大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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30 / 2,021
本編

強制と理解

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「男だよ!そうとしか言えないよ!」
でも、自覚はある。
女より長い髪に、線の細い体、非力な腕力、男にしては高い声、そして少し低めな身長。極めつけに、顔はまるで、儚げな少女の顔を持ってきたような顔で、中性的とかではなく、完全に女のそれ。(昔の友人曰く、だが)
「こころなしか胸すらあるようにアタイには見えるんだけど?」
「それは間違いなく幻覚だ!」
もちろん、詰め物もしてないからな!
「あっはっはっは!流石にそれは嘘だけど、男というのが嘘と言った方が信じれそうな顔つきというか姿形だからさ」
…どうやって誤解を解こうか…。
「全裸になればいいじゃないですか?」
何当たり前のことを?みたいな感じでそんな事言うなよ…アーネ…。それは最終手段だ。
「上だけ脱げはいいんじゃないですか?」
クアイちゃん、それって初日にやろうとしたけどそこのラウクムくんに阻止されたよ…?
ん?ならば…。
ちょっとエキサイティングな方法とるか。
「ラウクム、ちょっとこっちこっち」
「ん?レィアさんどうしたの?」
…こいつ、未だに自分を女だと思ってるっぽいよな…レィア『さん』だし。
ラウクムくんを風呂場に連れてきて、ちょっと髪で目隠し。
なんか騒いでるけど、無視無視!
そのうちにサクサクと準備。
…準備完了。ラウクムくんに巻いてる髪をほどいてやる。
「まったく、一体なんだって…んの?」
ラウクムくんに見せたのは、一糸纏わぬ自分の姿。ようは自分の全裸な。
見せる前にストップさせられるなら、先に見せてしまえばいいだろうという考え。
「&$#¥'$=\+'$#★●ゞΣ」
せめてヒト言語しゃべろうぜ?
「これで理解出来た?」
あ、ラウクムくんが顔真っ赤にして泡吹いて倒れた。
とりあえず、服を着て、ラウクムくんを抱えようとしたけど、自分じゃ重くて無理だった。髪の毛で包んで運ぶ。
「ラウクムくんの説得終わったよー」
「…今の悲鳴はなんですの」
「説得の弊害?」
みんなの視線が痛いが、間違いではない。
「じゃ、上脱げばいいのかな?」
「一先ずはそれでいいよ。いくら貧乳でも、男なら一発でナイってわかるからね。もちろん、それでもわからなかったら全裸も視野にいれてね?」
…流石に露出癖はないので、ラウクムくんという特殊例以外はやりたくないな…。
そんなことを思いながらサクサク脱いでいく。
「ほら、これでいい?」
「「「おぉ…」」」
なぜ感嘆なんだ…。
あ、涙が滲んできた…。
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