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この世と異世界のハザマで
感染者
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俺らの村が遠くなる。新しいまだ行った事のない町が見えてくる…。「冒険だな」俺は今起こっている事を噛みしめる。浪漫に浸っていると、「お!お!あれ見ろよ!」
と、クソギが下の方を指差す。そこには大きなジャンボジェット機が俺らのすぐ真下を通過した。竜は、おっとっと、言わんばかりにすれすれで飛行機の巨体を避ける。
「ふぅ~、危ねー…。」
俺たちはまだ、ドッキドキしていた。いつの間にか、眼下には廃れた街が広がっていた。人がぽつりぽつりと小さく見える。
「…ここか。」
竜は、空中で一旦停止した。俺らに作戦タイムを提供している感じであった。
「下にいる奴らはみ~んな、プイプイ言ってんだよな。」
「そうだろうね。」
「あ!」
突然、何かを閃いたように俺は言う。
「…耳栓だ!」
「そうか!聞こえないようにすれば良いって事か!」
二人は、突然湧いた名案に心を弾ませた。
「よ~し、ダッちゃん!急降下だ!」
クソギが、言う。俺はクソギにツッコミを入れる。
「ダッちゃん?!え?何処に居るの?」
クソギは、知らなかったの?というように
「今乗ってる竜のことなんだけど…。」
と呟く。
「え~~~~~~!!」
俺は驚く。叫ぶ。でも、理科室でクソギがウヒヒッと笑っていた事を思い出した。
そういうことか!クソギの言うバケモノっていうのは…!繋がった。
俺が、そんな考え事をしているとクソギが一生懸命にダッちゃんに命じている声が後ろから聞こえた。正確に言えば「現実に戻った」。
「おいっ!急降下だよ、降りるんだ!」
だが、彼女は言うことを聞かない。
「じ・め・ん・に・お・り・ろ~!」
クソギは、必死にダッちゃんに訴える。すると彼女は、新幹線並みの速さで飛んだ。
びょおおおおおぉぉぉぉおおお!!
風がマッハの勢いで顔に突き刺さる。俺は振り落とされないように、ダッちゃんの黄金の角を掴む。クソギも俺の肩にしがみつく。
やっと風がおさまった。俺らは、高層ビルの屋上に居た。
ダッちゃんは、二人を下ろした。ビルの屋上は太陽の光が集まっていたので猛烈に熱かった。それを察したのかダッちゃんはバリアーを張ってくれた。そして口をモゴモゴした。
むぐむぐ、ぺっ!
ダッちゃんが何かを吐き出した。唾液まみれの物体は日光に当たるとすぐにキレイになった。
「サン、グラス?」
ダッちゃんが俺らにくれたアイテムは、黒いごくごく普通のサングラスだった。
「クゥ~ン。」
…使ってみてよ、と言うかのごとくダッちゃんは鳴く。俺はサングラスをかけてみた。
「!」
サングラスの視界の先には、全身青いクソギの姿があった。
「クソギが、青い……!」
な~に言ってんだよ、と言うクソギもサングラスをかけた。
「…!カズキだって、真っ青だよ~!」
二人はビルの屋上から景色を見渡す。そこには赤く染まった人々の姿があった。ふと、クソギが呟く。
「青い人と赤い人の違いって、何だ?」
地上の赤い人は全く身動きしていない事に俺は気づいた。クソギに仮説を提示してみる。
「赤い人って病の患者…だったりして。」
「……!」
クソギは、目を見開いて頷いた。二人は急いでダッちゃんの方へ。そして、地上に降りたい、と彼女にお願いした。
「仮説」を「事実」かどうか、確かめる為に。
ダッちゃんは、ボフッと快く引き受けた。二人を背に乗せ、地上に降り立った。二人ともサングラスをかけて、せ~のッと飛び降りた。
サングラスの中の赤い人は、やはりプイプイ言っていた。
どっかの会社のビルの自動ドアが、うぃ~ん…と開いた。一人のサラリーマンの人が出てくる。彼は、眼鏡をかけていない。周囲の様子がおかしい事に気がついたのか、そのサラリーマンは、立ったままプイプイ言うお婆さんに話しかけている。…お婆さんと目を合わせてしまったようだ。サラリーマンの身体が振動し、硬直した。そして、十秒もしないうちに
「プイプイプイプイ…」
とうとう感染してしまった。
俺らは、この病の発症メカニズムを少しだけ理解した。
「目を合わせれば、感染する」
その事が解っただけでも進歩だ。俺らは、この病を「プイプイ病」と呼ぶ事にした。
