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26 具体的な将来
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-26- 藍染
鍋の中で溶けたルウ。火にかけて混ぜる。
バゲットを斜めに切ってカリカリに焼いた。あちち、とムラサキが焼けたパンを皿に取る。
「箸使えば」
火傷しないように。ムラサキは思ってもみなかったように「ああ」と呟いた。
サラダでもあるほうが良いんだろうけど、一玉のレタスは多いしパックのミニトマトも多いから買わなかった。
他に何に使えるかわからない初心者たちには、多いものは向いてない。
「優弥くん。さっき、乱暴にしてごめんなさい」
ふつふつと沸いてきた鍋を焦げないように底から回す。
「ん?」
テーブルにパンを持って行ったムラサキが、隣に立ち少し俯きがちにそう言った。
「もしすることがあるなら……ゆっくり、ちゃんとゆっくり優しくって思ってたのに」
さっき。行為中、ムラサキは確かに少し冷静さを失っていた。
彼が今までのように冷静であったなら、きっと一度にすべて押し入ろうとは思わなかっただろう。これまでに一週間の時間をかけたように。
でも別にそれが酷いとか珍しいだとかは思わない。俺の家に押しかけて告白された時だって同じようなものだった。それに今は合意なのだし。
告白の時だって、俺が嫌だったのは自分が喜んでしまっていることだった。
離れようと思っていたから、彼が来たことに驚いたし、それを喜び自分がまた離れがたくなるのがしんどいって思った。わざわざ来てくれたということに喜んでしまえば、離れるなんて選択肢取れなくなる。
触られるのが気持ちよくて自分を求める声が嬉しくて。でもそれは恋人の役目だと思ってたから、自分が喜ぶのはダメだって思ってた。
気持ちよさだけを取って性欲処理だと割り切っても良かったけど、それは八重垣の言う、他人から見ての『可哀想』に当てはまってしまう。自分では可哀想と思わなくても、やっぱり客観的に見たら可哀想なのだ。
自分主義を捨てるわけではないけども、数少ない友人を捨ててまで可哀想の道を選ぶ気はなかった。
「まぁ、痛いのは嫌だけど」
そこは肯定できないけど。
「嫌だったら嫌だっていうし、俺はか弱い女の子でもないからお前を蹴飛ばすことも殴って逃げることもできるから」
どうしてもダメならと彼も言った。どうしても嫌なら俺だってどうにだってできる。
だから、なんといえばいいのか。気にするなというのか、うーん。
「とにかく、平気だってこと」
凄く鍛えているってわけでもないし力に自信がありますとも言わないけど、本気で拒否して逃げようと思えば出来ると思う。
告白されたあの日だって、ムラサキに強く痛いほど腕を掴まれたけど、それを俺は許したんだ。あいつの髪を引っ張ったり引っかいたり舌を噛み切ってやろうとか、できなくはなかったと思うから。
あの日俺は掴まれて、強引に触ってくるムラサキにドキドキしていた。
だからあの時彼が「好き」だと言ってくれなかったら、本当に『可哀想』な存在に俺は落ちていた気がする。
ムラサキの腹をぺしぺし叩き、皿出してと要求した。
大きなスプーンとシチューを入れる皿。
火を止めて掬う。
「とりあえず食おう。腹減った」
「そーいやさぁ、俺がここにいる間ジム行ってなくない?」
この一週間完全に俺と一緒に日々を過ごしているムラサキが一人で出かけたことは無い。
彼はぶすっとした顔で当然だとでもいうように言う。
「優弥くんがいるのになんでそんなところに行かなきゃいけないんですか」
「だってバイト代に入ってるって」
「じゃあバイト辞めます」
それは困るだろう。篠原さんが。
「俺家でゲームしたり掃除したりしてるから行けば?」
えー、と子供っぽく文句を言われる。全く乗り気じゃないようだ。
「お前が鍛えてるのカッコいいと思うし」
「……じゃあ、優弥くんがいる時はすぐ行ってすぐ帰ってきます」
たっぷり考えてから不貞腐れたように予定を決めた。
「一緒に暮らし始めたらどーすんだよ。週二とかで行ってたんだろ?」
