1,554 / 2,021
本編
休憩と情報
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半年ぶり…いやもっとか?ともかく、それぐらい久しぶりに会った友人から話を聞くと、どうも家には帰らず、そのまま直接ベルの所へ行き、そこで暮らしているそうだ。あの家にいるのはちょっと…みたいな事を言っていたので、余程家族と仲が悪いのだろうか。
その後、もう少し話をしてから二人と分かれる。流石にこれ以上邪魔すんのもな。
もうしばらく歩き回り、見世物を見た後、家に戻る。昼間は昼間で面白いが、星祭と言えばやはり夜。一度休憩をしておくべきだとアーネが言うので帰ることになった。
さて。
ここ数日、色々とごたついていたので、ロクにチェックもままならなかった件について確認をしたい。
何の話かと言うと、ユーリアに調べてもらったコルドーの素性だ。
ユーリアに渡された紙を開くと、そこには小さな魔法陣が書いてある。
…あいつ、俺が魔力をろくすっぽ使えないこと知ってるよな?まぁ、一回見たら燃やすつもりだからいいけど。
血を垂らし、魔法陣を起動させると、半透明の紙のようなものが浮かび上がる。恐る恐る触れてみると、触った感触はないものの、触れる事で動かすことはできるらしい。面白い魔法だ。
さてさて。
そこに記されていたのは、とある一人の男の情報。
名はコルセム・グランデンジーク。年齢は…生誕年から計算すると五十二か。ちょうど戦争が終わったか終わるぐらいの時に生まれたらしい。ユーリアとの血縁関係は、母の弟…だから所謂叔父にあたるのか?意外とユーリアに近かったな。
身体的特徴や似顔絵が書かれているが、大体一致する。大体というのは、追放された時で更新が止まっているからだろうか。似顔絵を見ると、俺の知っているコルドーより若い。
とはいえ、明らかにコルセムの姿はコルドーとそっくりだ。当たりと見て間違いないだろう。
細かい経歴がつらつらと記されているが、そこら辺をバッサリ読み飛ばし、何をして追放されたのかを探す。
『…おい、なんて書いてあんだ?』
「コルドーが何やらかしたか…あん?」
コルドーが一族から追放されたのは三十歳の時。そこには『人体実験、及び飽くなき探求が深淵を覗いたため』と書いてあった。
「飽くなき探求が深淵を…?なんだこれ」
人体実験の意味はわかる。というか、プクナイムでもやっていたようだ。
だが、飽くなき探求が深淵を覗いたためってのはどういう事だ?
『……深淵…?』
ぽつりとシャルがそう言った。
「どうした?」
『おいレィア、深淵って書いてあんのか?』
「あ?あぁ。コルドーが追放された理由に、人体実験、及び飽くなき探求が深淵を覗いたため、って…」
そう言うと、シャルは盛大に舌打ちをした。
「どうした?シャル」
『マジか。剣の一族がそこまで知ってるとは予想外だった。あぁ、だから半魔に接触したのか?』
「…?説明してくれ」
『鈍いな、分からんのか?深淵ってのは狭間の子の事だ』
「───。」
『普通に読んでりゃ研究にのめり込んで、踏み込んじゃならん領域に踏み込んだって事だろうが、ほぼ間違いないだろう。コルドーはどうやったか知らんが、自力で狭間の子にまで辿り着いたんだ』
「ま、待て。落ち着け。なぜそう言いきれる?あんなもん、そうポンポンと会える訳が無いだろ?」
『面白い事を教えてやる。どうせ封憶門もとっくの昔に全部開いてんだ。ノイズがかかることもあるまい。いいか、魔法やら魔力、その全てを追い求めて行くと、必ず全て狭間の子に行き着く。つまりコルドーはそこまで行き着いたって事だろうよ』
その後、もう少し話をしてから二人と分かれる。流石にこれ以上邪魔すんのもな。
もうしばらく歩き回り、見世物を見た後、家に戻る。昼間は昼間で面白いが、星祭と言えばやはり夜。一度休憩をしておくべきだとアーネが言うので帰ることになった。
さて。
ここ数日、色々とごたついていたので、ロクにチェックもままならなかった件について確認をしたい。
何の話かと言うと、ユーリアに調べてもらったコルドーの素性だ。
ユーリアに渡された紙を開くと、そこには小さな魔法陣が書いてある。
…あいつ、俺が魔力をろくすっぽ使えないこと知ってるよな?まぁ、一回見たら燃やすつもりだからいいけど。
血を垂らし、魔法陣を起動させると、半透明の紙のようなものが浮かび上がる。恐る恐る触れてみると、触った感触はないものの、触れる事で動かすことはできるらしい。面白い魔法だ。
さてさて。
そこに記されていたのは、とある一人の男の情報。
名はコルセム・グランデンジーク。年齢は…生誕年から計算すると五十二か。ちょうど戦争が終わったか終わるぐらいの時に生まれたらしい。ユーリアとの血縁関係は、母の弟…だから所謂叔父にあたるのか?意外とユーリアに近かったな。
身体的特徴や似顔絵が書かれているが、大体一致する。大体というのは、追放された時で更新が止まっているからだろうか。似顔絵を見ると、俺の知っているコルドーより若い。
とはいえ、明らかにコルセムの姿はコルドーとそっくりだ。当たりと見て間違いないだろう。
細かい経歴がつらつらと記されているが、そこら辺をバッサリ読み飛ばし、何をして追放されたのかを探す。
『…おい、なんて書いてあんだ?』
「コルドーが何やらかしたか…あん?」
コルドーが一族から追放されたのは三十歳の時。そこには『人体実験、及び飽くなき探求が深淵を覗いたため』と書いてあった。
「飽くなき探求が深淵を…?なんだこれ」
人体実験の意味はわかる。というか、プクナイムでもやっていたようだ。
だが、飽くなき探求が深淵を覗いたためってのはどういう事だ?
『……深淵…?』
ぽつりとシャルがそう言った。
「どうした?」
『おいレィア、深淵って書いてあんのか?』
「あ?あぁ。コルドーが追放された理由に、人体実験、及び飽くなき探求が深淵を覗いたため、って…」
そう言うと、シャルは盛大に舌打ちをした。
「どうした?シャル」
『マジか。剣の一族がそこまで知ってるとは予想外だった。あぁ、だから半魔に接触したのか?』
「…?説明してくれ」
『鈍いな、分からんのか?深淵ってのは狭間の子の事だ』
「───。」
『普通に読んでりゃ研究にのめり込んで、踏み込んじゃならん領域に踏み込んだって事だろうが、ほぼ間違いないだろう。コルドーはどうやったか知らんが、自力で狭間の子にまで辿り着いたんだ』
「ま、待て。落ち着け。なぜそう言いきれる?あんなもん、そうポンポンと会える訳が無いだろ?」
『面白い事を教えてやる。どうせ封憶門もとっくの昔に全部開いてんだ。ノイズがかかることもあるまい。いいか、魔法やら魔力、その全てを追い求めて行くと、必ず全て狭間の子に行き着く。つまりコルドーはそこまで行き着いたって事だろうよ』
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