【R18】あたし、ギターになっちゃった

ヒルナギ

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第三話

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 あたしの元彼は、残りのおとこたちを無造作に撃ち殺す。

 最後に残ったギターのおとこは、震える声で言った。

「なんでだよ。おれたちは言われるままやっただけだろ」

 元彼は冷静な口調で応える。

「殺してくれなんて言ってないぜ」

「殺すなとも言ってない。好きにしろと」

 銃声。

 死体が四つ転がることになった。

 そして、銃口は今あたしに向けられている。

 少し混乱していた。

「あなたが、仕組んだことなの?」

 元彼は、静かに応える。

「行き違いだな。申し訳ない。とりあえず、行こうか」

「どこへ?」

「警察に邪魔されないところへ」



 あたしは彼のツーシータのドイツ製スポーツカーに乗せられた。

「なんで、あんなことしたのよ」

「判らないか?」

 彼はあたしの問いに、平然と問い返す。

 まあ、ふったからなのか。

「あたしが、あんたをふったから?」

「それはどうでもいい。むしろ、おれに感心を持なかったことが問題だな」

 ああそうか。

 まあねえ。

 便利なひとだったんだけどねぇ。

 美味しいもの食べに連れてってくれるし、欲しいものは買ってくれるし。

 望めば展望レストランでの豪華な食事も、ロマンチックなナイトクルーズも、一流ホテルですごす休日も用意してくれる。

 ただねぇ。

 便利なだけだったんだよね。

「おれは金の力で、あんたを好きなようにもて遊んだ。違うか?」

 まあ、そうなんだよね。

 あたしはもう少し貧乏な恋人がいて、そのひとをすごく愛してたんだけど。

 なんとなく、金の力に流されたっていうか。

 でも恋人と別れても、こっちの彼とは結婚できないんだよね。

 だってこの彼は、海外の非合法組織と関わりがあって、そのせいで独身主義だって公言しているし。

「あんたは、おれを憎むべきだ。違うか?」

 あたしはこれには苦笑せざるおえない。

「なんで、このあたしほどのおんながさ。あんたごときを憎まないといけないのよ。あんたって金はあってもただのカスじゃん」

「だから」

 彼は、授業をする教師の口調で言った。

「憎まれるようにしただよ。あんたがおれを憎んでくれなければ、どうすればいいのかおれには判らん」

 いや、知らんし。

 というか、なんかそれどころじゃない。

 あたしは、自分の身体に異変を感じていた。

 さっきの熱い塊は消えておらず。

 なんか判ってきたようにも思う。

 これ、この感じ。

 あたしの中にコードがある。

 出口を探してるコードが。

 遠くにパトカーのサイレンが聞こえる。

 近づいていた。

 でもやんないと。

「車を止めて」

 彼はちらりとあたしを見て少し戸惑う。

 まあ、無理もない。

 今止めりゃあ、パトカーに囲まれる。

 けど、必要。
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