雲行きが怪しくなってきた。俺らは近くの大きな建物に避難した。「町民体育館」と書かれた所で、雨をやり過ごす事にした。
と、クソギが下の方を指差す。そこには大きなジャンボジェット機が俺らのすぐ真下を通過した。竜は、おっとっと、言わんばかりにすれすれで飛行機の巨体を避ける。
「ふぅ~、危ねー…。」
俺たちはまだ、ドッキドキしていた。いつの間にか、眼下には廃れた街が広がっていた。人がぽつりぽつりと小さく見える。
「…ここか。」
竜は、空中で一旦停止した。俺らに作戦タイムを提供している感じであった。
「下にいる奴らはみ~んな、プイプイ言ってんだよな。」
「そうだろうね。」
「あ!」
突然、何かを閃いたように俺は言う。
「…耳栓だ!」
「そうか!聞こえないようにすれば良いって事か!」
二人は、突然湧いた名案に心を弾ませた。
「よ~し、ダッちゃん!急降下だ!」
クソギが、言う。俺はクソギにツッコミを入れる。
「ダッちゃん?!え?何処に居るの?」
クソギは、知らなかったの?というように
「今乗ってる竜のことなんだけど…。」
と呟く。
「え~~~~~~!!」
俺は驚く。叫ぶ。でも、理科室でクソギがウヒヒッと笑っていた事を思い出した。
そういうことか!クソギの言うバケモノっていうのは…!繋がった。
俺が、そんな考え事をしているとクソギが一生懸命にダッちゃんに命じている声が後ろから聞こえた。正確に言えば「現実に戻った」。
「おいっ!急降下だよ、降りるんだ!」
だが、彼女は言うことを聞かない。
「じ・め・ん・に・お・り・ろ~!」
クソギは、必死にダッちゃんに訴える。すると彼女は、新幹線並みの速さで飛んだ。
びょおおおおおぉぉぉぉおおお!!
風がマッハの勢いで顔に突き刺さる。俺は振り落とされないように、ダッちゃんの黄金の角を掴む。クソギも俺の肩にしがみつく。
やっと風がおさまった。俺らは、高層ビルの屋上に居た。
ダッちゃんは、二人を下ろした。ビルの屋上は太陽の光が集まっていたので猛烈に熱かった。それを察したのかダッちゃんはバリアーを張ってくれた。そして口をモゴモゴした。
むぐむぐ、ぺっ!
ダッちゃんが何かを吐き出した。唾液まみれの物体は日光に当たるとすぐにキレイになった。
「サン、グラス?」
ダッちゃんが俺らにくれたアイテムは、黒いごくごく普通のサングラスだった。
「クゥ~ン。」
…使ってみてよ、と言うかのごとくダッちゃんは鳴く。俺はサングラスをかけてみた。
「!」
サングラスの視界の先には、全身青いクソギの姿があった。
「クソギが、青い……!」
な~に言ってんだよ、と言うクソギもサングラスをかけた。
「…!カズキだって、真っ青だよ~!」
二人はビルの屋上から景色を見渡す。そこには赤く染まった人々の姿があった。ふと、クソギが呟く。
「青い人と赤い人の違いって、何だ?」
地上の赤い人は全く身動きしていない事に俺は気づいた。クソギに仮説を提示してみる。
「赤い人って病の患者…だったりして。」
「……!」
クソギは、目を見開いて頷いた。二人は急いでダッちゃんの方へ。そして、地上に降りたい、と彼女にお願いした。
「仮説」を「事実」かどうか、確かめる為に。
ダッちゃんは、ボフッと快く引き受けた。二人を背に乗せ、地上に降り立った。二人ともサングラスをかけて、せ~のッと飛び降りた。
サングラスの中の赤い人は、やはりプイプイ言っていた。
どっかの会社のビルの自動ドアが、うぃ~ん…と開いた。一人のサラリーマンの人が出てくる。彼は、眼鏡をかけていない。周囲の様子がおかしい事に気がついたのか、そのサラリーマンは、立ったままプイプイ言うお婆さんに話しかけている。…お婆さんと目を合わせてしまったようだ。サラリーマンの身体が振動し、硬直した。そして、十秒もしないうちに
「プイプイプイプイ…」
とうとう感染してしまった。
俺らは、この病の発症メカニズムを少しだけ理解した。
「目を合わせれば、感染する」
その事が解っただけでも進歩だ。俺らは、この病を「プイプイ病」と呼ぶ事にした。
雲行きが怪しくなってきた。俺らは近くの大きな建物に避難した。「町民体育館」と書かれた所で、雨をやり過ごす事にした。
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