ムラサキはスプーンをシチューに浸したまま、うーんと悩みこんだ。
いたって普通の馴染みのある味。衝撃的に美味しいわけでもなく不味いわけでもない家の味。カリカリパンを齧れば、シチューの上にパンくずが落ちた。
「今はずっといるけど、冬休み開けたら俺だってずっといるわけじゃないんだし」
「なるべく早く帰ってきてください」
「まぁ、そうするけどさ」
食い気味に頼まれ承諾する。
「年末年始やってるか調べてないので今はお休みということにして、今後は優弥くんと会えない時間にジムに行くことにします」
そんなことできるだろうか。時間を合わせてみないとわかんないけども。
「一緒に暮らすこと、前向きに考えてくれるようになったんですね」
嬉しそうに言われた。
「うーん。そうかな」
実際じゃあ何月何日にってなるとまた混乱しそうな気もするけど、今は何となく絶対そうなるって思っている。具体性はまだ何もないのに予感だけはするんだ。
引っ越しのことを考えた。
うちから何を持ってくるか、何を捨てるか。
春になれば進学や就職で引っ越しも増えてしまうから、引っ越し屋さんを頼むなら今のうちがいい。一緒のベッドで寝て欲しいって言われてるけど、もし俺がインフルエンザとかに罹ったら違うところにいたほうがいいし、ベッドは持ってくるだろう。となると必然頼むことになるから、やっぱり早い方がいいよな。
俺は免許を持っていない。だから自分で運ぶっていう選択肢はない。ムラサキもそういうことを言わないのなら同じなんだろう。こいつは出来ること全部自分でやりそうだし。
何に引っかかってるんだ、この期に及んで。――多分何にも引っかかってない。
あるとすれば環境変化への怯えくらいだ。
新しい対人ゲームを始めたとき、最初ぼろくそに負ける。負けるだけならいいけどほんっとにクソだなって自分に思うくらいどうにもならなかったりする。
慣れてなさが8割だと思うけど、その段階で慣れるまで続けようってなるか距離を置いてしまうかはその時々。
環境変化で鬱になる人もいるっていうし、それが自分に当てはまると言ってるわけではないけどやっぱり大きな出来事の一つだ。
ただの引っ越しってだけではない、他人と暮らしていくということ。
やってみなきゃわからない。
この一週間平気だということに安心感を持っているけど、二週間目、一ヶ月、一年はわからない。
やって見なきゃわからない。
人を好きになって触れ合いたいと思っても、一緒に住むなんて考えもしなかった。
それは彼女がいたのが高校生の時だったっていうのもあるけど、そこまで全部自分を見せようなんて思わなかった。
思えばムラサキとあのようにしてセックスすることは、俺の中にある見えない境界線も取っ払ったのかもしれない。
見せない部分は無意識に恥ずかしいと思ってるところだ。カッコ悪いって思ってるところだ。人にばかにされることを恐れているところだ。
それを自分からもきっと見えないように隠してる。
そこまで露わにされたとは思ってないけど、ムラサキの前で『ちゃんとしていないといけない』って意識は、もう無い。
短い間に悩んで、考えて、思って、自分の中ではとてつもなく世界が変わるほど重大なことのようにぐるぐると脳みそと心でこねくり回したりしているのに、ムラサキがすぐにそれを取り出して終了させてしまう。
俺はまた、一緒に暮らすことについて唸りを上げているけど、やってみればきっとムラサキが「なーんだ」ってどうでもいいことのようにしてくれる。
俺には彼に対するそういう甘えが生まれていた。
だからやってみる。
やってみよう。
「引っ越しの見積もり、今度頼んでみる。一緒来る?」
具体性を持とう。
現実の話をしよう。
ムラサキは嬉しそうに頷いた。
「その前に何があるのかリストアップして、整理しましょうか。家具とか家電とかわかる範囲で」
「ああ、それのがいいかも」
今家にあるもので要らないものは何だろうか。あるだろうか。
きっと処分してしまえばもう後戻りはできない。
「ちょっと、心配だし不安ある」
「僕に解決できることならしますから、悩む前に言ってくださいね」
家にあるものをリストアップして、そうして彼に話してしまおう。
何も不安が浮かばなくなるまで話してしまおう。
