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第三話
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あたしの元彼は、残りのおとこたちを無造作に撃ち殺す。
最後に残ったギターのおとこは、震える声で言った。
「なんでだよ。おれたちは言われるままやっただけだろ」
元彼は冷静な口調で応える。
「殺してくれなんて言ってないぜ」
「殺すなとも言ってない。好きにしろと」
銃声。
死体が四つ転がることになった。
そして、銃口は今あたしに向けられている。
少し混乱していた。
「あなたが、仕組んだことなの?」
元彼は、静かに応える。
「行き違いだな。申し訳ない。とりあえず、行こうか」
「どこへ?」
「警察に邪魔されないところへ」
❖
あたしは彼のツーシータのドイツ製スポーツカーに乗せられた。
「なんで、あんなことしたのよ」
「判らないか?」
彼はあたしの問いに、平然と問い返す。
まあ、ふったからなのか。
「あたしが、あんたをふったから?」
「それはどうでもいい。むしろ、おれに感心を持なかったことが問題だな」
ああそうか。
まあねえ。
便利なひとだったんだけどねぇ。
美味しいもの食べに連れてってくれるし、欲しいものは買ってくれるし。
望めば展望レストランでの豪華な食事も、ロマンチックなナイトクルーズも、一流ホテルですごす休日も用意してくれる。
ただねぇ。
便利なだけだったんだよね。
「おれは金の力で、あんたを好きなようにもて遊んだ。違うか?」
まあ、そうなんだよね。
あたしはもう少し貧乏な恋人がいて、そのひとをすごく愛してたんだけど。
なんとなく、金の力に流されたっていうか。
でも恋人と別れても、こっちの彼とは結婚できないんだよね。
だってこの彼は、海外の非合法組織と関わりがあって、そのせいで独身主義だって公言しているし。
「あんたは、おれを憎むべきだ。違うか?」
あたしはこれには苦笑せざるおえない。
「なんで、このあたしほどのおんながさ。あんたごときを憎まないといけないのよ。あんたって金はあってもただのカスじゃん」
「だから」
彼は、授業をする教師の口調で言った。
「憎まれるようにしただよ。あんたがおれを憎んでくれなければ、どうすればいいのかおれには判らん」
いや、知らんし。
というか、なんかそれどころじゃない。
あたしは、自分の身体に異変を感じていた。
さっきの熱い塊は消えておらず。
なんか判ってきたようにも思う。
これ、この感じ。
あたしの中にコードがある。
出口を探してるコードが。
遠くにパトカーのサイレンが聞こえる。
近づいていた。
でもやんないと。
「車を止めて」
彼はちらりとあたしを見て少し戸惑う。
まあ、無理もない。
今止めりゃあ、パトカーに囲まれる。
けど、必要。
最後に残ったギターのおとこは、震える声で言った。
「なんでだよ。おれたちは言われるままやっただけだろ」
元彼は冷静な口調で応える。
「殺してくれなんて言ってないぜ」
「殺すなとも言ってない。好きにしろと」
銃声。
死体が四つ転がることになった。
そして、銃口は今あたしに向けられている。
少し混乱していた。
「あなたが、仕組んだことなの?」
元彼は、静かに応える。
「行き違いだな。申し訳ない。とりあえず、行こうか」
「どこへ?」
「警察に邪魔されないところへ」
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あたしは彼のツーシータのドイツ製スポーツカーに乗せられた。
「なんで、あんなことしたのよ」
「判らないか?」
彼はあたしの問いに、平然と問い返す。
まあ、ふったからなのか。
「あたしが、あんたをふったから?」
「それはどうでもいい。むしろ、おれに感心を持なかったことが問題だな」
ああそうか。
まあねえ。
便利なひとだったんだけどねぇ。
美味しいもの食べに連れてってくれるし、欲しいものは買ってくれるし。
望めば展望レストランでの豪華な食事も、ロマンチックなナイトクルーズも、一流ホテルですごす休日も用意してくれる。
ただねぇ。
便利なだけだったんだよね。
「おれは金の力で、あんたを好きなようにもて遊んだ。違うか?」
まあ、そうなんだよね。
あたしはもう少し貧乏な恋人がいて、そのひとをすごく愛してたんだけど。
なんとなく、金の力に流されたっていうか。
でも恋人と別れても、こっちの彼とは結婚できないんだよね。
だってこの彼は、海外の非合法組織と関わりがあって、そのせいで独身主義だって公言しているし。
「あんたは、おれを憎むべきだ。違うか?」
あたしはこれには苦笑せざるおえない。
「なんで、このあたしほどのおんながさ。あんたごときを憎まないといけないのよ。あんたって金はあってもただのカスじゃん」
「だから」
彼は、授業をする教師の口調で言った。
「憎まれるようにしただよ。あんたがおれを憎んでくれなければ、どうすればいいのかおれには判らん」
いや、知らんし。
というか、なんかそれどころじゃない。
あたしは、自分の身体に異変を感じていた。
さっきの熱い塊は消えておらず。
なんか判ってきたようにも思う。
これ、この感じ。
あたしの中にコードがある。
出口を探してるコードが。
遠くにパトカーのサイレンが聞こえる。
近づいていた。
でもやんないと。
「車を止めて」
彼はちらりとあたしを見て少し戸惑う。
まあ、無理もない。
今止めりゃあ、パトカーに囲まれる。
けど、必要。
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