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進まない執務②
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「すごいだろう?」
低く掠れた声でクロヴィスがささやいた。
「中はもっとはしたないぞ。感じてみるといい」
「っあ……」
ふたり合わせると六本の指が、その源泉の奥へ入りこんでいく。
クロヴィスにさんざん慣らされ柔軟になったとはいえ、ぼこぼことした指の関節を中いっぱいに感じて息が詰まる。
だが、それがかえって今まで感じたことのない刺激を生み出すこととなった。
深い所まで埋め、小刻みに上下しはじめる。いびつな形状を健気に受け入れようと、肉壁が収縮した。
すると、じわりとあたたかい愛液が湧きあがってきて指にまとわりつき、滑らかに動く助けとなる。
あっというまに指は大胆に抽挿しはじめ、くちゅくちゅと音をさせて内部をかき乱した。
そうなれば、エリシアは快感に溺れるだけとなる。
「……っあ、ぁあ! んっあ、ああ……!」
まるで生き物のように、肉壁は指に吸いついてきた。
クロヴィスが「ひくついている」、「締め付けてくる」と揶揄してきたのも納得せざるを得ない。
これほどまで淫猥に彼の雄に絡みついていたのか――と羞恥と興奮を覚えると、さらにきゅうと肉壁が締まった。愛液がぴちぴちとにじみでてきて、臀部に伝い落ちる。
さらに追い詰めようと、クロヴィスが指の角度を変えた。
絶頂を予感し、背筋がゾクゾクと震え、身を仰け反らせる。
指の動きがさらに速くなった。
(あぁいや、いっちゃう……自分の指で……いっちゃうぅ……!)
きゅうと内部がひときわ締まったとたん、一気に指を引き抜かれた。
「……っあぁあ……!」
思わず惜しむ声を上げてしまう。
快感の余韻にびくびくと震えながら、とろりとした目で見ると、クロヴィスが野性味を帯びた表情で見据えていた。
「自分の指で乱れまくるとは……まったく、どこまでも淫らだな」
昏くギラギラとした目で見下ろしながら、エリシアの体を引き起こしてうつぶせにする。
そして、尻を高々と突き上げさせ、打つように熱く硬いものを押し当てた。
クロヴィスの剛直だと認識するなり、きゅうと陰部が締まってしまう。
「すこし仕置が必要だな。そうだろう?」
ぎし、とカウチを鳴らし、クロヴィスが身を乗り出す。
そして仕置きの道具はこれだと知らしめるように、陰部の入口に先端を擦りつける。
正しい受け答えがない限りは動かない――そんな焦らすような動きだった。
日の高いこんな時間からこんな淫らなことを強要されるなんて……羞恥と興奮で頭が焼き切れそうになり、とろりと脚に愛液が伝い落ちる。
それを揶揄するように、猛々しい雄が入口をくちくちとなぶった。
「さぁ、乞うてみろ……」
「……ど、うか、エリシアを叱ってください……陛下」
「ああ……どう叱って欲しいんだ……?」
「陛下の雄を、中に……奥にいっぱい――っアぁああ!」
いっきに貫かれて、揺さぶられた。
「ぁああ、あ、っああ、あああ!」
激しい動きと快感に腕の力が入らなくなり崩れる。
その上半身をきつく抱き締め、クロヴィスは欲望を穿ち続けた。
「俺の方がずっといいだろう? 指なんかよりも」
こくこくこくと、あごを上下に動かす。
比べるべくもない。熱、太さ、長さ、硬さそして荒れ狂うような激しさ――何もかもが雲泥にちがう。
「きみを乱すのはこれだけだ。よく味わえ。俺だけを感じろ」
知らしめるように、最奥を突かれ、びくびくと絶頂に押し上げられる。
激しく口づけられ、折れんばかりに、ぎゅうと抱き締められた。