急いではいない。期限がある仕事ではない。だから春になっても夏になっても大丈夫。
その途中で彼との関係が切れるならそれまでだし、きっとそうはならない。
鍋の中で溶けたルウ。火にかけて混ぜる。
バゲットを斜めに切ってカリカリに焼いた。あちち、とムラサキが焼けたパンを皿に取る。
「箸使えば」
火傷しないように。ムラサキは思ってもみなかったように「ああ」と呟いた。
サラダでもあるほうが良いんだろうけど、一玉のレタスは多いしパックのミニトマトも多いから買わなかった。
他に何に使えるかわからない初心者たちには、多いものは向いてない。
「優弥くん。さっき、乱暴にしてごめんなさい」
ふつふつと沸いてきた鍋を焦げないように底から回す。
「ん?」
テーブルにパンを持って行ったムラサキが、隣に立ち少し俯きがちにそう言った。
「もしすることがあるなら……ゆっくり、ちゃんとゆっくり優しくって思ってたのに」
さっき。行為中、ムラサキは確かに少し冷静さを失っていた。
彼が今までのように冷静であったなら、きっと一度にすべて押し入ろうとは思わなかっただろう。これまでに一週間の時間をかけたように。
でも別にそれが酷いとか珍しいだとかは思わない。俺の家に押しかけて告白された時だって同じようなものだった。それに今は合意なのだし。
告白の時だって、俺が嫌だったのは自分が喜んでしまっていることだった。
離れようと思っていたから、彼が来たことに驚いたし、それを喜び自分がまた離れがたくなるのがしんどいって思った。わざわざ来てくれたということに喜んでしまえば、離れるなんて選択肢取れなくなる。
触られるのが気持ちよくて自分を求める声が嬉しくて。でもそれは恋人の役目だと思ってたから、自分が喜ぶのはダメだって思ってた。
気持ちよさだけを取って性欲処理だと割り切っても良かったけど、それは八重垣の言う、他人から見ての『可哀想』に当てはまってしまう。自分では可哀想と思わなくても、やっぱり客観的に見たら可哀想なのだ。
自分主義を捨てるわけではないけども、数少ない友人を捨ててまで可哀想の道を選ぶ気はなかった。
「まぁ、痛いのは嫌だけど」
そこは肯定できないけど。
「嫌だったら嫌だっていうし、俺はか弱い女の子でもないからお前を蹴飛ばすことも殴って逃げることもできるから」
どうしてもダメならと彼も言った。どうしても嫌なら俺だってどうにだってできる。
だから、なんといえばいいのか。気にするなというのか、うーん。
「とにかく、平気だってこと」
凄く鍛えているってわけでもないし力に自信がありますとも言わないけど、本気で拒否して逃げようと思えば出来ると思う。
告白されたあの日だって、ムラサキに強く痛いほど腕を掴まれたけど、それを俺は許したんだ。あいつの髪を引っ張ったり引っかいたり舌を噛み切ってやろうとか、できなくはなかったと思うから。
あの日俺は掴まれて、強引に触ってくるムラサキにドキドキしていた。
だからあの時彼が「好き」だと言ってくれなかったら、本当に『可哀想』な存在に俺は落ちていた気がする。
ムラサキの腹をぺしぺし叩き、皿出してと要求した。
大きなスプーンとシチューを入れる皿。
火を止めて掬う。
「とりあえず食おう。腹減った」
「そーいやさぁ、俺がここにいる間ジム行ってなくない?」
この一週間完全に俺と一緒に日々を過ごしているムラサキが一人で出かけたことは無い。
彼はぶすっとした顔で当然だとでもいうように言う。
「優弥くんがいるのになんでそんなところに行かなきゃいけないんですか」
「だってバイト代に入ってるって」
「じゃあバイト辞めます」
それは困るだろう。篠原さんが。
「俺家でゲームしたり掃除したりしてるから行けば?」
えー、と子供っぽく文句を言われる。全く乗り気じゃないようだ。
「お前が鍛えてるのカッコいいと思うし」
「……じゃあ、優弥くんがいる時はすぐ行ってすぐ帰ってきます」
たっぷり考えてから不貞腐れたように予定を決めた。
「一緒に暮らし始めたらどーすんだよ。週二とかで行ってたんだろ?」
ムラサキはスプーンをシチューに浸したまま、うーんと悩みこんだ。
