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予約したホテルのエントランスが意外と豪華で田中誠司は少し面食らった。
フロントには受付係が立っており、脇には自動チェックイン機が2台並んでいたが、
どちらにも人影はない。
受付係の女性が微笑んで小さくお辞儀をしたのに軽く会釈して、自動チェックイン機に並ぶ。
(値段の割にいいホテルなのに、人が全然いない。まあ、時期的に仕方ないか)
感染症による緊急事態宣言が明けてやっと人が動き出したばかりだった。
この宿の宿泊費も平時よりもかなり安くなっているのだろうチェックインを済ませて部屋のカードキーを受け取り、エレベーターホールへと向かう。
ボタンの下のカードリーダーにカードをかざし上階行きのボタンを押す。
ドアが閉まりかけた時にエレベーターホールに駆け込んできた人影があった。
慌ててエレベータの「開く」ボタンを押す。
駆け込んで来た人はスーツ姿の男性だった。身長180センチくらいだろうか。
がっしりとした、引き締まった体つきをしていた。髪は短めで清潔感のある髪型をしている。
切れ長の目で眉毛はやや太く意志の強さを感じさせる顔立ちだった。
年齢的には20代後半くらいだろうか。グレーのコートを着込んだ状態でも、胸板の厚さがわかる
(あーかなり、好み)
男を見て心の中でつぶやく。男と目があった。
「何階ですか?」
エレベーターに乗ったタイミングで訊ねる。
「五階の、520号室です」
男が答えた。部屋番号まで言わなくていいのにと少し笑いそうになった。
田中の部屋は7階なので、まだ押されていない5階のボタンを押した。
それほど狭いエレベーターでもないのに、男は田中のすぐそばに立っていた。
じっとこちらを見てくる。変な目で見ていることを気取られたんだろうか。
気まずくて目を逸らした。
エレベーター内の掲示板には朝食の案内と大浴場の案内が書かれていた。
小さいながらも外の露天風呂もあるらしく、少し楽しみだった。
5階にはすぐに着いて、男は少し立ち止まった後そそくさと出ていった。
部屋に着いたのは大浴場の営業時間が始まる夕方ごろだった。
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どちらにも人影はない。
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感染症による緊急事態宣言が明けてやっと人が動き出したばかりだった。
この宿の宿泊費も平時よりもかなり安くなっているのだろうチェックインを済ませて部屋のカードキーを受け取り、エレベーターホールへと向かう。
ボタンの下のカードリーダーにカードをかざし上階行きのボタンを押す。
ドアが閉まりかけた時にエレベーターホールに駆け込んできた人影があった。
慌ててエレベータの「開く」ボタンを押す。
駆け込んで来た人はスーツ姿の男性だった。身長180センチくらいだろうか。
がっしりとした、引き締まった体つきをしていた。髪は短めで清潔感のある髪型をしている。
切れ長の目で眉毛はやや太く意志の強さを感じさせる顔立ちだった。
年齢的には20代後半くらいだろうか。グレーのコートを着込んだ状態でも、胸板の厚さがわかる
(あーかなり、好み)
男を見て心の中でつぶやく。男と目があった。
「何階ですか?」
エレベーターに乗ったタイミングで訊ねる。
「五階の、520号室です」
男が答えた。部屋番号まで言わなくていいのにと少し笑いそうになった。
田中の部屋は7階なので、まだ押されていない5階のボタンを押した。
それほど狭いエレベーターでもないのに、男は田中のすぐそばに立っていた。
じっとこちらを見てくる。変な目で見ていることを気取られたんだろうか。
気まずくて目を逸らした。
エレベーター内の掲示板には朝食の案内と大浴場の案内が書かれていた。
小さいながらも外の露天風呂もあるらしく、少し楽しみだった。
5階にはすぐに着いて、男は少し立ち止まった後そそくさと出ていった。
部屋に着いたのは大浴場の営業時間が始まる夕方ごろだった。
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