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あなたの強引な誘いに戸惑って

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この人の言葉のパワーには人を魅了する力がある。


魔法みたいに恐ろしく…簡単に他人の心を掴む。


でも…


こういう甘いセリフも、もしかしたら誰にでも言ってるのかも知れないんだよね。


本当、蒼真さんの目的とか…全然見えないよ。


だけど…


疑いや不安な気持ちがいっぱいあるくせに、こんなにも体がどんどん熱くなるのはどうしてなんだろう?


『蒼真さん…私…どうしたらいいんですか?』


部屋に来いなんて言うから、つい変な質問をしてしまった。


『俺、何か難しいこと言った?藍花が俺の部屋に来て食事を作る。ただそれだけだ。簡単なことだと思うけど』


『簡単なんかじゃないです。私が蒼真さんの部屋に入るなんて…そんなの有り得ないですよ』


『何を言っても無駄だから。お仕置だって言っただろ。俺は部屋に女性を入れるのは初めてだ。でも…それがお前で良かったと思ってる。じゃあまた、時間が合う時に声掛けるから』


部屋に入れる初めての女性が私?!


さすがにそんなの…嘘だよね?


本当にこの人を信用して大丈夫なの?


『あ、あの!私、やっぱり行けません。それに、私が初めて部屋に入れる女性だなんて…そんなの、信じられないです』


その場を去ろうとしてた蒼真さんに、心に思った言葉をそのままぶつけてしまった。


『俺の言うことが信じられないのか?会社で言えば俺はお前の上司だ。命令は絶対だから、断るな』


蒼真さんは振り返ってそう答えた。


そんな言い方、怖いよ…


『藍花が俺を信じてくれたら、絶対にお前を守る。それが上司の務めだ』


上司だから私を守ってくれるの?


『仕事ではもちろん信じてます。だけど…プライベートは私、蒼真さんのこと何も知らないから…』


『だったら教えてやる。俺のこと全部』


え…


そんなの…


そんな甘い言葉ばっかり、もう止めて…


必死に冷静を装っていたはずのハートが撃ち抜かれた気がして、これ以上話してたら自分の心臓がもたないと体が悟った。


厳しかったり優しかったり甘かったり…


感情が慌ただしく入れ替わって、自分のことなのに全く着いていけないよ。
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