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第一章 宮田颯の話
1-13 嗤われる
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頼まれたプリントをひたすらにコピーする。
紙が無くなればただ補充するだけの仕事。
「ここに居るなよ」
上条が来た途端に窓を少し開けはしたが、全開にしてしまえば紙が飛ぶ。
「窓開けてくれたのに」
「自己防衛」
発情期でなくとも、どうしたって身体が反応する。
ずっと匂いを嗅いでいれば理性が溶けていくのがわかる。
これが学校でなければ、人目が無ければ、もっと近づきたいと今まさに思っている程度には。
先生に借りた指サックを使い、コピーが終わったものを指を切らないようにしながら確認をする。
枚数は機械任せだから大丈夫だし、汚れやズレが無いか程度のものだ。
「楽しみだなぁ」
開け放たれたドアぎりぎりに立つ上条は、少し先の文化祭のことを考えているようだった。
「どっかの部活の手伝いでもすれば?」
「手伝わせてもらえるかな」
「文化祭委員の仕事でも良いけど……」
一緒にゴミ捨てを担当すると言った上条を連れ集会に行ったが、どの学年からも奇異の目で見られた。当たり前だ。アルファなんてこの学校にいるわけが無いから。
こいつが来た当日に噂は回り、他の学年からも覗きに来たようだが全員ではない。だから委員会で初めてこいつを見た人は一様に驚いたし、それが自分も参加したいというのだから一歩引きもした。
「もう少しすれば飾り付けが始まるから、それなら皆と出来るよ」
皆とわやわやしている分にはどうにでもなるだろう。
「隣にいてもいい?」
「離れておくって選択肢は?」
「無いかな」
「あのさぁ」
トントン、とプリントを束ねる。
新しい紙を入れたコピー機は再び動き出した。
「学校は勉強するところじゃん?」
まじめに勉強しているつもりもないが、距離を取るための優しい嘘だ。
「この学校には君だけを探しに来たから」
酷い答えが返ってきた。
やはりこの学校程度の勉強は不要だと言いたいわけだ。
「学校じゃなければいい? 帰り道なら許してくれるもんね」
「まぁ」
日暮にだって何も伝えていない。こいつが運命の番を探しに来ただとか、その相手が俺だとか。
今まで恋人の一つもいなかったんだ。それがただの好きとか恋人だとか飛び越して運命だなんて、誰が友人に言えようか。
自分の心は浮ついているし、人目が無ければこっちから触れたいとも思うけど、思うけどさぁ。
アルファとオメガのカップルならそこらで引っ付いていても自然なのだろうか。見たことが無いからわからない。ベータ同士のカップルだって校内にいるだろうが、いちゃついてるのを見かけてはいない。皆わきまえている。
「あのさ」
発情期が来る前にうちに来ないか、と言おうかと思った。
でもはっきりしたセックスの誘いを口にするのが少し恥ずかしかった。
上条はきちんと俺と距離を保ちドアのところにいる。呼びつけるのも本末転倒だ。
「なんでもない」
「ここでは言えない?」
「言わない」
上条は少し黙り、分かった、と言った。
部屋を出てから上条が部屋に入り、窓を閉め、コピーし終わったプリントを持ってきてくれる。
少し離れて歩く職員室までの廊下。
演劇部の発声練習や、文化祭に向けて何かを作っている音がガンガン響く。
文化祭数日前になれば授業もなくなり、使われる教室にそれぞれ部活が移動してくる。
俺は部活をしていないが、オメガだからではない。
ベータでもオメガでも、どこの部にでも入部できる。
でもオメガは発情期で体調を崩すことが多いし、運動部に入ったところでレギュラーになれることはまずない。ただ趣味の延長のように参加している人はいる。
たしか隣のクラスの男オメガなんかは、野球を見るのもやるのも好きだと野球部に入っていたはず。
家庭科部という名前のお菓子作り部は体調問題があまり関係ないせいか、複数のオメガが在籍しているらしい。
子を孕み育てる事に特化したようなオメガは"家にいるもの"として扱われることが多く、将来の為の花嫁修業的なところもあるのかもしれない。
発情期さえなければ、ベータとオメガに大した差はない。
こうしてぺたぺたと廊下を歩いているのがオメガだろうとベータだろうと何も差なんてない。
でも俺は何となく後ろに気配を感じるアルファのことを心地いいと思っていて、その心地よさを感じられるのは俺がオメガだからなんだろう。
ベータからしたらアルファは尊敬や理想相手ではあるが、フェロモンだとかの感覚的なものはさっぱりわからないらしい。
