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あなたの熱い想い

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絢斗の案内で、すぐに入口にたどり着くことが出来た。


教会の中は、王族や貴族などが祈りを捧げていた上層礼拝堂と、それ以下の人が祈っていた下層礼拝堂があり、入口を入ると、まず比較的地味な下層礼拝堂が目に入った。


それを見ながら階段で2階に上がると、いよいよメインの上層礼拝堂がある。


足を踏み入れ、私は、目の前に広がるあまりにも素晴らしい光景に思わず目を疑った。


『嘘…何なのこれ…』


心の声がそのまま出てしまった。


天井が恐ろしく高い、広々とした礼拝堂の壁一面が、あまりに豪華できらびやかなステンドグラスになっていた。


キラキラして、とても美しく、壮大で、幻想的な空間に勝手に涙が流れる。


『綺麗…こんなに素敵な物を見せてくれて、本当に…ありがとうございます…』


その言葉のあと、絢斗は私の頬の涙を拭ってくれた。


そして、私の手を優しく握った。


この思わず息を飲むような素晴らしい場所で、私は、今、絢斗と手を繋いでる。


温かい…


そして、次の瞬間、手に力がギュッとこめられた。


『一花、結婚しよう』


ステンドグラスを見ながら、絢斗がさりげなくポツリと言った。


たくさんの観光客はいたけど、絢斗の声はちゃんと届いた。


絢斗の優しい香り、絢斗の息づかいまで、ちゃんとわかったんだ。


私も前を向いたまま、


『こんな私で…本当にいいんですか?』


そう聞いた。


『俺は一花を愛してる。ずっと前から君だけを見ていた。他の誰でもない、一花を俺のお嫁さんにしたい』


もう…


これ以上…


信じられないとか…言いたくないと思えた。


絢斗を…


ちゃんと信じようと、やっと心に決めた。


『私、絢斗のお嫁さんになりたい』


そして、2人は見つめ合った。
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