歩く死者

夏枯 つきひ

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8 モフマール Ⅱ

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     私の持ってきた真っ直ぐ反りのない剣は、錆びが浮いた状態の悪い剣だ。
     ファイサルーは、一目見るなり素直な感想を漏らした。

  
     「なんだ?変わった剣だな。どこで、手に入れたんだ?
     剣身の根元のコブは何のためだ?
     とういう風に使う?鞘はどうした?」
     彼の矢継ぎ早の質問に何一つ答えられない。

     「ぜんぜん、こっちがききたいくらいよ。
     コレ、砂トカゲの腹の中で手に入れたの。」
     「そりゃ、片腹痛いな」

     私の言った事をファイサルーは冗談だと思ったようだ。
  
     剣は飾り気がない為に余計に刃身の根元にある丸いコブが目立つ
     バランスを取るため?

     私達は色々な推察をしてみたけれど
     結局はこのふくらみには、彫刻か紋章かなにかがか刻まれていて、
     長年の使用に磨り減ったのだろう。

     という事で納得するしかなかった。

     ファイサルーに鞘を作ってもらう時、
     杖に使えるような仕込み剣を注文した。

     正直、ファイサル―にこの剣の鑑定をしてもらおうと考えていた。
     見たこともない作りだし、奇妙な剣だ。
     軽くてとても丈夫だが、恐ろしく切れ味は悪かった。

     「刃が摩耗しすぎてるな」

     研いでおこうか?と言われたが、
     足を痛めている私は、もう短剣くらいしか使えない、と断った。
     踏み込みができないから剣圧がない。

     だが、この刀は私を砂トカゲから救ってくれた、
     いわば亡くなった夫の恩寵だ。
     九死に一生を得たのはマドゥロの遺志だったような気もする。

     とにかく生きて、息子を頼むと言われたのだ。
     そして、雨と日射を遮断するマントと杖は
     何処に行くにも欠かせない存在になった。

                                                                                トリアの回顧


         ◆ ◆ ◆



「なぁ、ちょっと外の空気を吸いに行きたい。いいか?大丈夫か?」
  
 サリアンは首を降ってキッパリ言った
  
「ダメ。何を考えてるのよ。ココは安全って言っても限度がある。血吸い蝙蝠が飛び回ってるのよ?
 夜に、外には出たら、あっという間に命を落とすわ。
 昼間だからって軽く見て、こんな目に遭ったってのに、どうかしてるわよ」
  
 そりゃそうだよな。しかも不自然だしな…
 どうしたもんか。
 モフマールはムスッとした顔で考えた。
  
「みんな楽しそうにしてるのに、部屋で一人なんて退屈だ。
 そうだ、何かしら手伝いはないか?料理運ぶなんかどうだ?」
  
「お客さんは半分病気みたいな父さんが歩いたら、びっくりするし、不安がるわ。
 ごめんなさい、ね?気持ちだけで嬉しいから」
  
 俺をじゃま者扱いするのか?
 ボソボソと、彼は抗議した。
「じゃあ、馬の世話は、どうだ?
 馬はこの顔を気にしないぞ?」
  
 モフマールの提案にサリアンは嬉しそうに、声を立てた。
  
「前向きなのね。意外だわ。
 そうね。…うん、…トリアに頼んでみるわ。馬屋に行くだけなら裏通路があるし、鍵を借りればいけるかも」
  
「通路?そんなのがあるのか?」
 モフマールは、乾いた軟膏を掻きながら尋ねた。痒い、チクチクしてきた。
  
「治りかけてるのよ。
 触っちゃダメ」
  
 サリアンの言葉は頭を素通りして、彼は歩き出した。
  
 鍵か。そして、通路があるのか。
  
  
 確かに、オレは全然働いてなかったなぁ
  
  
 ここは落ち着くべきだろう。計画を立てよう、アイデアを出していこう。
 姪と呼びたくもない兄貴とあの女の娘。料理人の男は息子というわけではないらしい。
 なら、そこにチャンスがあるかもしれないじゃないか。
 こんなに妖魔がいるところで事故が起きても誰も不思議とは思わない。
 階段に座って考えを巡らせる。
  