オメガなんかじゃなければよかったと常々思って生きてきたのに、少しだけ、オメガでよかったと思い始めている自分がいた。
「ここなら言える?」
上条を迎えに来た車の中。閉じられたドア、閉じられた音。
「あの、」
静かに車は走り出す。
乗っているのなんて5分程度だ、躊躇っている時間はない。
左に寄りそう奴の腕を掴み、そっと耳元に顔を寄せる。
「発情期来る前に、うち来ない?」
小さな声を聴き逃さないよう集中してくれていたその顔が、ぱっと向けられる。
「今すぐにでも」
その食い気味の承諾に、乾いた笑いを漏らす。
「今日じゃねぇよ」
「いつ?」
「いつがいいのかなぁ」
「明日は」
「そんな」
「決めて?」
「お前怖い。そういう予定を入れるかもってだけ考えといて」
「ごめんなさい」
反応は嬉しいものだったが、今日来てとはいえなかった。
こいつは何か用事があったとしてもすっ飛ばしてきそうだが、色々と不安がある。
こんな誘いをしてしまったら、セックスしたいんですと告白しているに等しい。
でも俺は経験が無いし、夕方を過ぎれば親だって帰ってくる。
自分の家が一番安心だと思うけど、親に茶化され邪魔されるのは避けたい。
でもこいつの家に行くのもなぁ。
「なぁ、お前んちはダメ?」
「勿論いいよ」
いいらしい。でもこいつの家はそれはそれで、以前危惧した問題があるしなぁ。
アルファ家系のこいつの家に行くのは怖い。身分の違いだとかを考えそうで怖い。
「っ、ん」
引き寄せられ、頬に当たる手のひら。
容赦なく口内に侵入してくる上条の舌を、抵抗しつつも受け入れた。
やることが突然すぎる。
「、ちょい」
心も体も準備していなかったわけで、車内での体勢では長くキスをされると息が続かない。
「あほかお前は」
自宅前で止まった車と共に解放される。
「申し訳ないけど、覚悟をしておいて欲しい」
「覚悟って」
笑い飛ばそうとしたけれど、真剣な瞳が射貫くように見つめてくる。
「また明日」
別れの挨拶に片手だけを上げて答えた。
運命の番に囚われ今までの生活を捨てることになるだろうアルファを、俺は「ざまぁ」と嘲笑ってやろうと思っていた。
でも、上条に対してそんなことを思えなかった。
どちらかというとやっぱり絆されてしまっているのは俺の方で、こうなってしまった今もきっとあいつはオメガを捨てられるのに、そうなったら俺は縋り泣くのだろう。
『運命だもの。大丈夫だよ』
桃はそう言って俺を安心させようとしてくれた。
『ちゃんとうまくいくよ。怖がる必要なんてないよ』
そうであってほしいと、ただ願う。
紙が無くなればただ補充するだけの仕事。
「ここに居るなよ」
上条が来た途端に窓を少し開けはしたが、全開にしてしまえば紙が飛ぶ。
「窓開けてくれたのに」
「自己防衛」
発情期でなくとも、どうしたって身体が反応する。
ずっと匂いを嗅いでいれば理性が溶けていくのがわかる。
これが学校でなければ、人目が無ければ、もっと近づきたいと今まさに思っている程度には。
先生に借りた指サックを使い、コピーが終わったものを指を切らないようにしながら確認をする。
枚数は機械任せだから大丈夫だし、汚れやズレが無いか程度のものだ。
「楽しみだなぁ」
開け放たれたドアぎりぎりに立つ上条は、少し先の文化祭のことを考えているようだった。
「どっかの部活の手伝いでもすれば?」
「手伝わせてもらえるかな」
「文化祭委員の仕事でも良いけど……」
一緒にゴミ捨てを担当すると言った上条を連れ集会に行ったが、どの学年からも奇異の目で見られた。当たり前だ。アルファなんてこの学校にいるわけが無いから。
こいつが来た当日に噂は回り、他の学年からも覗きに来たようだが全員ではない。だから委員会で初めてこいつを見た人は一様に驚いたし、それが自分も参加したいというのだから一歩引きもした。
「もう少しすれば飾り付けが始まるから、それなら皆と出来るよ」
皆とわやわやしている分にはどうにでもなるだろう。
「隣にいてもいい?」
「離れておくって選択肢は?」
「無いかな」
「あのさぁ」
トントン、とプリントを束ねる。
新しい紙を入れたコピー機は再び動き出した。
「学校は勉強するところじゃん?」
まじめに勉強しているつもりもないが、距離を取るための優しい嘘だ。
「この学校には君だけを探しに来たから」
酷い答えが返ってきた。
やはりこの学校程度の勉強は不要だと言いたいわけだ。
「学校じゃなければいい? 帰り道なら許してくれるもんね」
「まぁ」
日暮にだって何も伝えていない。こいつが運命の番を探しに来ただとか、その相手が俺だとか。
今まで恋人の一つもいなかったんだ。それがただの好きとか恋人だとか飛び越して運命だなんて、誰が友人に言えようか。
自分の心は浮ついているし、人目が無ければこっちから触れたいとも思うけど、思うけどさぁ。
