君の視線の向かう先は。

勇黄

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【番外編】ノリ兄とヤスくん最初の朝③

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目覚めると幸せに愛し合って
腕枕をして眠ったはずの
愛おしい人が横にいない。















「ノリ兄?」



















隣をまさぐるとシーツは
冷たくなっていて俺は不安を覚えた。



















「ノリ兄ぃぃぃ!」



















焦って起き上がり思い切り
寝室のドアを開ける。




















「う、わぁ!!ど、どうした!?
ヤスくん!」




















後ずさりながら腰に手をやり
顔を顰めるノリ兄…。




















俺はたまらなくなって
ノリ兄を抱きしめた。




















「…ぅぅう…わぁぁあ!ノ、リ兄…
消えちゃったのかとおもったぁぁあ!
昨夜の幸せは、俺の…。
お、れの夢だったのかってぇぇ………
こわかったぁぁ!わぁあ!
よかったぁぁぁあ………
ノリ、にぃい!」




















「んも…。大袈裟だなぁ…
ヤスくんは…。俺はどこにも
いかないよ。夢じゃない。
ここにいるよ。」
















「ぅぅぅ…ほんとにほんとに
どこにも行っちゃやだからね…。
ずっと一緒にいてよ?
ほんとに、ほん、とに、だよ?」



















「俺がヤスくんのそばを離れる時は
寿命が尽きた時だけだ。約束する。」




















「ノリ…にぃ……………。俺も。
俺も約束する。絶対に離れないから。
ノリ兄が嫌だって言っても
離れないっ!」



















「嫌だなんて俺が言うわけないだろ?
……………ね、もうちょっと寝よう?
まだ早いから…。」



















そう耳元で囁かれて俺は身震いし
ノリ兄を抱き上げた。




















「ねぇノリ兄…体、大丈夫?
俺、無茶させちゃった?」

















ノリ兄はちょっと腰が痛いけど
大丈夫だ、と言い笑う。




















「ヤスくん、その呼び方…。
やめろって言った、ろ?」



















「……………ごめん。なんか。
癖になってる……。」




















「早く慣れろよ、な…?」



















「うん。ノリくん。」



















ベッドに行くと俺にぴったりと
くっついて腕枕をねだり
幸せそうに目を閉じる
その愛おしい人。




















「ヤスくんの腕枕…。
めっちゃ安心するんだよ…。」





















いつもはアップスタイルの前髪が
おでこにさらりとかかる。
















その髪にそのおでこに、目じりに
鼻にそして唇を啄むように
何度もキスを繰り返した。





















「きみの、り…。」



















脇の下に手を入れると
俺を軽く睨みながらも
しょうがないなぁ…と笑って
抱き返しノリ兄は
深くキスを返してくれる。





















「……………!…ちょ…………!
もう反応してるって
どんだけだよ…。」



















「だって。ノリくんが悪いんだよ…。
煽るから…。」


















「煽ってねぇし…。ん、あっ…」





















俺はまたキスマークを
たくさん胸につける。




















「綺麗だよ…。ノリくん…。」



















「……ちょ、ま!……バカか!
……もう~…。」


















不服そうな顔ででも顔を真っ赤にした
ノリ兄はとても可愛かった。





















「ね、ノリくん。
目、覚めちゃったからさ。
シャワー行こ?」



















「ん。……………ヤスくん…。
それどうすんの?」



















ノリ兄の目線は俺の滾っている
下半身あたりを彷徨う。




















「っ…。ノリくん…なんとかして?」


















「っ、う~………なんだよ…。
煽ってるのそっちじゃんか…。
ほら、行くよ。」


















手をとってズンズンと
シャワールームへ歩くノリ兄に
半ば強引に引きずり込まれ
抱きしめられた。




















「ノリ、く…ん………?」


















「まずは洗おうか。
それから………してあげるから。」



















「しししし、して…あ、げ…?」



















「…まだ、したことなかった、ろ?」




















「!?」



















ノリ兄は泡状のボディーシャンプーを
俺の肌につけて耳の後ろから
だんだんと下へ滑らせていく。



















「ほら………ここも…………。」





















俺の滾った部分にも手を這わせて
洗ってからシャワーで丁寧に
全身を流した。





















「…の、り………く、ん…もう俺…。」




















上の空でそう言うと
にっこりと妖艶に笑ったノリ兄が
すっ、としゃがんで
俺のを口に含む。






















先端をチロと舐められて
俺は快感によろけて壁にもたれた。





















「ヤスくん…。愛してるよ…。」



















裏筋をつーっと舐め上げて
俺自身を口に含み愛おしそうに
舌で唇で喉奥で頬の裏側で愛撫する。





















「ああっ!やめ…き、みのりっ…。
