もう、無くすのは…亡くすのは、嫌なんだ。
そういい、銀剣を取り出し、左手で持ちながら真っ正面のオードラル先生に銀剣の切っ先を向ける。
「いくぞ!」
その一言は、この厳しい旅の始まりの…最初の一戦を始める合図となった。
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