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覇王の戸惑い➀
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今日は帝国北方の要塞都市へと向かうことになっていた。
かつてこの地は熾烈な戦の最前線だったが、今では傷ついた兵や民を癒す保養地として整備が進められつつあった。
だが、半ば崩れた石畳や焦げついた外壁の跡が、戦争の爪痕を今もなお残していた。
その石畳の上を、クロヴィスとエリシアの乗る馬車が、近衛兵に護られながら静かに進んでいく。
要塞都市の末端の兵たちは、今日のこの訪問を聞かされていなかったのだろう。
クロヴィスが姿を見せた途端、彼らは驚愕の面持ちで一斉に姿勢を正し、敬礼した。
ねぎらいの言葉と共に、クロヴィスは要望や現場の現状を丁寧に尋ねてまわった。
将軍としてではなく、ひとりの統治者として、兵士たちの声に真摯に耳を傾けていた。
彼らは、クロヴィスがもたらした勝利に心から感謝する一方で、自らの望みや問題点もきちんと口にしていた。
それは、たがいの間に信頼があるからこそのやりとりだと、エリシアは胸を打たれた。
エルヴァランがヴァルハイムにまったく太刀打ちできなかった理由が分かった気がした。
だが、そんな兵たちの敬意に応えるクロヴィスの横顔は、次第に険しさを帯びていった。
「……この地での戦が、最も長く、最も苛烈だった」
負傷兵用宿舎に向かいながら、ふいに彼が呟いた。
その声には、懺悔ともつかない重みがあった。
「俺の命令で、あの谷へ何千という兵を送り込んだ。……戻った者は三分の一にも満たない」
彼の視線は、雪が残る遠くの山の稜線を見つめていた。
「……それでも、あなたはこの大陸に平和をもたらしたのです。皆、あなたを英雄と讃えています」
エリシアが慎重に言葉を選んで口にした。
クロヴィスは彼女を見やった。
「君の国の民も、そう思っているか?」
返答に詰まったエリシアを見て、彼は小さく笑みを浮かべた。
「俺はただの人殺しだ。英雄と呼ばれるたびに、背中に死者の視線を感じる」
自嘲を混じえた言葉だった。
エリシアが返す言葉を探していたその時だった。
「わぁ!」
クロヴィスの足元に何かが当たって転がった。
ちいさな女の子が、びっくりした顔をして彼を見上げる。視線が合うと、ぎょっとして泣きそうな顔になった。
クロヴィスは膝をつくと優しい声色で話しかけた。
「どうした、ひとりか?」
「……ううん、せんせいといっしょ。お父ちゃんのおみまいにきたの」
すると、老婦人が慌てて駆け寄り、女の子を抱きよせてひれ伏した。
「申し訳ございません皇帝陛下様、私が目を離したばかりに……! どうか、この子だけはお赦しを……!」
「よい。まだ幼い子どもだ。立ってくれ」
老婦人の手を取って立たせると、クロヴィスは再び膝をついて女の子に話しかけた。
「祖母とお見舞いに来たのか? えらいな」
「いえ、わたしたちは孤児院の者なんです。この子の父親は……もう長くないかと」
老婦人の静かな言葉には、重い沈黙が流れた。
わかっていない女の子だけが、無邪気に訊いた。
「ねぇせんせ、このやさしいおにいさん、ほんとに王様?」
「そうですよ。だから失礼のないようにし――」
「ほんとに王様? だって戦いが好きな王様って聞いたよ?」
「こらっ!」
「いい」
蒼白となる老婦人に笑みを浮かべて、クロヴィスは首を振った。
「戦いは終わった。俺はこれからは与える王になる」
そう言うと、付き添いの兵が持っていた籠からパンをひとつ取り、手品のように子どもの袖から取り出してみせた。
「ほら、最初の贈り物だ」
「わーっ! ありがとう!」
さっそくパンを頬張る女の子を見つめる目は、とても優しかった。
(この方は子どもが好きなんだわ)