ぅ、ふぅ…。んっ…。」




















時々上目遣いで俺を見ながら
俺のを口に含む姿はとても扇情的で
一気に最高潮にいたった。



















「ノリくんもう!俺!だめっ!
離して、口、離し…て!
出ちゃうっ!あ!」



















「いいよ、出して………んっ…。」




















「んっ!んぅ!お、願いっ!
…だ!めっ…あ!あああ!」






















ノリ兄の口の中に
白濁を吐き出してしまい
力の抜けた俺はしゃがみこんで
夢中でノリ兄の口の中のものを
吐き出させる。






















「…んぐっ…うっ…はぁ……。
飲みたかったのに。」




















「ノリくん!ダメ!お腹壊す!」



















わかったわかった、と口をゆすいで
ノリ兄は悦かったか?と聞いた。





















「悦か、った…よ………。もちろん。
ありがとう…。嬉しい…。」



















「また、してやるよ…。」



















恥ずかしそうにそう言うノリ兄を
俺は抱きしめる。





















「今度は俺にもさせてね?

…………あがってもう少し寝ようか?
ノリくん?」





















一瞬真っ赤になったノリ兄は
一転真面目な顔になった。





















「いや。話があるんだ。
ちょっと早いけど朝ごはん食べながら
聞いてくれる?」




















「話?」


















「うん、パン買ってるから
コーヒー入れて食べよう。」





















「………うん。じゃ。俺用意するよ。」




















「ヤスくん頼む。」




















そうして体を拭きあい
パンツ一丁で俺はキッチンに向かい
ノリ兄は部屋に入っていった。




















テーブルにつきパンを食べながら
ノリ兄はポツンと言葉を零す。




















「俺の…俺の子供を…。
育ててくれないか?ヤスくん。」




















「!!!え?
…………………どどどどっかに
隠し子いる、の?」




















「っ!………バカ!まさか!
俺童貞だってのに!」





















「え?」




















「決まってるだろうが!」




















「だだだだだだって…。
高校の時、家で…さ?」



















「え?…あれは……………。
って見てたのか?」



















「…いや、あの、その…。
ちょっと、だけ………。
とても見てられなくて…。
でも………。」





















「で、も…?」




















「ノリくんがすごく気持ちよさそうで
その顔を見て俺自分で、さ…。
ヌいて…。自己嫌悪に…。」




















「ヤスくん…。あれ未遂だったんだ…。
俺、寸前で萎えちゃって、さ…。」



















「そ、そうだったんだ…。
…じゃあ、じゃあ!子供、って…?」






















「ああ。代理母出産を
頼もうと思っている。できれば2人。
俺の子供とヤスくんの子供。」





















「ノリ、くん…。」




















「ヤスくんには負担を
かけるかもしれないけど…。
俺、子供欲しいんだよ。
跡取りのこともあるけれど
そんなの関係なくて…。
純粋に俺の子とヤスくんの子が
抱きたいんだ。

子育てももちろん参加する。」





















「ノリくんありがとう…。
ぅぅぅ…ぐずっ…俺も………。
俺もノリくんの子供抱きたい。
俺の子供、なんて考えてみた事
なかったけど…抱いてみたい、よ。
うわぁぁぁん…」






















大声を出して泣く俺の頭を抱きしめて
ノリ兄は言った。





















「アメリカで病院を受診して
エージェンシーに会おう。」




















「うん…。グズッ…う、わぁあん………。
俺、俺…………。幸せ…。ノリくん…。
ノリくん…ぅぅ…グズッ………。」






















まだ生まれると
決まったわけじゃないよ、と
困り顔で俺の頭を撫でてくれる
ノリ兄に俺はすがりつく。























それを考えてくれていたことが
嬉しいんだ、と俺は
嗚咽しながら伝えた。




















「そろそろさ…俺の事、さ。
信用してくれてもよくない?
ヤスくん…?」




















「ごめんね…ノリくん………。
俺、信じてないわけじゃないんだ…。
でも……………自分に自信なくて。」






















「もう………。俺の心の中を
見せれたらいいのに…。
そしたらヤスくんのことしか
考えてないことを
わかってもらえるのに…。」






















「!!!の、ノリくん…。ごめん…。
ありがとう。俺の心の中も
見てもらいたい…。
ノリくんしかいないから。」





















「ふふふ…。俺はそれ知ってるよ?
愛してる。ヤスくん。」





















「ノリくん………。愛してる。」


















深くキスをするとノリ兄の感情が
流れこんでくるような気がして
俺は身震いする。




















同じように震えるノリ兄も
感じてくれていただろうか。




















花が綻び咲くようにゆっくりと
表情を和ませ笑顔になったノリ兄に
俺はまた熱くなって抱きついた。
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