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1巻閑話
閑話:混乱する夜会◆
閑話:次期筆頭侯爵訃音の続きです(フィリーネ視点)
♢ ♦︎ ♢ ♦︎ ♢ ♦︎ ♢ ♦︎ ♢ ♦︎ ♢ ♦︎ ♢ ♦︎ ♢
そんな時よ、フレディ様が子爵令嬢の婚約者に怪我を負わせたと聞いたのは。フレディ様が子爵令嬢に行動を起こすことはなかったからもう諦めたのかと思っていたけれど、卒業を前に子爵令嬢を呼び出し、そこに駆けつけた婚約者と揉めて傷を負わせたという。そのことは言い知れぬ恐怖を感じた。何も言わずに思いを募らせて爆発させるなんて……気に入らないと思われたら突然刺されるのではないかとの恐怖が湧いた。
「フィリーネ様が心配です」
そう言って私の手を握って真剣な目を向けたハリマン様。彼はフレディ様が他の令息に威圧的に接しているなどと教えてくれて、私の身を案じてくれた。その姿に、手の熱さに心がすっかり囚われてしまったわ。そうしているうちに自覚してしまったの、フレディ様に今まで感じたことのない恐怖と嫌悪を感じていると。
一度嫌だと思ったら心は止められなかった。筆頭侯爵夫人の地位は惜しいわ。我が国では公爵家は王子殿下が臣籍降下した一代限りの爵位で、次代に移れば侯爵、伯爵と爵位が下がる。それに王子時代の個人資産と祝い金しかない公爵家は裕福とは言えない。だから我が国では五大侯爵家が実質的な頂点になる。
力も資産もある侯爵家は公爵家よりもずっと魅力的だけど、それ以上に命の方がずっと大事よ。我が家に来る度に心配してくれるハリマン様。仲のいいお友達の中でも特に麗しくて優しくて地位も高い。そんな彼の優しい心遣いはフレディ様から得られなかったものだった。
そのうちハリマン様は真剣に妹との婚約を解消して私と再婚約したいと言うようになった。そのかわり妹がフレディ様の婚約者になればいいと。それはとても名案のように思えた。
だからお父様にお願いしたわ。ハリマン様もシリングス公爵様に掛け合って下さった。お父様もお母様もどっちにしてもゾルガー家とシリングス家と縁が繋がるのは同じだと賛成して下さったわ。唯一シリングス公爵夫人は外聞が悪いと難色を示されたけれど、ハリマン様が熱心に説得してくれたせいか夫人も妹との婚約解消を賛成してくれた。
そして卒業生を祝う夜会。私はハリマン様のエスコートで出席している。お父様の話では妹をエスコートする男性はフレディ様っぽいのだけど迎えには来ないらしく、やっぱり彼は変わらないのねと妹を気の毒に思っていたら、何と妹は会場に一人で現れたのよ。しかも自前のドレスで。侯爵家から届いたドレスはどうしたのよ? フレディ様は? 一人で入場させるなんて我が家に恥をかかせる気だったのかしらと疑ったわ。それくらい一人で入場するのは珍しいことだったから。
驚いたのはそれだけじゃなかった。なんとフレディ様は見知らぬ令嬢をエスコートして現れたの。会場内も騒めいていたけれど、これにはびっくりしたわ。でもその直後、陛下からフレディ様とあの令嬢、私とハリマン様の婚約が発表されたの。しかも私とフレディ様、妹とハリマン様の婚約解消は円満で問題ないと陛下自ら仰って下さったわ。妹には申し訳ないけれど、陛下自らの宣言に私の心は晴れ晴れとしたわ。
これで順風満帆、私の未来は明るいと信じていたけれど……
「まぁ、ゾルガー侯爵様がご令嬢とダンスを?」
「どなたかしら? 卒業生にしては大人っぽい方ですわね」
「ええ、お若いのに羨ましいプロポーションをなさっているのね」
侯爵様と一緒に踊る二人の姿に私は目を疑ったわ。どうして妹が、イルーゼが侯爵様と踊っているのよ。
「フィリーネ……どうしてイルーゼが侯爵閣下と……」
ハリマン様が何か言っているけれど、そんな言葉は頭に入ってこなかった。そりゃあ、今日はフレディ様が卒業されたから侯爵様が出席しているのはわかるけれど、どうしてイルーゼと踊っているのよ? あの二人の接点なんかなかったわよね?