パフォーマンスでもなんでもない、彼の素のままの行動に映って、エリシアはそう思った。
何より、女の子がそれを一番よくわかっているようだった。すっかり心を許して、クロヴィスに満面の笑顔を向けている。
彼は今は孤独に見えるかもしれない。
でもきっと、皆から愛され、太陽のように唯一無二に輝く存在になるだろう。
そう思うとエリシアの胸がじんと熱くなった。
「じゃあね、つぎはお父ちゃんにもちょうだい。いたいのなおるおくすりがほしいの」
「薬……?」
「やけどいっぱいしててね、いたくてねむれないの」
困ったようにクロヴィスは付き添いの兵に視線をやった。
兵は小さく首を振る。薬の不足が今の国全体の問題だった。
「あの、陛下……よろしいでしょうか」
エリシアが彼の背後からそっと進み出た。
微かに驚いた様子のクロヴィスが小さくうなずいた。
「輿入れ前に作ったものなのですが、これはいかがでしょう」
エリシアは持っていた籠から小さな瓶を取り出した。
中には煮詰めて潰した野草が入っていた。
「傷や火傷に塗るといいんです。殺菌作用がありますし、香りにも気を落ち着かせる効果がありますから」
「……きみがこれを?」
「はい……ジャムづくりの延長ですが」
「わぁ、ありがとう、おきさきさま……!」
瓶を受け取ると、女の子はぴょんぴょんと跳ねて喜んだ。
「直接塗ってもよろしいのでしょうか?」
「ええ。もし傷がひどくて痛がる時は布に塗り付けて――」
と老婦人に説明していると、女の子がふるふると首を振った。
「だめっ。せんせい、わたしにぬるとき、いつもらんぼうだから、お父ちゃんないちゃう」
そして、エリシアのドレスの裾をぐいぐいと引っ張った。
「ねぇおきさきさまが、ぬってあげて?」
「こら! なんてことを……!」
「ねーおねがい」
なかなか大胆な子である。
しかし父親を思って必死な顔をしている幼い子を無下にはできなかった。
「陛下、よろしいでしょうか」
「なりません。衛生面は問題ないですが、男ばかりでとても皇妃様が踏み入れていい場所とは」
「よい。俺も一緒に行こう」
止める近衛兵を制して、クロヴィスが認めた。
エリシアは女の子に手を引かれ傷病兵が治療を受ける宿舎へ入った。
彼女のうしろにはクロヴィスと近衛兵が付いている。
中にいた兵たちは驚いた顔で一向を迎えた。
少女はすぐに父親を見つけ、駆け寄った。だが、躊躇って抱きつけなかった。
父親はほとんど全身を火傷に覆われ、痛みにうめいていたのだ。
治療の経験は何度かあった。
屋敷で過ごした時期、森の中で獣に襲われ供をしていた使用人が彼女をかばって怪我をする、ということが一、二度あった。
その時にエリシア自らが治療したのだが、その時の傷と今とでは比べようもなかった。
目を背けたくなるのを気丈に耐えて、エリシアは一心不乱に火傷の手当を施した。
父親は、最初はかしこまって遠慮したものの、やがて穏やかに身を任せた。
「……ありがとうございます皇妃様……。一生忘れません……」
感謝の言葉には涙がにじんでいた。
「いいのです。今の私にできるのは、これくらいなのですから」
エリシアは小さく言うと、微笑を浮かべた。
一度捧げようとしたこの命。
捨てるのは容易い。でも運命がそれを許さなかった。
ならばもっと人々に役立つための生き方をしようと思った。
戦争の傷がいまだ深く残るこの大陸には、こうして助けを必要としている民が数多にいるのだから。
「お妃さま、どうか私の手にも少しだけでも触れていただけたら……」
「もう長くはないと医師に言われました。せめてそのお姿だけでも目に焼き付けたい……」
いつの間にか、エリシアの周囲には、傷ついた兵たちが集まっていた。
彼女は一人ひとりに向き合い、丁寧に言葉をかけ、薬草の軟膏を塗り、そっと微笑んだ
訪れた時は重く沈痛としていた宿舎が朗らかで優しい雰囲気に染まった。エリシアの存在は、まるで聖女のようだった。
