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とても悲しい言葉
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絢斗は、きっとご両親に大事に育てられたんだろうな。
病気がちな優しいお母様を、安心させてあげたいと思った絢斗の気持ち、心からよくわかった。
『母さん。総支配人としての仕事が安定するまで、俺もまだいろいろ大変だから…結婚式はもう少し後になると思う。だけど、一花とは必ず結婚して幸せな家庭を作るから。何も心配しないで、安心して欲しい』
その言葉に、お母様は少し目を潤ませ、刺繍入りの綺麗なハンカチで目頭を押さえた。
『ええ。あなた達の1番良いタイミングですればいいわ。絢斗にこんな可愛いお相手がいたことがわかっただけで、私は安心だから』
『…お母様。どうかお体をお大事になさって下さい。いつまでもお元気でいて頂きたいです』
心からの願いだった。
不思議だな…
初めて会ったのに、まるで自分のお母さんのように感じてしまった。
『ありがとう。一花さんもね。コンシェルジュのお仕事、無理せずに頑張ってね。次は是非うちにも来て下さいね。今日はこれから予定があったものだから、ここでごめんなさいね』
『いえ、とんでもないです。お会い出来て嬉しかったです。ありがとうございました』
私達はそこで別れた。
絢斗も、少しホッとしたようだった。
『一花、ありがとう。母さん、本当に嬉しそうだった。君のおかげだ』
『そんな…でも、本当に素敵なお母様ですね。しかもコンシェルジュだったなんて。びっくりです』
『優しくて誠実な母を父が見初めたらしい。体が丈夫だったら、もう少しコンシェルジュを続けたかっただろうな』
『そうですよね。本当にやりがいのある仕事ですから。お母様のようにはいかないかも知れませんが、私、これまで以上にコンシェルジュとして頑張っていきたいなって、改めて思いました。今日はお母様にお会い出来て良かったです』
病気がちな優しいお母様を、安心させてあげたいと思った絢斗の気持ち、心からよくわかった。
『母さん。総支配人としての仕事が安定するまで、俺もまだいろいろ大変だから…結婚式はもう少し後になると思う。だけど、一花とは必ず結婚して幸せな家庭を作るから。何も心配しないで、安心して欲しい』
その言葉に、お母様は少し目を潤ませ、刺繍入りの綺麗なハンカチで目頭を押さえた。
『ええ。あなた達の1番良いタイミングですればいいわ。絢斗にこんな可愛いお相手がいたことがわかっただけで、私は安心だから』
『…お母様。どうかお体をお大事になさって下さい。いつまでもお元気でいて頂きたいです』
心からの願いだった。
不思議だな…
初めて会ったのに、まるで自分のお母さんのように感じてしまった。
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『いえ、とんでもないです。お会い出来て嬉しかったです。ありがとうございました』
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『一花、ありがとう。母さん、本当に嬉しそうだった。君のおかげだ』
『そんな…でも、本当に素敵なお母様ですね。しかもコンシェルジュだったなんて。びっくりです』
『優しくて誠実な母を父が見初めたらしい。体が丈夫だったら、もう少しコンシェルジュを続けたかっただろうな』
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