59 / 135
あなたの優しさに甘えて
7
しおりを挟む
「ん?」
「樹さん、私なんかと遊んでて大丈夫なんですか? 彼女さんがいるなら……」
とうとう口に出してしまった。
いくら私を励ますためでも、彼女がいるなら2人で会うのは良くない。
「いない。彼女なんか」
少し冷たく聞こえたのは気のせい?
「いないんですか……本当に?」
「信じないのか?」
「いえ、すみません。樹さんには素敵な彼女さんがいるんだろうなってずっと思ってました。きっと、美人の彼女さんが……」
「美人……ね。この前、俺が空港で言ったこと、根に持ってる?」
2人とも、苦笑い。
「別に根に持ってるわけじゃないですよ。私が美人じゃないのは確かだから」
「あの時は……悪かった」
よそ見をしながら、樹さんは言った。
本当に悪かったなんて思ってるの?
「会って、いきなりでしたからね。ちょっとショックでしたけど」
「……」
樹さんは、黙ってしまった。
「う、嘘ですよ。ちょっと意地悪でしたよね、すみません。でも、私は美人じゃないのに、なぜ柊君が選んだのか……って、みんなも気にしていたと思いますから。だから、大丈夫です」
本当に……そうだ。
私は目立つ存在じゃないし、なぜ柊君がって、誰よりも自分自身が1番疑問に思ってたんだから。
どんなに柚葉が好きだって言われても、自信なんてなかなか持てなくて……
そんなことを思いながら歩いてたら、また柊君の顔が浮かんできた。
柊君がプロポーズしてくれたあの日。
~6月14日~
『今日は私の誕生日。柊君に…プロポーズされた。付き合って1年半、こんな嬉しい誕生日があっていいのかな?柊君、すごく照れて可愛かったな。私、キュンキュンしたよ。これから先も柊君とずっと一緒にいられるんだね。本当に幸せだよ。ありがとう』
「樹さん、私なんかと遊んでて大丈夫なんですか? 彼女さんがいるなら……」
とうとう口に出してしまった。
いくら私を励ますためでも、彼女がいるなら2人で会うのは良くない。
「いない。彼女なんか」
少し冷たく聞こえたのは気のせい?
「いないんですか……本当に?」
「信じないのか?」
「いえ、すみません。樹さんには素敵な彼女さんがいるんだろうなってずっと思ってました。きっと、美人の彼女さんが……」
「美人……ね。この前、俺が空港で言ったこと、根に持ってる?」
2人とも、苦笑い。
「別に根に持ってるわけじゃないですよ。私が美人じゃないのは確かだから」
「あの時は……悪かった」
よそ見をしながら、樹さんは言った。
本当に悪かったなんて思ってるの?
「会って、いきなりでしたからね。ちょっとショックでしたけど」
「……」
樹さんは、黙ってしまった。
「う、嘘ですよ。ちょっと意地悪でしたよね、すみません。でも、私は美人じゃないのに、なぜ柊君が選んだのか……って、みんなも気にしていたと思いますから。だから、大丈夫です」
本当に……そうだ。
私は目立つ存在じゃないし、なぜ柊君がって、誰よりも自分自身が1番疑問に思ってたんだから。
どんなに柚葉が好きだって言われても、自信なんてなかなか持てなくて……
そんなことを思いながら歩いてたら、また柊君の顔が浮かんできた。
柊君がプロポーズしてくれたあの日。
~6月14日~
『今日は私の誕生日。柊君に…プロポーズされた。付き合って1年半、こんな嬉しい誕生日があっていいのかな?柊君、すごく照れて可愛かったな。私、キュンキュンしたよ。これから先も柊君とずっと一緒にいられるんだね。本当に幸せだよ。ありがとう』
1
あなたにおすすめの小説
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
Blue Bird ―初恋の人に再会したのに奔放な同級生が甘すぎるっ‼【完結】
remo
恋愛
「…溶けろよ」 甘く響くかすれた声と奔放な舌にどこまでも落とされた。
本宮 のい。新社会人1年目。
永遠に出来そうもない彼氏を夢見つつ、目の前の仕事に奮闘中。
なんだけど。
青井 奏。
高校時代の同級生に再会した。 と思う間もなく、
和泉 碧。
初恋の相手らしき人も現れた。
幸せの青い鳥は一体どこに。
【完結】 ありがとうございました‼︎
虚弱なヤクザの駆け込み寺
菅井群青
恋愛
突然ドアが開いたとおもったらヤクザが抱えられてやってきた。
「今すぐ立てるようにしろ、さもなければ──」
「脅してる場合ですか?」
ギックリ腰ばかりを繰り返すヤクザの組長と、治療の相性が良かったために気に入られ、ヤクザ御用達の鍼灸院と化してしまった院に軟禁されてしまった女の話。
※なろう、カクヨムでも投稿
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
