私の中の深い闇

けいこ

文字の大きさ
上 下
2 / 6

あの女が憎い

しおりを挟む
真梨愛は、同窓会のあと、直也君と一緒に帰った。

私は…

2人の後をつけた。

ホテルの前まで来た。

真梨愛は、直也君の腕にしがみついて、ニコニコしている。

入るの?

真梨愛が、直也君の耳元で、何かささやいた。

そして、そのまま、2人はホテルの中に消えてしまった。

なんなの、この気持ち。

ずっと私の中の奥底にしまっておいた、直也君への想いと、真梨愛への憎しみ。

それが、両方とも、一気にあふれ出してしまった。


同窓会なんか、来なければ良かった…




後悔しても仕方ない。

私が、同窓会に行きたいと思ったのは、ただ、直也君に会いたかったから。

それだけ。

ほんの少しだけ、オシャレして、私なりに頑張った。

こんな私でも、直也君は、沙羅って、また呼んでくれた。

嬉しかったのに。

心の底から嬉しかったのに。

真梨愛が全てを奪っていく。

私の青春時代も、悪魔のような仕打ちで台無しにした。


私の理性は、もう働かない…




許さない。

真梨愛を殺したい。

真梨愛さえいなければ、もしかしたら、私も直也君と…

そう思うと、もう、止められ無かった。

私の中にずっと住みついていた悪魔を呼び覚ましたのは、真梨愛、あなたなのよ。

私は悪くないわ。

私は悪くない。


頭の中で考えた、どうやって真梨愛を葬るか。




家に帰っても、頭の中は真梨愛への殺意でいっぱいだった。

『ただ綺麗だって言うだけで、あんな女がちやほやされて。直也君まで誘惑して。絶対許さない』

直也君は、私の物よ。

直也君はきっと、私を受け入れてくれる…

そうよ、大丈夫。

でも、今のままじゃダメ。

私はもっと綺麗になれる。

警察にも捕まるわけには行かない。

だったら、あの方法しかない。




 






 

 




 
しおりを挟む

処理中です...