  
「サリー、鍵は借りられたのか?トリアは何て言ってたんだ?」
「今から?気が早いって、笑ってたわ」
「眠れないんだよ、ずっと昼間も寝てるんだ。わかるだろう?」
 モフマールは不機嫌に言う。
「目が冴えても退屈だし、歩きたい。馬と一杯やりながらのんびりと作業するのもいい。
 そろそろ、身体を動かさなきゃ。運動もたいせつだしな」
  
 サリアンは戸棚の鍵を開けて中の鍵束を取り出した。
  
「随分用心深いな。馬屋に行くだけだぞ?客が勝手に外に出ないようにか?」
「きまりだから」
  
 片手を出すモフマールに、これだから。と、一つの鍵を手渡される。
 全部の鍵を自由にできるかもと期待していた彼はガッカリだ。
 が、娘に悟られる訳にはいかない。
「馬屋の鍵は机の上に置いといて。あした使うから」
 わかった。
  
 モフマールが足音を忍ばせて役人が泊まっている部屋に行く前に、
 階段下で当人のティシュカが待っていた。
「それで?」
  
 彼は、自慢げに鍵を見せた。
「ダンナ、一杯おごってください」
「いいだろう」
 ティシュカはお金を放ってよこした。意外な金額にモフマールは嬉しくなった。
「ドアに鍵は挿したままにしておく。片付けを頼む」
「わかりました。通路は向こうですよ」
 役人は頷くと暗がりに消えて行った。
  
 まあ、これで少しは小遣いを稼げたわけだ。うまい酒とうまい肴。
 体に良い野菜と薬草なんかクソ食らえだ。
 サリアンを呼んで酒をもらおう。冷えてるかも知れないが、肉料理をねだってみよう。
 肉に滴るソース。広間にはもう客は居ないはずだ。
  
 モフマールは久しぶりにいい気分になった。
  
  
  
  
  

 誰もいなくなった広間でモフマールが、すっかり温くなった酒をすすっていた時、役人は帰ってきた。
 「カギはまだ刺したままにしとけ。また来る」
 モフマールに顎をしゃくって自室に帰る。
 イライラして、髭を何度もしごき、階段をのぼりながら小声で毒づいているのが聞こえた。
  
 お探しの物が、見つからなかったのかも知れないな。
 事情は知らないが、役人が不機嫌なのを他人事で眺めるのはいい気分だ。ざまあみろだ。
  
 テシュカには、とりわけ胡散臭いモノを感じていたが、
 基本、モフマールにとって、役人というのは全てが胡散臭い。
 上にはへつらい下には尊大な態度で鼻持ちならない連中だ。
 彼にはこの違和感が特別なのか区別できなかった。
  
 他人にかき回しれたくない荷物とは、なんだろう?
 何故、明日の朝ではダメなのだろう?
 命が危ないと言われたのに、そうまでして厩に行きたい事とは?
  
 金目のモノを探し、考え事をしながら狭い通路を歩く。
 ぶら下がっているフライパンに写る自分の姿は、ゾッとする程恐ろしかった。
 目をそむけて思わずため息が出た。自分の顔に寒気を覚えるとは。自尊心がズタズタだ。
  
 顔にこびり付いた軟膏は重度の皮膚病で膿を吹き出してるか、皮膚から中身を出しかけている腐乱死体のようだ。
 もう少し見栄え良い軟膏がなかったのか、
 そう考えて、----------よくあの役人が話しかけてきたな。と、ふっと思う。
  
 つまり、あの女や、サリアン、料理人に頼まなかったのは…此処で自分は異質で浮いていたから?
  
 または、似た者同士だから?
  
