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第3章…ご褒美

マッサージしてもらう

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 ご褒美の正体はマッサージだった。
どんなマッサージをするのかは、受けてみてのお楽しみと言われてオレは死ぬほど楽しみだ。

オレはイスに座り、背後に美希が立つ。
ずっとドキドキしていたが今ドキドキの最高潮に達しようとしていた。この鼓動、美希にも伝わってしまうのではないかと思うくらい心臓の音がうるさかった。


「それではまずは肩からマッサージしていきますね。野球する人には肩はとても大事ですからね」

「そ、そうだな、肩は大事だ。ピッチャーは特に」


美希の両手がオレの肩にそっと置かれた。
好きな女の子の手が肩に触れたくらいで歓喜に打ち震えるオレはチョロすぎというか弱すぎというか。とにかく情けないな。


「では始めます。力を抜いてリラックスしてくださいね」

必死に力を抜こうとするけど美希が可愛すぎて緊張でガチガチで、解ける気がしない。

そんなオレを見て美希はクスッと微笑んで、肩のマッサージが開始された。


モミモミ
モミモミ……

美希のしなやかな手が優しくオレの肩を揉む。
手の動きは優しいけど力は弱すぎず、そして強すぎない絶妙な加減で肩をじっくりと揉まれていく。


「っ……! うおっ……!!」

ついマヌケな声を出してしまった。恥ずかしい。
無意識に声を出してしまうほど、美希のマッサージはとても上手で気持ちいい。

「かなり凝ってますね……いっぱい解してさしあげますからね」

「っ……」

ああ、いい……かなりいい。すげぇ気持ちいい。自信があると言ってたけどその言葉の通りすごく上手い。
解ける気がしなかった緊張があっさりと解かれてスーッと力も抜けて極上の癒しの世界に誘われる。
練習や試合で疲れ切った肉体も心も、優しく癒してくれる……


―――スッ

「どうですか? 気持ちいいですか……?」

「―――ッ!?!?!?」


耳元でそっと囁かれて、オレの脳は快楽の雷に打たれて痺れる。

あああ……! 近い……! 近い近い!!
オレの耳に、美希が唇を寄せてきている。今振り向いたら、触れ合いそうなくらい美希がすぐ近くにいる。


「竜先輩? どうかしました?」

「っ、い、いや、なんでもない! 気持ちいい……気持ちいいぞ、桐生……!」

「クスッ、それはよかったです」

艶かしい美希の微笑。なんという色気だ。そして声もめちゃくちゃ可愛い。耳が、脳髄が蕩ける。

聴覚だけじゃない、嗅覚も蕩ける。美希の匂い、すごくいい匂い……
美希のゆるふわな髪が、オレの首を、肩を優しく撫でる。髪のいい匂いがオレの鼻を甘くくすぐる。
なんで女の子ってこんなにいい匂いがするんだ。どんなシャンプー使ってるんだろう……シャンプーとか関係なくいい匂いすると思うけど。オレと同じ生き物とは思えない。

距離もめっちゃ近いから、美希の甘い吐息も肌で感じる……
ああ、ゾクゾクしてくる。美希の吐息といい匂いで股間がドクンッと反応する。

ヤバイ、勃ちそうだ。美希がそばにいるとすぐ勃ちそうになるから困る。
やめろ、勃つなよ……空気読んでくれ。今は癒しの時間なんだ、ピンクの時間じゃない。
落ち着け、股間に意識が行ってるからダメなんだ。今は肩をマッサージしてもらってるんだから肩に意識を集中すべきだ。


…………
ッ……!?