「エリシア……愛している」
低く官能的な声に意識が蕩ける。
結合部からぴちぴちと愛液が零れて、ぼたたたとカウチに落ちた。
ぐったりとなった体を後ろから羽交い絞めにされ、なおも突き上げられる。
頭が真っ白になって声も出ない。
だがすぐに次の絶頂が迫ってきて喘ぎ乱れる。
その声は泣いて震えていた。
愛に満たされ、溺れる――その幸福だけで精製された涙が、エリシアの頬をとめどなく濡らしていた。
※
気づけば、日が暮れていた。
机には投げ出された書類と冷え切った茶器があった。
カウチの上でふたりは互いの肌を寄せ合い、幸せな疲労にまどろんでいた。
「……このままでは、俺は本当に愚帝になってしまうかもな」
エリシアの髪を弄びながらつぶやいたクロヴィスに、彼女ははっとした。
「いやです。私のために、あなたが困るのは……」
不安を顔に浮かべる妻を愛おしげに抱き寄せ、クロヴィスは笑った。
「エリシアは可愛いな。……大丈夫だ。俺が簡単に崩れると思うか?」
エリシアは首を横に振る。
あの密書を見せ、エルヴァランがいまだに暗殺を企てていることを知っても、クロヴィスは何ら動じなかった。
むしろ想定の範囲内だったらしく「そうだろうな」と涼しくしていた。
そして、エリシアが思う以上に自分には国の内外に多くの敵がいることを教えてくれた。
彼はつねにその脅威に目を光らせていた。情報網を張り巡らし、対策を考え、信頼のおける者で周りを固めていた。
クロヴィスは隙のない完璧な覇王だった。
(あの傷だって、暗がりの中で一瞬目にしただけだ。気のせいかもしれない)
それに、彼ならばたとえ異能力に問題がおきたとしても、どうということはないのかもしれない。
そもそも、異能力に頼る前に、彼自身がその類稀な頭脳と判断力で問題を解決してしまうのだろう。
(この方は大丈夫)
エリシアはそう自分に言い聞かせた。
いまだ自分の中でくすぶる胸騒ぎを見ないようにして、今は彼とその愛だけを感じていようと努めた。
男の大きな手を取り、その温もりをたしかめるように頬にあてる。
「あなたを誰よりも愛しております」
クロヴィスは一瞬泣き笑うような顔をして、エリシアを包み込むように抱き締めた。
低く掠れた声でクロヴィスがささやいた。
「中はもっとはしたないぞ。感じてみるといい」
「っあ……」
ふたり合わせると六本の指が、その源泉の奥へ入りこんでいく。
クロヴィスにさんざん慣らされ柔軟になったとはいえ、ぼこぼことした指の関節を中いっぱいに感じて息が詰まる。
だが、それがかえって今まで感じたことのない刺激を生み出すこととなった。
深い所まで埋め、小刻みに上下しはじめる。いびつな形状を健気に受け入れようと、肉壁が収縮した。
すると、じわりとあたたかい愛液が湧きあがってきて指にまとわりつき、滑らかに動く助けとなる。
あっというまに指は大胆に抽挿しはじめ、くちゅくちゅと音をさせて内部をかき乱した。
そうなれば、エリシアは快感に溺れるだけとなる。
「……っあ、ぁあ! んっあ、ああ……!」
まるで生き物のように、肉壁は指に吸いついてきた。
クロヴィスが「ひくついている」、「締め付けてくる」と揶揄してきたのも納得せざるを得ない。
これほどまで淫猥に彼の雄に絡みついていたのか――と羞恥と興奮を覚えると、さらにきゅうと肉壁が締まった。愛液がぴちぴちとにじみでてきて、臀部に伝い落ちる。
さらに追い詰めようと、クロヴィスが指の角度を変えた。
絶頂を予感し、背筋がゾクゾクと震え、身を仰け反らせる。
指の動きがさらに速くなった。
(あぁいや、いっちゃう……自分の指で……いっちゃうぅ……!)
きゅうと内部がひときわ締まったとたん、一気に指を引き抜かれた。
「……っあぁあ……!」
思わず惜しむ声を上げてしまう。
快感の余韻にびくびくと震えながら、とろりとした目で見ると、クロヴィスが野性味を帯びた表情で見据えていた。
「自分の指で乱れまくるとは……まったく、どこまでも淫らだな」
昏くギラギラとした目で見下ろしながら、エリシアの体を引き起こしてうつぶせにする。
そして、尻を高々と突き上げさせ、打つように熱く硬いものを押し当てた。
クロヴィスの剛直だと認識するなり、きゅうと陰部が締まってしまう。
「すこし仕置が必要だな。そうだろう?」
ぎし、とカウチを鳴らし、クロヴィスが身を乗り出す。
そして仕置きの道具はこれだと知らしめるように、陰部の入口に先端を擦りつける。
正しい受け答えがない限りは動かない――そんな焦らすような動きだった。
日の高いこんな時間からこんな淫らなことを強要されるなんて……羞恥と興奮で頭が焼き切れそうになり、とろりと脚に愛液が伝い落ちる。
それを揶揄するように、猛々しい雄が入口をくちくちとなぶった。
「さぁ、乞うてみろ……」
「……ど、うか、エリシアを叱ってください……陛下」
「ああ……どう叱って欲しいんだ……?」
「陛下の雄を、中に……奥にいっぱい――っアぁああ!」
いっきに貫かれて、揺さぶられた。
「ぁああ、あ、っああ、あああ!」
激しい動きと快感に腕の力が入らなくなり崩れる。
その上半身をきつく抱き締め、クロヴィスは欲望を穿ち続けた。
「俺の方がずっといいだろう? 指なんかよりも」
こくこくこくと、あごを上下に動かす。
比べるべくもない。熱、太さ、長さ、硬さそして荒れ狂うような激しさ――何もかもが雲泥にちがう。
「きみを乱すのはこれだけだ。よく味わえ。俺だけを感じろ」
知らしめるように、最奥を突かれ、びくびくと絶頂に押し上げられる。
激しく口づけられ、折れんばかりに、ぎゅうと抱き締められた。
「エリシア……愛している」
低く官能的な声に意識が蕩ける。
結合部からぴちぴちと愛液が零れて、ぼたたたとカウチに落ちた。
ぐったりとなった体を後ろから羽交い絞めにされ、なおも突き上げられる。
頭が真っ白になって声も出ない。
だがすぐに次の絶頂が迫ってきて喘ぎ乱れる。
その声は泣いて震えていた。
愛に満たされ、溺れる――その幸福だけで精製された涙が、エリシアの頬をとめどなく濡らしていた。
※
気づけば、日が暮れていた。
机には投げ出された書類と冷え切った茶器があった。
カウチの上でふたりは互いの肌を寄せ合い、幸せな疲労にまどろんでいた。
「……このままでは、俺は本当に愚帝になってしまうかもな」
エリシアの髪を弄びながらつぶやいたクロヴィスに、彼女ははっとした。
「いやです。私のために、あなたが困るのは……」
不安を顔に浮かべる妻を愛おしげに抱き寄せ、クロヴィスは笑った。
「エリシアは可愛いな。……大丈夫だ。俺が簡単に崩れると思うか?」
エリシアは首を横に振る。
あの密書を見せ、エルヴァランがいまだに暗殺を企てていることを知っても、クロヴィスは何ら動じなかった。
むしろ想定の範囲内だったらしく「そうだろうな」と涼しくしていた。
そして、エリシアが思う以上に自分には国の内外に多くの敵がいることを教えてくれた。
彼はつねにその脅威に目を光らせていた。情報網を張り巡らし、対策を考え、信頼のおける者で周りを固めていた。
クロヴィスは隙のない完璧な覇王だった。
(あの傷だって、暗がりの中で一瞬目にしただけだ。気のせいかもしれない)
それに、彼ならばたとえ異能力に問題がおきたとしても、どうということはないのかもしれない。
そもそも、異能力に頼る前に、彼自身がその類稀な頭脳と判断力で問題を解決してしまうのだろう。
(この方は大丈夫)
エリシアはそう自分に言い聞かせた。
いまだ自分の中でくすぶる胸騒ぎを見ないようにして、今は彼とその愛だけを感じていようと努めた。
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