 モフマールは、ニヤリと笑った。


 もしかして…アイツは、なにか隠してんのかな。
 人様に知られたくない…のかもな。
  
  
  
  
  
 当然だが、馬屋は、暗かった。
 沢山の藁や、ブラシ、喰み。向こうに見えるのは、柄のの長い鎌と動物用の罠だろうか。
 特にビッシリ長く鋭い刃がついた罠は、どんな妖魔のものなのか、想像したくない程恐ろしげだった。
  
 独特の草食動物の匂いに混じって、腐臭がする。
 馬達は落ち着かないようで、鼻息も荒く、しきりに首を降ったり、足踏みしていた。
 さっきの役人が怖がらせたのかも知れないな。モフマールは思った。
 そんなことより、金目のものだ。または情報だ。
  
  
 馬車は3台あり、たぶん無骨な方2台は此処コード・ラ・シェのもの、
 隣り合わせのよくあるタイプが役人が使用している馬車だ。
 彼は馬車を探り回るが、もう忘れ物とやらは持ち去ったかもしれないので、たいした希望は持ってなかった。
  
 戸口は、何故か、鍵の横木が外されていた。
 アイツ、外に行こうとしたのか?外に何かあるのか?
 バカなヤツ。
  
 試しに、戸口を押したり引いたりするが、全く動かない。
  
 理由はわからなかった
 モフマールは悪態を吐き出して部屋に戻ろうとして、
 入った時から気になっていたおかしな匂いに本能が囁いた。
  
  
 馬の匂いじゃないぞ。なんだ?すえた匂いだ。
 あと、こいつは…なんて…か、
  
 血の匂いだ。
  
 分かった途端、胃がキュッと縮み上がる頭がガンガンして、こめかみがいたくなる。
 彼は辺りを注意深く見回した。
 干し草の不自然な山が目を引いた。慌てて何か隠したような。作為的な膨らみだ。
 あれは、何だろう?
  
 少し、はみ出ているのは、覚えがある。
 どう見ても、あれは人間の足だ。寝ている浮浪児が紛れ込んでいるのだと思いたかったが、
 本能は全否定していた。
 足は微動だにせず、ロウのような肌に紫青の血管が透けて見える。
 息が止まっているのに気が付いて、モフマールはつとめて呼吸を整えた。
 しばらく荒い呼吸が納屋に響いた。
  
 本当なら、恐ろしい。恐ろしくて、ちびっちまいそうだ。
 馬の間を縫って乱雑な干し草の山をソロソロと取り除く
  
 彼は吐き気を何度も堪えた。ずっと悲鳴をこらえていたのは最後の理性だった。
  
 死体は小さめで青黒かった。
 沢山の傷からジクジクと液体がしたたる。
  
 モフマールは、フラフラになってヘタリこんだ。目が見えなくなって景色が遠くなっていく。
 暫く地面にへたり込んでいたが馬が彼を起こしてくれた。死体はやはりそこにあった。
  
 なんてこった、なんてこった、夢じゃない!こいつは…ヤバい…アイツは、人殺しなのか!
  
 彼は頭をかきむしりたくなった。が、自分が傷だらけなのを思い出す。傷の痛みで冷静さが戻ってくる。
  
  
 コレをアイツがやってたとして、食堂に駆け込んで、サリアン達に”馬屋で死体を見つけた”と俺は通報する、
 …するとどうなる?
  
 神にかけても良い、ヤツは絶対に知らない、と言う。
 ヤツが馬屋の鍵を欲しがってた事を俺は誰かに言ったか?
 いいや、誰にも言ってない。
 そして、鍵を借りて最後に馬屋に入ったのは、…俺じゃないか。
 アイツは役人で、俺は、逃げ回ってる詐欺師だ。
  
 誰も俺の事なんぞ信じない
 俺が犯人にされるのは、目にみえてる。
  
 そうか、奴はコレを捨てようとしてたんだ。
 モフマールはもう一度、恐々扉を押してみた。
 何か打ち付けてるみたいな変な音がするぞ?

 扉は動かなかった。

 おいおい、外からドアを押してる奴がいる?
 ほんの鉄板一枚隔てた外で大きな妖魔がたむろしている所を想像した。
 彼を襲ってきたでっかい魚や、棘が生えたハイエナ達だ。
 モフマールは後ずさりした。

 アイツ、コレを捨てようとしてできなかった?
 もう一度試すつもりで鍵はそのままにしとけって言ったなら、俺の立場はもっと悪くなる。
 何しろここの宿の奴らは朝が早いからな。

 あの女は特にいつ寝てるんだって感じだ。
  
 モフマールは、震えだした。
  
 冗談じゃないぞ。何とかしなきゃ、こんな時こそ、頭を働かせるんだ、
 俺は他人に罪を着せる方なんだ。着せられる方じゃない。
  
 今の状況は、一番ありがたくない状態たな。犯人は俺しかいないじゃないかっ!
  
