私の中の深い闇

けいこ

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つかの間の幸せ

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私は、そのまま真梨愛を置きざりにした。

沙羅は、もうこの世にはいない。

例え疑われても、つかまることはないの。 

今の私は、名前もない、ただの女。

私は、ホテルに泊まり、シャワーを浴びた。

髪を乾かし、初めてアップにしてみた。

動画を見て勉強したの。

綺麗な洋服に身を包み、ブランドのバッグを持った。

胸が高鳴る。


直也君に会いたい。




私は人生最高のオシャレをして、直也君に会いに行った。

直也君の居場所は知っている。

真梨愛の携帯から、真梨愛になりすまし、呼び出したから。

呼び出した店に、直也君が現れたのは、私が到着してから10分後だった。

直也君は、真梨愛を待っている。

時々、腕時計を見ながら、だんだんとイライラしてきたみたいだった。 

来るわけないのに。

何時間待っても、絶対に来ない。

だってあの女は、もうこの世にはいないんだから。


いよいよ私の出番だわ。 




『あの…すみません』

声は、わざと変えた。

『…?はい』 

『突然声をかけてごめんなさい。私、友人を待ってたんですけど、急に来られなくなったみたいで、もしお1人なら、一緒に…』 

緊張してるけど、うまく芝居出来てる。

落ち着いて、大丈夫だから。

自分に言い聞かせる。

『そうなんですか…お互い振られた者同士みたいですね。もちろん、ご一緒しましょう』 

私が美人だから、すぐにOKしてくれたのね。


男は、みんな美人が好きなのね… 




『嬉しい』

そう言って、私は直也君の向かいに座った。

直也君は、店員に、私がいたテーブルから、食事を運ぶように言ってくれた。

本当にジェントルマンなの。

『どこかで会いましたか?』

直也君の質問にドキッとした。

『え?…あっ、いいえ。初めてお目にかかります』

『すみません、なんだか、懐かしい気がして』

大丈夫よ、気付くわけないんだから、落ち着いて。

『そんなことより、お名前聞いてもいいですか?』

『直也です。佐々木直也。あなたは?』


名前…私は…




『真優(まゆ)です。相澤真優』

沙羅は…

もういないの。

『真優さん。素敵な名前ですね』 

私達は、嘘みたいに意気投合した。

1時間程話したあと、直也君が言ってくれた。

『今夜、一緒に過ごしませんか?』 

『嬉しいです。でも、彼女さんに悪いわ』 

そんなこと、微塵も思っていなかったけど。

『何も気にしないで。僕は、今日、真優さんと過ごしたい。一緒にいたいんです』 


真梨愛、私はあなたに勝ったのよ! 




私達は、近くのホテルに入った。

高そうなホテル。

直也君、こんな素敵なホテルに連れて来てくれるなんて、あなたは本当に最高だわ。

私が、あの沙羅だなんて…

思いもしないでしょうね。

体だけは綺麗に産んでくれた母に、感謝しないとね。

直也君は、部屋に入ってすぐに私を求めた。

洋服を脱がせながら、私に何度もキスをした。

激しいのね、直也君。

そんなに慌てなくても…

その次の瞬間、直也君は私をベッドに押し倒して、そして、私の首を絞めた。


『えっ』




苦しい…

何するの、直也君。

私は、直也君の手を、必死で首から離そうとした。

『真優、好きだよ』 

直也君は、そう言って、普通に私を抱いた。

何だったの?

今の?

そしたら、また直也君は、おかしくなったように私をベッドから引きずり降ろして、足で体を蹴った。

『やめて!直也君、やめて!』 

もう沙羅の声になってしまってる。

それでも、直也君は狂ったように、私を蹴ったり、殴ったりした。

と、思ったら、優しくキスしたり…

私は…


震えながら、直也君にされるがままだった。

 





 
 





 
 
 


 
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