兵たちの表情が喜びに変わって行くのを見て、エリシアも自然と心が温かくなり、笑顔がこぼれた。
薬瓶はあっという間に空になってしまった。
まだ持ってきていたため、追加を出そうと振り返った時だった。
冷ややかな顔をしたクロヴィスと目があった。
かつてこの地は熾烈な戦の最前線だったが、今では傷ついた兵や民を癒す保養地として整備が進められつつあった。
だが、半ば崩れた石畳や焦げついた外壁の跡が、戦争の爪痕を今もなお残していた。
その石畳の上を、クロヴィスとエリシアの乗る馬車が、近衛兵に護られながら静かに進んでいく。
要塞都市の末端の兵たちは、今日のこの訪問を聞かされていなかったのだろう。
クロヴィスが姿を見せた途端、彼らは驚愕の面持ちで一斉に姿勢を正し、敬礼した。
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それは、たがいの間に信頼があるからこそのやりとりだと、エリシアは胸を打たれた。
エルヴァランがヴァルハイムにまったく太刀打ちできなかった理由が分かった気がした。
だが、そんな兵たちの敬意に応えるクロヴィスの横顔は、次第に険しさを帯びていった。
「……この地での戦が、最も長く、最も苛烈だった」
負傷兵用宿舎に向かいながら、ふいに彼が呟いた。
その声には、懺悔ともつかない重みがあった。
「俺の命令で、あの谷へ何千という兵を送り込んだ。……戻った者は三分の一にも満たない」
彼の視線は、雪が残る遠くの山の稜線を見つめていた。
「……それでも、あなたはこの大陸に平和をもたらしたのです。皆、あなたを英雄と讃えています」
エリシアが慎重に言葉を選んで口にした。
クロヴィスは彼女を見やった。
「君の国の民も、そう思っているか?」
返答に詰まったエリシアを見て、彼は小さく笑みを浮かべた。
「俺はただの人殺しだ。英雄と呼ばれるたびに、背中に死者の視線を感じる」
自嘲を混じえた言葉だった。
エリシアが返す言葉を探していたその時だった。
「わぁ!」
クロヴィスの足元に何かが当たって転がった。
ちいさな女の子が、びっくりした顔をして彼を見上げる。視線が合うと、ぎょっとして泣きそうな顔になった。
クロヴィスは膝をつくと優しい声色で話しかけた。
「どうした、ひとりか?」
「……ううん、せんせいといっしょ。お父ちゃんのおみまいにきたの」
すると、老婦人が慌てて駆け寄り、女の子を抱きよせてひれ伏した。
「申し訳ございません皇帝陛下様、私が目を離したばかりに……! どうか、この子だけはお赦しを……!」
「よい。まだ幼い子どもだ。立ってくれ」
老婦人の手を取って立たせると、クロヴィスは再び膝をついて女の子に話しかけた。
「祖母とお見舞いに来たのか? えらいな」
「いえ、わたしたちは孤児院の者なんです。この子の父親は……もう長くないかと」
老婦人の静かな言葉には、重い沈黙が流れた。
わかっていない女の子だけが、無邪気に訊いた。
「ねぇせんせ、このやさしいおにいさん、ほんとに王様?」
「そうですよ。だから失礼のないようにし――」
「ほんとに王様? だって戦いが好きな王様って聞いたよ?」
「こらっ!」
「いい」
蒼白となる老婦人に笑みを浮かべて、クロヴィスは首を振った。
「戦いは終わった。俺はこれからは与える王になる」
そう言うと、付き添いの兵が持っていた籠からパンをひとつ取り、手品のように子どもの袖から取り出してみせた。
「ほら、最初の贈り物だ」
「わーっ! ありがとう!」
さっそくパンを頬張る女の子を見つめる目は、とても優しかった。
(この方は子どもが好きなんだわ)
パフォーマンスでもなんでもない、彼の素のままの行動に映って、エリシアはそう思った。
何より、女の子がそれを一番よくわかっているようだった。すっかり心を許して、クロヴィスに満面の笑顔を向けている。
彼は今は孤独に見えるかもしれない。