 モフマールは気合いを入れるために
 深呼吸した。
  
 死体の方は、見ない、
 死体の方は、見ない、
 死体の方は、見ない、
 死体の方は、見ない、
  
 言い聞かせ、馬屋からでると、かれは素早く通路から台車とシーツらしい布を掴むと、とって返す。
  
  
 ピッチフォークで死体を転がして、広げたシーツに落とし込み、くるんだ。
 死体を直接見なくても良い、というのは、かなり気分が良くなった。
 慎重に台車にのせてモフマールはあるきだした。
  
 揺らすな、慌てるな、静かに運べ、
 揺らすな、慌てるな、静かに運べ、
 今度も呪文のように繰り返し、見つかりませんように。神に真剣に心から願った。
  
 モフマールの祈りが神に届いたのかは、不明だが、
 奇跡的にサリアンにもディマ・スにも遭遇はなく、彼は無事荷台を広間まで運んだ。
 役人どもの部屋は二階だ、あと少しだ。
 アイツの部屋の中に放り込んでやったら、さぞ楽しいことだろうな。
 と階段を見るまでは思って居たが、
 腐りかけた汁がしたたる死体を担ぐなんて、俺にはできない。
 猛烈まっぴらだとモフマールは思った。
  
  
 何だって犯人でもない俺が、嫌な目に会わなきゃいけない?
 モフマールは歯噛みした。
 ムカつく役人ども、俺をハメようとしやがって。そうはいくか!
  
  
  
 彼は忌々しげに床に死体を転がした。重たい湿った音を広間に立てて骸の一部が露になる。
 あらぬ方向を向いている10本指をみて、彼は悲鳴を必死で押し込んだ。
 拷問か?なんて奴だ。全部指を折ったんだ。
 正気の沙汰じゃない。
  
  
  
 そうして暫く呼吸を整えていたが、やがてあたりを用心深く伺いながら、死体の服の一部を破りとった。
  
 何にしろ、保険は必要だ。
  
 後は、鍵を返しに行かねはならない。モフマールは破りとった端切れをポケットに突っ込み戸棚に向かう。
 コイツをどうやって使う…か…だな。
 鍵が必要だ。
  
 戸棚の鍵自体は、彼に歯が立たないが通路にあった道具箱にアタリをつけていた。
  
 鍵なんざ開かなくたって取手ごと外したらいい。
 はたして、戸棚はあっさり開いて、モフマールは沢山連なった鍵の束を手に入れた。
 鍵にはそれぞれきれいな模様の根付がついていい香りがした。
 これは、勝利の香りだな。彼はやっと一人心地してニンマリした。

 手の震えを押さえる為に、棚にあったエールをひっかける。
  「クソうめェ…仕事前の一杯だ」
 役人達の部屋は二階だが、もうどこでも入り込める鍵束は、モフマールにとって、黄金か麻薬のようだ。
  
 客が酔っぱらって、騒いでる間に、金目のモノを頂くのも良い。
 トリアは、どのくらい溜め込んでいるんだろう?
 ハンター時代に.集めたお宝は何処に隠してあるんだろう?
 アイツが死んじまえば、ソックリ俺のモノになるんだな。
  
  
 そうだ、手っ取り早く死体の端切れをトリアに仕込んだら、役人どもは、喜んでしょっぴいてくれるぞ。
 まあ、確かに助けてもらったが、考えてみりぁ、ムカつく女の娘じゃないか、
 もうサリアンまで抱き込んでて、ソックリだ。
  
 ここが俺の物になったら、切り盛りはサリアンに任せられるだろう。
 たまに寄って上がりをもらいながら、暮らすのも良いな。
  
 モフマールは、自分が歩けなくなっているのも分からなかった。
 フワフワと千鳥足で、壁に身を預ける。
  
 化け物だらけここに、住むだけはまっぴらだ。隣の国境の町で、小金持ちの後家さんでも引っ掛けてみるか…
 いや、もう金の心配はないから、とびきり若くて美人でも良いんだ。
 異国の美しい奴隷を買ってみるか
  
 彼は幸せな顔で眠りこけた。


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