いたって普通の馴染みのある味。衝撃的に美味しいわけでもなく不味いわけでもない家の味。カリカリパンを齧れば、シチューの上にパンくずが落ちた。
「今はずっといるけど、冬休み開けたら俺だってずっといるわけじゃないんだし」
「なるべく早く帰ってきてください」
「まぁ、そうするけどさ」
食い気味に頼まれ承諾する。
「年末年始やってるか調べてないので今はお休みということにして、今後は優弥くんと会えない時間にジムに行くことにします」
そんなことできるだろうか。時間を合わせてみないとわかんないけども。
「一緒に暮らすこと、前向きに考えてくれるようになったんですね」
嬉しそうに言われた。
「うーん。そうかな」
実際じゃあ何月何日にってなるとまた混乱しそうな気もするけど、今は何となく絶対そうなるって思っている。具体性はまだ何もないのに予感だけはするんだ。
引っ越しのことを考えた。
うちから何を持ってくるか、何を捨てるか。
春になれば進学や就職で引っ越しも増えてしまうから、引っ越し屋さんを頼むなら今のうちがいい。一緒のベッドで寝て欲しいって言われてるけど、もし俺がインフルエンザとかに罹ったら違うところにいたほうがいいし、ベッドは持ってくるだろう。となると必然頼むことになるから、やっぱり早い方がいいよな。
俺は免許を持っていない。だから自分で運ぶっていう選択肢はない。ムラサキもそういうことを言わないのなら同じなんだろう。こいつは出来ること全部自分でやりそうだし。
何に引っかかってるんだ、この期に及んで。――多分何にも引っかかってない。
あるとすれば環境変化への怯えくらいだ。
新しい対人ゲームを始めたとき、最初ぼろくそに負ける。負けるだけならいいけどほんっとにクソだなって自分に思うくらいどうにもならなかったりする。
慣れてなさが8割だと思うけど、その段階で慣れるまで続けようってなるか距離を置いてしまうかはその時々。
環境変化で鬱になる人もいるっていうし、それが自分に当てはまると言ってるわけではないけどやっぱり大きな出来事の一つだ。
ただの引っ越しってだけではない、他人と暮らしていくということ。
やってみなきゃわからない。
この一週間平気だということに安心感を持っているけど、二週間目、一ヶ月、一年はわからない。
やって見なきゃわからない。
人を好きになって触れ合いたいと思っても、一緒に住むなんて考えもしなかった。
それは彼女がいたのが高校生の時だったっていうのもあるけど、そこまで全部自分を見せようなんて思わなかった。
思えばムラサキとあのようにしてセックスすることは、俺の中にある見えない境界線も取っ払ったのかもしれない。
見せない部分は無意識に恥ずかしいと思ってるところだ。カッコ悪いって思ってるところだ。人にばかにされることを恐れているところだ。
それを自分からもきっと見えないように隠してる。
そこまで露わにされたとは思ってないけど、ムラサキの前で『ちゃんとしていないといけない』って意識は、もう無い。
短い間に悩んで、考えて、思って、自分の中ではとてつもなく世界が変わるほど重大なことのようにぐるぐると脳みそと心でこねくり回したりしているのに、ムラサキがすぐにそれを取り出して終了させてしまう。
俺はまた、一緒に暮らすことについて唸りを上げているけど、やってみればきっとムラサキが「なーんだ」ってどうでもいいことのようにしてくれる。
俺には彼に対するそういう甘えが生まれていた。
だからやってみる。
やってみよう。
「引っ越しの見積もり、今度頼んでみる。一緒来る?」
具体性を持とう。
現実の話をしよう。
ムラサキは嬉しそうに頷いた。
「その前に何があるのかリストアップして、整理しましょうか。家具とか家電とかわかる範囲で」
「ああ、それのがいいかも」
今家にあるもので要らないものは何だろうか。あるだろうか。
きっと処分してしまえばもう後戻りはできない。
「ちょっと、心配だし不安ある」
「僕に解決できることならしますから、悩む前に言ってくださいね」
家にあるものをリストアップして、そうして彼に話してしまおう。
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