でもきっと、皆から愛され、太陽のように唯一無二に輝く存在になるだろう。
そう思うとエリシアの胸がじんと熱くなった。
「じゃあね、つぎはお父ちゃんにもちょうだい。いたいのなおるおくすりがほしいの」
「薬……?」
「やけどいっぱいしててね、いたくてねむれないの」
困ったようにクロヴィスは付き添いの兵に視線をやった。
兵は小さく首を振る。薬の不足が今の国全体の問題だった。
「あの、陛下……よろしいでしょうか」
エリシアが彼の背後からそっと進み出た。
微かに驚いた様子のクロヴィスが小さくうなずいた。
「輿入れ前に作ったものなのですが、これはいかがでしょう」
エリシアは持っていた籠から小さな瓶を取り出した。
中には煮詰めて潰した野草が入っていた。
「傷や火傷に塗るといいんです。殺菌作用がありますし、香りにも気を落ち着かせる効果がありますから」
「……きみがこれを?」
「はい……ジャムづくりの延長ですが」
「わぁ、ありがとう、おきさきさま……!」
瓶を受け取ると、女の子はぴょんぴょんと跳ねて喜んだ。
「直接塗ってもよろしいのでしょうか?」
「ええ。もし傷がひどくて痛がる時は布に塗り付けて――」
と老婦人に説明していると、女の子がふるふると首を振った。
「だめっ。せんせい、わたしにぬるとき、いつもらんぼうだから、お父ちゃんないちゃう」
そして、エリシアのドレスの裾をぐいぐいと引っ張った。
「ねぇおきさきさまが、ぬってあげて?」
「こら! なんてことを……!」
「ねーおねがい」
なかなか大胆な子である。
しかし父親を思って必死な顔をしている幼い子を無下にはできなかった。
「陛下、よろしいでしょうか」
「なりません。衛生面は問題ないですが、男ばかりでとても皇妃様が踏み入れていい場所とは」
「よい。俺も一緒に行こう」
止める近衛兵を制して、クロヴィスが認めた。
エリシアは女の子に手を引かれ傷病兵が治療を受ける宿舎へ入った。
彼女のうしろにはクロヴィスと近衛兵が付いている。
中にいた兵たちは驚いた顔で一向を迎えた。
少女はすぐに父親を見つけ、駆け寄った。だが、躊躇って抱きつけなかった。
父親はほとんど全身を火傷に覆われ、痛みにうめいていたのだ。
治療の経験は何度かあった。
屋敷で過ごした時期、森の中で獣に襲われ供をしていた使用人が彼女をかばって怪我をする、ということが一、二度あった。
その時にエリシア自らが治療したのだが、その時の傷と今とでは比べようもなかった。
目を背けたくなるのを気丈に耐えて、エリシアは一心不乱に火傷の手当を施した。
父親は、最初はかしこまって遠慮したものの、やがて穏やかに身を任せた。
「……ありがとうございます皇妃様……。一生忘れません……」
感謝の言葉には涙がにじんでいた。
「いいのです。今の私にできるのは、これくらいなのですから」
エリシアは小さく言うと、微笑を浮かべた。
一度捧げようとしたこの命。
捨てるのは容易い。でも運命がそれを許さなかった。
ならばもっと人々に役立つための生き方をしようと思った。
戦争の傷がいまだ深く残るこの大陸には、こうして助けを必要としている民が数多にいるのだから。
「お妃さま、どうか私の手にも少しだけでも触れていただけたら……」
「もう長くはないと医師に言われました。せめてそのお姿だけでも目に焼き付けたい……」
いつの間にか、エリシアの周囲には、傷ついた兵たちが集まっていた。
彼女は一人ひとりに向き合い、丁寧に言葉をかけ、薬草の軟膏を塗り、そっと微笑んだ
訪れた時は重く沈痛としていた宿舎が朗らかで優しい雰囲気に染まった。エリシアの存在は、まるで聖女のようだった。
兵たちの表情が喜びに変わって行くのを見て、エリシアも自然と心が温かくなり、笑顔がこぼれた。
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