あなたがいなくなった後 〜シングルマザーになった途端、義弟から愛され始めました〜
瀬崎由美
恋愛
石橋優香は夫大輝との子供を出産したばかりの二十七歳の専業主婦。三歳歳上の大輝とは大学時代のサークルの先輩後輩で、卒業後に再会したのがキッカケで付き合い始めて結婚した。
まだ生後一か月の息子を手探りで育てて、寝不足の日々。朝、いつもと同じように仕事へと送り出した夫は職場での事故で帰らぬ人となる。乳児を抱えシングルマザーとなってしまった優香のことを支えてくれたのは、夫の弟である宏樹だった。二歳年上で公認会計士である宏樹は優香に変わって葬儀やその他を取り仕切ってくれ、事あるごとに家の様子を見にきて、二人のことを気に掛けてくれていた。
息子の為にと自立を考えた優香は、働きに出ることを考える。それを知った宏樹は自分の経営する会計事務所に勤めることを勧めてくれる。陽太が保育園に入れることができる月齢になって義弟のオフィスで働き始めてしばらく、宏樹の不在時に彼の元カノだと名乗る女性が訪れて来、宏樹へと復縁を迫ってくる。宏樹から断られて逆切れした元カノによって、彼が優香のことをずっと想い続けていたことを暴露されてしまう。
あっさりと認めた宏樹は、「今は兄貴の代役でもいい」そういって、優香の傍にいたいと願った。
夫とは真逆のタイプの宏樹だったが、優しく支えてくれるところは同じで……
夫のことを想い続けるも、義弟のことも完全には拒絶することができない優香。
網代さんを怒らせたい
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「なあ。僕たち、付き合わないか?」
彼がなにを言っているのかわからなかった。
たったいま、私たちは恋愛できない体質かもしれないと告白しあったばかりなのに。
しかし彼曰く、これは練習なのらしい。
それっぽいことをしてみれば、恋がわかるかもしれない。
それでもダメなら、本当にそういう体質だったのだと諦めがつく。
それはそうかもしれないと、私は彼と付き合いはじめたのだけれど……。
和倉千代子(わくらちよこ) 23
建築デザイン会社『SkyEnd』勤務
デザイナー
黒髪パッツン前髪、おかっぱ頭であだ名は〝市松〟
ただし、そう呼ぶのは網代のみ
なんでもすぐに信じてしまい、いつも網代に騙されている
仕事も頑張る努力家
×
網代立生(あじろたつき) 28
建築デザイン会社『SkyEnd』勤務
営業兼事務
背が高く、一見優しげ
しかしけっこう慇懃無礼に毒を吐く
人の好き嫌いが激しい
常識の通じないヤツが大嫌い
恋愛のできないふたりの関係は恋に発展するのか……!?
苦手な冷徹専務が義兄になったかと思ったら極あま顔で迫ってくるんですが、なんででしょう?~偽家族恋愛~
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「こちら、再婚相手の息子の仁さん」
母に紹介され、なにかの間違いだと思った。
だってそこにいたのは、私が敵視している専務だったから。
それだけでもかなりな不安案件なのに。
私の住んでいるマンションに下着泥が出た話題から、さらに。
「そうだ、仁のマンションに引っ越せばいい」
なーんて義父になる人が言い出して。
結局、反対できないまま専務と同居する羽目に。
前途多難な同居生活。
相変わらず専務はなに考えているかわからない。
……かと思えば。
「兄妹ならするだろ、これくらい」
当たり前のように落とされる、額へのキス。
いったい、どうなってんのー!?
三ツ森涼夏
24歳
大手菓子メーカー『おろち製菓』営業戦略部勤務
背が低く、振り返ったら忘れられるくらい、特徴のない顔がコンプレックス。
小1の時に両親が離婚して以来、母親を支えてきた頑張り屋さん。
たまにその頑張りが空回りすることも?
恋愛、苦手というより、嫌い。
淋しい、をちゃんと言えずにきた人。
×
八雲仁
30歳
大手菓子メーカー『おろち製菓』専務
背が高く、眼鏡のイケメン。
ただし、いつも無表情。
集中すると周りが見えなくなる。
そのことで周囲には誤解を与えがちだが、弁明する気はない。
小さい頃に母親が他界し、それ以来、ひとりで淋しさを抱えてきた人。
ふたりはちゃんと義兄妹になれるのか、それとも……!?
*****
千里専務のその後→『絶対零度の、ハーフ御曹司の愛ブルーの瞳をゲーヲタの私に溶かせとか言っています?……』
*****
表紙画像 湯弐様 pixiv ID3989101
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる