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あいしてる。
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「くーちゃん。新幹線の時間まで
あと3時間ぐらいあるけど
その時間、俺にくれる?
話したいこと、ある。」
「??…うん。」
駅前の広場の人けないベンチに
座って今2つ買ったペットボトルの
1つの水を僕に渡してくれるまぁくん。
「俺さぁ…。やっとわかったんだ。
………ってか前からわかってたんだけど…
自分でもそれを認められなかった。
認めるのが怖かったし
ずっと自分に嘘をついてきた。
……………………こうしてまた離れて
改めて俺は思い知らされた。」
「………まぁく、ん?」
まぁくんはまっすぐ前を
見つめたまま言った。
「俺はくーちゃんのことが好きだ。」
「えっ…………………。」
「愛してる。くーちゃん。」
「!!!………………………。」
「小さい頃はさ、くーちゃんが
手を握ってきてくれるのが
当たり前でいつもそばにいてくれて。
そんな日々が続いていくもんだと
思ってた。毎回別れる時さ。
くーちゃんが泣いて
離れたくないって言ってくれて。
俺も同じ気持ちだった。
けど…。ある時母さんにね。
くーちゃんは男の子なのに
泣き虫だね。真仁、男の子は
泣いたらダメなんだよ、って
言われたんだ。
それから父さんには…真仁は
奈那美ちゃんが好きなんだね、って
言われた。いつも奈那美も
側にいたもんね。
男の子は女の子を
好きになるもの、なんだ、って
思った。父さんは男で母さんは女。
それが【普通】、なんだ、って。
いつしかその【普通】に
とらわれていった。」
ふーっ、とまぁくんは息を吐き出す。
「父さんの海外への転勤が決まって
俺は泣きわめいて抗議したよ。
でも結局はついていくしかなくて…。
むこうへいってからずっと
ふさぎこんでた。
くーちゃんが恋しくて恋しくて
しかたがなかった。
いつもこれを見てこっそり
泣いてたんだ。」
まぁくんが取り出したのは
ボロボロになった写真。
僕の部屋にあるまぁくんの
お誕生日会のときの
ツーショットのものだった。
「まぁくんこれ………。」
「うん。くーちゃんの部屋に
あったのと同じ。」
「まぁくん、僕…。」
僕の言葉をまぁくんは遮る。
「くーちゃん。俺に最後まで
喋らせて。」
僕が頷くとまぁくんは
また話し出した。
「3年後に日本に帰って
学校に行って…まず探したのは
くーちゃんの姿だった。
くーちゃん大きくなってて
可愛くなってて…。
ドキドキしたよ。
誤魔化すように逃げた。
それから母さんが榊さんとこに
挨拶に行くって言うから
無理矢理着いてって…。
俺は思いついたんだ。
奈那美の彼氏になったら
ここにいつも来てくーちゃんに
会えるんじゃないか、なんて。
酷いことを。
奈那美はくーちゃんにそっくりで
可愛かったし…。
それにずっと手紙くれてて
俺のこと好きだって
言ってくれてたから。
改めて奈那美から告白されて
付き合いだしてから
俺このままくーちゃんを忘れて
奈那美を好きになれたら、って
思ってしまったんだ。
奈那美の好意につけこんで。」
まぁくんは息をつき水を一気飲みする。
「むこうにいた時ね。
友達になった子のお兄さんが
その…………同性愛者だったらしくてね。
お兄さんも、その子もすごく
差別されて嫌がらせされてて…
すごく怖かったんだ。
俺は親から言われた【普通】、に
とらわれて…。【普通】で
いなきゃいけない、って
言い聞かせてた。
………………中学を卒業するとき
くーちゃんにボタン欲しいって
言われてさ。俺はめちゃくちゃ
嬉しかった。
そのまま抱きしめてしまいたかった。
でも俺は…結局……………。
何も出来ずに…。」
ふぅぅ…とまた息を吐くまぁくん。
「高校生になって奈那美は
俺になぜ手を出さないのか、って
聞いてくるようになった。
…まわりがそういう感じになりだして
焦っていたんだと思う。
俺は…奈那美が大事だから、なんて
大嘘ついてしまった。
本当は………………勃たなかったんだ。
どうしても。何をしても…。
キスして押し倒してしようと
したけどダメだった。
………。それがあってから
だんだん奈那美と
うまくいかなくなってきて…。
それでもだらだらと
恋人関係を続けてた。
……………。
3年生になってもうくーちゃんと
離れなきゃならないな、って
思ったらさ。想い出が欲しくなった。
だからお弁当を口実に
くーちゃんに会って話して…
めちゃくちゃ幸せだったよ、あの時。
今考えたら自分勝手だよなぁ…
自分の欲望のために…………。
くーちゃんを傷つけて。
ごめんな。くーちゃん。
でもまたボタン欲しいって
言ってくれてとても嬉しかった。
卒業式の日、俺はもうこれで
吹っ切ろう、やめよう、って
思ってたんだけど…。
くーちゃんの顔見たらさ。
やっぱりそれはできなくて…
隣にいるだけですごく落ち着いて
自然に笑えて。息がしやすい、って
言うかな…。生きてる実感が
あるんだよね…。
だからまた1年離れてみて
それでも気持ちが変わらなかったら
告白しようと思った。
……………………。
これで俺の話は終わり。
ごめんね、くーちゃん。
自分勝手にしゃべるだけしゃべって。
自己満もいいとこ。
くーちゃん気にしなくていいから。
ほんとごめん。」
立ち上がろうとしたまぁくんの手を
僕は握りしめる。
僕の目からは大量の涙が
滴り落ちていてシャツにズボンに
染みを作っていた。
「くー、ちゃ、ん?」
話しはじめてから初めて
僕の顔を見たまぁくんは
驚きの表情を浮かべている。
「ま、ぁく、ん…。
僕は…僕は………………
ずっとまぁくんが好きだったよ。
物心ついたときからずっと。
離れても………。
奈那美と付き合ってても…
ずっとずっと好きだった。
僕はずっとまぁくんを愛してる。
そしてこれからも一生
それは変わらない。
まぁくんを想って一生1人で
いようと思ってた。
まぁくんの笑顔が見られれば
それでよかったんだ。
僕も…。まぁくんが外国行った後
まぁくんが恋しすぎて
まぁくんの面影を探して
男の子ばかり見てたら
おかしい、気持ち悪い、って
言われたことあって…
だから封印した。
適当に周りと話あわせて
女の子が好きなふりしてた。
でも頭の中はまぁくんだらけだったし…
それに……………奈那美なんて
いなくなればいい、って
何度も思ってめちゃくちゃ
嫉妬してた。
奈那美が首すじに
キスマークつけて帰ってきたときも…。
僕…僕…………。まぁくんとのことを
妄想、して、ひとりで…
ひとりで、してっ…………。」
「っつ…くーちゃん……………。」
まぁくんが僕を抱きしめる。
「まぁくん…。愛してる。僕…。僕…。」
「くーちゃん。俺も愛してる。
くーちゃん…くーちゃん…
くーちゃん…………。」
どれだけそうして
抱き合っていたのだろう。
まぁくんが僕の背中を
ずっとさすっている。
「くーちゃん。キスしたい。」
「まぁくん…。」
僕は背中にまわしていた手を外した。
まぁくんの両手が僕の頬を包む。
「………あいしてる。紅李翔。」
そっと近づいてくる顔…。
僕は目を閉じた。
ちゅっ。
啄むようなキスをした後
少しぐっ、と押しつけられた
あたたかい唇に吸いつかれ
何度も何度も食まれる。
「…っん………。」
「……………はぁ、はぁ…。
くー、ちゃ、ん………好きだ。」
「………んぅ…………僕も…。
僕も好きっ…まぁくん………。」
僕たちは新幹線の時間まで
ずっと抱き合いキスをした。
あと3時間ぐらいあるけど
その時間、俺にくれる?
話したいこと、ある。」
「??…うん。」
駅前の広場の人けないベンチに
座って今2つ買ったペットボトルの
1つの水を僕に渡してくれるまぁくん。
「俺さぁ…。やっとわかったんだ。
………ってか前からわかってたんだけど…
自分でもそれを認められなかった。
認めるのが怖かったし
ずっと自分に嘘をついてきた。
……………………こうしてまた離れて
改めて俺は思い知らされた。」
「………まぁく、ん?」
まぁくんはまっすぐ前を
見つめたまま言った。
「俺はくーちゃんのことが好きだ。」
「えっ…………………。」
「愛してる。くーちゃん。」
「!!!………………………。」
「小さい頃はさ、くーちゃんが
手を握ってきてくれるのが
当たり前でいつもそばにいてくれて。
そんな日々が続いていくもんだと
思ってた。毎回別れる時さ。
くーちゃんが泣いて
離れたくないって言ってくれて。
俺も同じ気持ちだった。
けど…。ある時母さんにね。
くーちゃんは男の子なのに
泣き虫だね。真仁、男の子は
泣いたらダメなんだよ、って
言われたんだ。
それから父さんには…真仁は
奈那美ちゃんが好きなんだね、って
言われた。いつも奈那美も
側にいたもんね。
男の子は女の子を
好きになるもの、なんだ、って
思った。父さんは男で母さんは女。
それが【普通】、なんだ、って。
いつしかその【普通】に
とらわれていった。」
ふーっ、とまぁくんは息を吐き出す。
「父さんの海外への転勤が決まって
俺は泣きわめいて抗議したよ。
でも結局はついていくしかなくて…。
むこうへいってからずっと
ふさぎこんでた。
くーちゃんが恋しくて恋しくて
しかたがなかった。
いつもこれを見てこっそり
泣いてたんだ。」
まぁくんが取り出したのは
ボロボロになった写真。
僕の部屋にあるまぁくんの
お誕生日会のときの
ツーショットのものだった。
「まぁくんこれ………。」
「うん。くーちゃんの部屋に
あったのと同じ。」
「まぁくん、僕…。」
僕の言葉をまぁくんは遮る。
「くーちゃん。俺に最後まで
喋らせて。」
僕が頷くとまぁくんは
また話し出した。
「3年後に日本に帰って
学校に行って…まず探したのは
くーちゃんの姿だった。
くーちゃん大きくなってて
可愛くなってて…。
ドキドキしたよ。
誤魔化すように逃げた。
それから母さんが榊さんとこに
挨拶に行くって言うから
無理矢理着いてって…。
俺は思いついたんだ。
奈那美の彼氏になったら
ここにいつも来てくーちゃんに
会えるんじゃないか、なんて。
酷いことを。
奈那美はくーちゃんにそっくりで
可愛かったし…。
それにずっと手紙くれてて
俺のこと好きだって
言ってくれてたから。
改めて奈那美から告白されて
付き合いだしてから
俺このままくーちゃんを忘れて
奈那美を好きになれたら、って
思ってしまったんだ。
奈那美の好意につけこんで。」
まぁくんは息をつき水を一気飲みする。
「むこうにいた時ね。
友達になった子のお兄さんが
その…………同性愛者だったらしくてね。
お兄さんも、その子もすごく
差別されて嫌がらせされてて…
すごく怖かったんだ。
俺は親から言われた【普通】、に
とらわれて…。【普通】で
いなきゃいけない、って
言い聞かせてた。
………………中学を卒業するとき
くーちゃんにボタン欲しいって
言われてさ。俺はめちゃくちゃ
嬉しかった。
そのまま抱きしめてしまいたかった。
でも俺は…結局……………。
何も出来ずに…。」
ふぅぅ…とまた息を吐くまぁくん。
「高校生になって奈那美は
俺になぜ手を出さないのか、って
聞いてくるようになった。
…まわりがそういう感じになりだして
焦っていたんだと思う。
俺は…奈那美が大事だから、なんて
大嘘ついてしまった。
本当は………………勃たなかったんだ。
どうしても。何をしても…。
キスして押し倒してしようと
したけどダメだった。
………。それがあってから
だんだん奈那美と
うまくいかなくなってきて…。
それでもだらだらと
恋人関係を続けてた。
……………。
3年生になってもうくーちゃんと
離れなきゃならないな、って
思ったらさ。想い出が欲しくなった。
だからお弁当を口実に
くーちゃんに会って話して…
めちゃくちゃ幸せだったよ、あの時。
今考えたら自分勝手だよなぁ…
自分の欲望のために…………。
くーちゃんを傷つけて。
ごめんな。くーちゃん。
でもまたボタン欲しいって
言ってくれてとても嬉しかった。
卒業式の日、俺はもうこれで
吹っ切ろう、やめよう、って
思ってたんだけど…。
くーちゃんの顔見たらさ。
やっぱりそれはできなくて…
隣にいるだけですごく落ち着いて
自然に笑えて。息がしやすい、って
言うかな…。生きてる実感が
あるんだよね…。
だからまた1年離れてみて
それでも気持ちが変わらなかったら
告白しようと思った。
……………………。
これで俺の話は終わり。
ごめんね、くーちゃん。
自分勝手にしゃべるだけしゃべって。
自己満もいいとこ。
くーちゃん気にしなくていいから。
ほんとごめん。」
立ち上がろうとしたまぁくんの手を
僕は握りしめる。
僕の目からは大量の涙が
滴り落ちていてシャツにズボンに
染みを作っていた。
「くー、ちゃ、ん?」
話しはじめてから初めて
僕の顔を見たまぁくんは
驚きの表情を浮かべている。
「ま、ぁく、ん…。
僕は…僕は………………
ずっとまぁくんが好きだったよ。
物心ついたときからずっと。
離れても………。
奈那美と付き合ってても…
ずっとずっと好きだった。
僕はずっとまぁくんを愛してる。
そしてこれからも一生
それは変わらない。
まぁくんを想って一生1人で
いようと思ってた。
まぁくんの笑顔が見られれば
それでよかったんだ。
僕も…。まぁくんが外国行った後
まぁくんが恋しすぎて
まぁくんの面影を探して
男の子ばかり見てたら
おかしい、気持ち悪い、って
言われたことあって…
だから封印した。
適当に周りと話あわせて
女の子が好きなふりしてた。
でも頭の中はまぁくんだらけだったし…
それに……………奈那美なんて
いなくなればいい、って
何度も思ってめちゃくちゃ
嫉妬してた。
奈那美が首すじに
キスマークつけて帰ってきたときも…。
僕…僕…………。まぁくんとのことを
妄想、して、ひとりで…
ひとりで、してっ…………。」
「っつ…くーちゃん……………。」
まぁくんが僕を抱きしめる。
「まぁくん…。愛してる。僕…。僕…。」
「くーちゃん。俺も愛してる。
くーちゃん…くーちゃん…
くーちゃん…………。」
どれだけそうして
抱き合っていたのだろう。
まぁくんが僕の背中を
ずっとさすっている。
「くーちゃん。キスしたい。」
「まぁくん…。」
僕は背中にまわしていた手を外した。
まぁくんの両手が僕の頬を包む。
「………あいしてる。紅李翔。」
そっと近づいてくる顔…。
僕は目を閉じた。
ちゅっ。
啄むようなキスをした後
少しぐっ、と押しつけられた
あたたかい唇に吸いつかれ
何度も何度も食まれる。
「…っん………。」
「……………はぁ、はぁ…。
くー、ちゃ、ん………好きだ。」
「………んぅ…………僕も…。
僕も好きっ…まぁくん………。」
僕たちは新幹線の時間まで
ずっと抱き合いキスをした。
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