いや待て、さっきからずっと背中に柔らかい感触が……

これは、人生でまだ一度も味わったことがない感触だ。しかし男の本能で何の感触かわかる。夢と希望に満ち溢れた感触だってハッキリとわかる。

これはもしかして、いやもしかしなくても、美希の胸の感触だ。

当たっている。美希の豊満な乳房がオレの背中に当たってむにゅっと変形して押し潰されている。

後ろからオレの肩を揉みながら前に傾いてオレの耳に顔を近づけているんだ。当然押し当てられる。美希のようにでかい乳ならなおさら。

しかも美希は薄着だ。うっすらとブラジャーが透けてるTシャツ姿だ。だから大きくて柔らかくて張りがあって形も良いのがほぼ正確に背中に伝わってきている。反射的に背中に全神経が集中して敏感になる。


「ここが特に凝ってますね……しっかりと揉み解していきますね」

むにっ、むにゅっ

「~~~ッ!!!!!!」

わざと当てているわけではなさそうだ。オレの肩を揉むのに集中して胸が当たってることに気づいてない。美希は真面目だけどなんかこう抜けてるところがあるんだよな。


「あのっ……桐生……」

「どうかしました? 痛かったですか?」

むにゅ

「っ! い、いや、痛くはないけど……その、いやごめん、なんでもない……」

「? 何かあったら気兼ねなく言ってくださいね」

ダメだ、言えない。胸が当たってるなんてチキンなオレには言えない……言ったら無駄に美希に恥をかかせてしまいそうで……当たってるのに気づかないフリをしてなんとかやりすごした方がいいだろうか……


あっ……まずい。
美希の乳の感触を自覚してしまった瞬間、気づいた時にはもうすでに完全に勃起してしまっていた。

勃たないように堪える猶予すら与えられなかった。オレがおっぱい星人なのは否定できないがここまで強く反応するもんなのか。恥ずかしい。

マッサージしてもらってる時に勃起したなんて美希にバレるわけにはいかない。オレは膨らんだ股間を隠すようにゆっくりと少しずつ前かがみになっていく。

すると美希も自然に前かがみになっていってまたむにゅっと乳房が押し潰された。


ああああああ!!!!!!
ヤバイヤバイ! もういろんな意味で爆発しそうなくらいヤバイ!!


「あ、ここもだいぶ硬くなってますね」

ドキッ!!

いや落ち着け、肩の筋肉の話だ。股間のことを言われたのかと思って心臓が跳ねてしまったぞ。大丈夫だ、間違いなく股間の話じゃない。股間の方はだいぶじゃなくて極限の限界まで硬くなってるから。

美希のマッサージ、とても上手で気持ちいいはずなのに、オレの頭はおっぱいでいっぱいになっていた。せっかくマッサージしてもらってるのに失礼だろと思ったがこればっかりはどうにもならない。

間違いなく極上のマッサージなのにじっくり集中できないのはもったいない気もするが、どんなことでも美希のおっぱいには勝てないんだ。



―――



 「―――はい、これで肩のマッサージは終わりです。竜先輩、私のマッサージはどうでしたか?」

「……あ、ああ……よかった……すごく気持ちよかった……」

「ホントですか!? それはよかったです~」

満面の天使の笑顔を見せてくれた美希。世界を支配できるんじゃないかっていうくらい可愛い。

お世辞抜きで文句のつけようがない最高のマッサージだった。めちゃくちゃ肩がスッキリして疲れが吹っ飛んだ。さっき試合で投げたばかりなのに今すぐにでも何百球でも投げられそうな気分だよ。

ただ、股間が……股間の方がガチガチのギンギンで、もう自然に治るなんてことは絶対にないと言い切れるレベルで溜まりに溜まりまくっていた。

ヤバイ、超ムラムラする……美希はブラが透けてるしミニスカートでピチピチの太ももが眩しいしで誘惑が強すぎる。今すぐにでも美希を押し倒したくなる衝動を必死で堪える。


「では次のマッサージを始めますね」

「えっ!? まだやってくれるのか!?」

「当然ですよ、ご褒美なんだから肩だけで終わるわけないじゃないですか。フルコースのマッサージ頑張ります。でも竜先輩がもういいと言うのならもちろんそれに従いますが……」

「いや、ぜひお願いします!」

「ふふっ、かしこまりました」


股間がもうこれ以上我慢できる気がしないのだが、美希のマッサージをまだ受けられると聞いて心の底から幸せいっぱいだ。
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