964 / 2,021
本編
予定と訓練所
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さて──
「どうするかな」
『何がだ?』
今後どうするかだよ。決まってんだろ。
部屋で一人、ベッドの上で寝転がりながら頭の裏に住む《亡霊》と話す。
『訓練でもするのか?クードラルが今やっているんだろ?乱入してこいよ』
それなりに身体を慣らしたいから、大南下の二、三日前に一度、訓練所に行きたいが…今行った所で果たしてどれだけ意味があるか。
『まぁそうだよな。今更慌てた所で大差はないし、じっくり休むのもいいんじゃないか?』
「それはそれで鈍りそうだが…」
今はそれが割と良さそうなんだよな。多少の自主練で身体と勘を保って、直前で最終調整…かな。
暇だし図書室で本でも借りてこようか。何を読むと役に立ちそうか…魔族関連の本は読み漁ったしなぁ…
そう思っていた時に、シャルではない声が上がった。
『マスター』
「ん?」
マキナが俺を呼んだということは、大体誰かからのメッセージ。
「メッセージか。誰だ?」
『ケイナズ様です』
「ケイナズ?」
言われて暫く誰か分からなかった。
アーネか。
「わかった。繋げ」
『了解しました』
そう言えば、アーネは座学を受けているのだろうか、それとも訓練所に行ったのだろうか。
とか何とか思っていたらメッセージが繋がった。
「よぉアーネ。どした?」
『貴方、今どこにいますの?』
「あ?部屋だが?」
『私は今オードラル先生の授業を受けてるんですけれど』
授業中にメッセージとか中々豪胆だな。
「んで?何かあったのか?」
『シエルが訓練所に行くとか言って出て行ったんですけれど…』
「あぁわかった。何が言いたいか」
あの子の様子を見てきて欲しいと。そういう事か。
「第一訓練所だな?他のメンバーは…あぁ了解。クアイも行ったのか」
シエルのスキルも何だかんだ言って殺傷能力と汎用性が高いから負けたり大怪我を負ったりなんて事はそうそうないだろうが──
可能性としてあの子がハブられる…というか結果としてそうなる可能性はそれなりにある。
基本は班を組んで戦うのだから、気心が知れた相手や慣れた仲間と組みたいのは当たり前だ。そうなると単独で魔獣を狩らなければならない訳だが──
アップも兼ねて軽く走りながら訓練所に向かう。俺が乱入する事も充分ありえる……というか折角なので、俺も少し剣を振るつもりだ。
──訳だが、張り切る先生がいると言われたあとにシエル一人で行かせるのは少し不安が残る。クアイちゃんも一緒に行っている様だが、正直心もとない。
どちらも真っ向から戦って壁となる戦士系というより、隙を突き、敵とぶつかり合うことを避ける暗殺者…とまでは言わないものの、俺のように真正面からぶつかる事は避けるタイプだ。
仮に二人だけでコンビを組んだ場合、敵の攻撃に晒され続け、それを必死で避けつつ攻撃を繰り出すような紙一重の戦いとなるだろう。当然、相当な手練でなければ逆に仕留められて終わりだ。
ようやくついた訓練所、そっと扉を開く。
「おや、レィアさんも参戦しますか?」
すぐさま俺に気づいたクードラル先生。
「いや、俺は──」
「どうするかな」
『何がだ?』
今後どうするかだよ。決まってんだろ。
部屋で一人、ベッドの上で寝転がりながら頭の裏に住む《亡霊》と話す。
『訓練でもするのか?クードラルが今やっているんだろ?乱入してこいよ』
それなりに身体を慣らしたいから、大南下の二、三日前に一度、訓練所に行きたいが…今行った所で果たしてどれだけ意味があるか。
『まぁそうだよな。今更慌てた所で大差はないし、じっくり休むのもいいんじゃないか?』
「それはそれで鈍りそうだが…」
今はそれが割と良さそうなんだよな。多少の自主練で身体と勘を保って、直前で最終調整…かな。
暇だし図書室で本でも借りてこようか。何を読むと役に立ちそうか…魔族関連の本は読み漁ったしなぁ…
そう思っていた時に、シャルではない声が上がった。
『マスター』
「ん?」
マキナが俺を呼んだということは、大体誰かからのメッセージ。
「メッセージか。誰だ?」
『ケイナズ様です』
「ケイナズ?」
言われて暫く誰か分からなかった。
アーネか。
「わかった。繋げ」
『了解しました』
そう言えば、アーネは座学を受けているのだろうか、それとも訓練所に行ったのだろうか。
とか何とか思っていたらメッセージが繋がった。
「よぉアーネ。どした?」
『貴方、今どこにいますの?』
「あ?部屋だが?」
『私は今オードラル先生の授業を受けてるんですけれど』
授業中にメッセージとか中々豪胆だな。
「んで?何かあったのか?」
『シエルが訓練所に行くとか言って出て行ったんですけれど…』
「あぁわかった。何が言いたいか」
あの子の様子を見てきて欲しいと。そういう事か。
「第一訓練所だな?他のメンバーは…あぁ了解。クアイも行ったのか」
シエルのスキルも何だかんだ言って殺傷能力と汎用性が高いから負けたり大怪我を負ったりなんて事はそうそうないだろうが──
可能性としてあの子がハブられる…というか結果としてそうなる可能性はそれなりにある。
基本は班を組んで戦うのだから、気心が知れた相手や慣れた仲間と組みたいのは当たり前だ。そうなると単独で魔獣を狩らなければならない訳だが──
アップも兼ねて軽く走りながら訓練所に向かう。俺が乱入する事も充分ありえる……というか折角なので、俺も少し剣を振るつもりだ。
──訳だが、張り切る先生がいると言われたあとにシエル一人で行かせるのは少し不安が残る。クアイちゃんも一緒に行っている様だが、正直心もとない。
どちらも真っ向から戦って壁となる戦士系というより、隙を突き、敵とぶつかり合うことを避ける暗殺者…とまでは言わないものの、俺のように真正面からぶつかる事は避けるタイプだ。
仮に二人だけでコンビを組んだ場合、敵の攻撃に晒され続け、それを必死で避けつつ攻撃を繰り出すような紙一重の戦いとなるだろう。当然、相当な手練でなければ逆に仕留められて終わりだ。
ようやくついた訓練所、そっと扉を開く。
「おや、レィアさんも参戦しますか?」
すぐさま俺に気づいたクードラル先生。
「いや、俺は──」
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