大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

メッセージと候補

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と、言う訳で書記の彼に言われた通り、学生証を見てポイント制度なるものが《特権:二つ名》の欄にきっちり書いてあるのを読んだ所で時系列を戻そうと思う。
あぁ、回想だよ。今さっきまでのは。
自分の部屋に戻り、生徒証に血を付着させ(生徒証に魔力を流し込む事で様々な機能が使える)、ほかの生徒と比べて拡張された項目を読んでいった。あ、アーネとシエルはまだどこかに行ってるらしい。大方他の女子の部屋に遊びに行ってるんだろう。
ちなみに、この拡張されている所は一般生徒には基本的に隠されていることが多いため、口に出すのは気をつけなくてはならない。
ざっと読んだ俺の感想?へー、ポイント制度なんてあったんだなー、ぐらい。
あとは二つ名ってなる方法もう一個あるんだな、ぐらいか。
まぁ、それはさておき。
二つ名候補、俺は名前以外、顔も知らねぇんだけど。
ユーリアはわかる。流石に。っつーかお隣だし。
あとは二年と三年の先輩?全くもって想像もつかねぇんだけど。
どうしたもんか。
『メッセージはどうだ?』
誰にだよ。
『ルトとかその辺に』
あー、他の二つ名持ちにか。
『流石に知ってだろ。二年のルルシェルってのは《雷光》に。三年のリザってのは《逆鱗》か《勇者》にでも聞けばいい』
そうするか。
「マキナ」
『はい・マスター』
床に鎚を放り投げると俺とそっくりの姿形のマキナが現れる。
「近距離メッセージを……とりあえず《雷光》に繋いでくれ」
『シオン・シラヌイ様ですね・了解しました』
マキナの瞳の中にある魔法陣がくるくると回る。
ジッ──。と音が鳴って《雷光》との回線が開く。
同時に、マキナの口も。
『誰だ貴様。つまらん用事なら斬り殺しに行くぞ』
「落ち着け《雷光》。俺だ、レィアだ」
『何だ貴様か。手短に頼む。今少し取り込んでいてな』
「そうか、悪いな。実は新しい候補の話なんだが」
『貴様、周りに人がいないことは確認しているのか?』
「安全だよ。ついでにこの部屋は防音も完璧だ」
『十五号室か。なら聞き耳とかも安心だな。それで、どうした?』
「実はルルシェルだっけ?二年の。あの先輩の事何も知らねぇんだけど、せめて顔ぐらいは教えてくれねぇ?」
『なんだ、そんな事か。ちょうど良かったな』
それなら来い──《雷光》がそう言う。
「は?どこに?」
『第一訓練所だ。今そこで、そのルルシェルが一年のユーリアとか言う候補生と模擬戦中だ…いや模擬戦じゃないな。決闘だ』
………何やってんだユーリア。
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