アルファとオメガのカップルならそこらで引っ付いていても自然なのだろうか。見たことが無いからわからない。ベータ同士のカップルだって校内にいるだろうが、いちゃついてるのを見かけてはいない。皆わきまえている。
「あのさ」
発情期が来る前にうちに来ないか、と言おうかと思った。
でもはっきりしたセックスの誘いを口にするのが少し恥ずかしかった。
上条はきちんと俺と距離を保ちドアのところにいる。呼びつけるのも本末転倒だ。
「なんでもない」
「ここでは言えない?」
「言わない」
上条は少し黙り、分かった、と言った。
部屋を出てから上条が部屋に入り、窓を閉め、コピーし終わったプリントを持ってきてくれる。
少し離れて歩く職員室までの廊下。
演劇部の発声練習や、文化祭に向けて何かを作っている音がガンガン響く。
文化祭数日前になれば授業もなくなり、使われる教室にそれぞれ部活が移動してくる。
俺は部活をしていないが、オメガだからではない。
ベータでもオメガでも、どこの部にでも入部できる。
でもオメガは発情期で体調を崩すことが多いし、運動部に入ったところでレギュラーになれることはまずない。ただ趣味の延長のように参加している人はいる。
たしか隣のクラスの男オメガなんかは、野球を見るのもやるのも好きだと野球部に入っていたはず。
家庭科部という名前のお菓子作り部は体調問題があまり関係ないせいか、複数のオメガが在籍しているらしい。
子を孕み育てる事に特化したようなオメガは"家にいるもの"として扱われることが多く、将来の為の花嫁修業的なところもあるのかもしれない。
発情期さえなければ、ベータとオメガに大した差はない。
こうしてぺたぺたと廊下を歩いているのがオメガだろうとベータだろうと何も差なんてない。
でも俺は何となく後ろに気配を感じるアルファのことを心地いいと思っていて、その心地よさを感じられるのは俺がオメガだからなんだろう。
ベータからしたらアルファは尊敬や理想相手ではあるが、フェロモンだとかの感覚的なものはさっぱりわからないらしい。
オメガなんかじゃなければよかったと常々思って生きてきたのに、少しだけ、オメガでよかったと思い始めている自分がいた。
「ここなら言える?」
上条を迎えに来た車の中。閉じられたドア、閉じられた音。
「あの、」
静かに車は走り出す。
乗っているのなんて5分程度だ、躊躇っている時間はない。
左に寄りそう奴の腕を掴み、そっと耳元に顔を寄せる。
「発情期来る前に、うち来ない?」
小さな声を聴き逃さないよう集中してくれていたその顔が、ぱっと向けられる。
「今すぐにでも」
その食い気味の承諾に、乾いた笑いを漏らす。
「今日じゃねぇよ」
「いつ?」
「いつがいいのかなぁ」
「明日は」
「そんな」
「決めて?」
「お前怖い。そういう予定を入れるかもってだけ考えといて」
「ごめんなさい」
反応は嬉しいものだったが、今日来てとはいえなかった。
こいつは何か用事があったとしてもすっ飛ばしてきそうだが、色々と不安がある。
こんな誘いをしてしまったら、セックスしたいんですと告白しているに等しい。
でも俺は経験が無いし、夕方を過ぎれば親だって帰ってくる。
自分の家が一番安心だと思うけど、親に茶化され邪魔されるのは避けたい。
でもこいつの家に行くのもなぁ。
「なぁ、お前んちはダメ?」
「勿論いいよ」
いいらしい。でもこいつの家はそれはそれで、以前危惧した問題があるしなぁ。
アルファ家系のこいつの家に行くのは怖い。身分の違いだとかを考えそうで怖い。
「っ、ん」
引き寄せられ、頬に当たる手のひら。
容赦なく口内に侵入してくる上条の舌を、抵抗しつつも受け入れた。
やることが突然すぎる。
「、ちょい」
心も体も準備していなかったわけで、車内での体勢では長くキスをされると息が続かない。
「あほかお前は」
自宅前で止まった車と共に解放される。
「申し訳ないけど、覚悟をしておいて欲しい」
「覚悟って」
笑い飛ばそうとしたけれど、真剣な瞳が射貫くように見つめてくる。
「また明日」
別れの挨拶に片手だけを上げて答えた。
運命の番に囚われ今までの生活を捨てることになるだろうアルファを、俺は「ざまぁ」と嘲笑ってやろうと思っていた。
でも、上条に対してそんなことを思えなかった。
どちらかというとやっぱり絆されてしまっているのは俺の方で、こうなってしまった今もきっとあいつはオメガを捨てられるのに、そうなったら俺は縋り泣くのだろう。
『運命だもの。大丈夫だよ』
桃はそう言って俺を安心させようとしてくれた。
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