本当にわからないことばかりの夜会だった。私たちやフレディ様の婚約も知らなかったし、あのご令嬢が陛下の姪のロジーナ様なのも今知ったわ。妹は知っていたの? あの子に話を聞かなきゃと待っていたけれど、ダンスが終わったらあの二人の姿が消えていた。
妹の姿を再び見つけたのは卒業生のダンスが全て終わった後で、あの子は侯爵様が贈ったドレスに着替えていた。さっきのドレスよりもより身体の線が出るデザイン。一目で特注品とわかるそれは艶めかしいのに品よく見えた。デザインのせいかしら? パッと見ただけでも侯爵様と揃いになっているのも驚きよ。侯爵様はそのつもりだったってこと? 腹立たしくてドレスに悪戯してやろうかと思ったけれど手を出さなくて正解だったわ。もし汚したりしていたら怒りを買っていたもの。
「フィリーネは知っていた?」
もう一度ハリマン様に話しかけられた。
「い、いいえ。私にも何が何だか……」
私だって知らないわ、そんなこと。お父様も何も仰っていなかったし。フレディ様がロジーナ様と婚約したからイルーゼはあぶれちゃったのねと可哀相に思っていたのに。話を聞こうにもお父様もお母様も姿が見えないし、この人の多さでは探し回るわけにもいかないわ。もう、どこに行ったのよ!
「今宵はもう一つ、めでたい報告がある。ゾルガー侯爵がガウス伯爵令嬢イルーゼと婚約した」
国王陛下の宣言に、会場内が一瞬静まり返ったけれど、何と仰ったのか理解出来なかった。イルーゼが婚約? 侯爵様と? フレディ様とじゃなくて?
「イルーゼが……侯爵様と?」
隣ではハリマン様が呆然と妹を見ていた。年よりも大人っぽく見える妹はその羨まし過ぎるプロポーションを惜しげもなく晒しながら注目を浴びていた。周りの男性たちが食い入るように見つめている。私には絶対に向けられないその種の視線に苛立ちが募った。
そうしている間に王族のダンスが始まり、それが終わったら今度は五侯爵家の番。侯爵様はあまり夜会に出て来られないのもあって何度かフレディ様と踊ったことがあるけれど、今はイルーゼが侯爵様と踊っている。あの子、ダンスが下手だった筈。ハリマン様と踊っているといつもぎこちなくて見苦しかったもの。
そう思ったのに、侯爵様のリードが上手いのかイルーゼは難なくダンスを踊っていた。光沢のある濃緑の生地は動く度にキラキラ光って見えるわ。何なの、あの生地。色は地味に見えるのにこうして見るとすごく華やいで見えるなんて。しかもあの宝飾品! よく見ればあんな大粒の緑玉、見たこともないわよ。ゾルガー家の家宝かしら? あんな凄い物を所有されていたの? もしフレディ様に嫁いでいたらあれらは私の物になっていたの? そんな……イルーゼは最後まで綺麗に踊り切っていた。
「フィリーネ、あそこにイルーゼ嬢が」
ハリマン様の視線の先に妹と侯爵様がいたからすぐに向かった。
「イルーゼ!」
見失わないように声を掛けたら二人の足がようやく止まったわ。近くで見るとイルーゼが身に付けている宝石たちの素晴らしさがよくわかる。これらが私の物になるはずだったなんて……それだけで頭に血が上りそうになるわ。でも今は我慢よ。
「イルーゼ、どういうことなの? 侯爵様、どうして妹を?」
お得意のポーズで侯爵様を見上げて尋ねてみたけれど、興味がないと言わんばかりにあしらわれ、終いには侯爵家の問題だと一蹴されてしまった。もうフレディ様の婚約者じゃなくなったからそれ以上は何も言えなかった。やっぱり侯爵様は怖い方なのだもの、仕方ないわ。呆然とする私たちを残して二人は悠々とその場から離れて行ってしまった。
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そんな時よ、フレディ様が子爵令嬢の婚約者に怪我を負わせたと聞いたのは。フレディ様が子爵令嬢に行動を起こすことはなかったからもう諦めたのかと思っていたけれど、卒業を前に子爵令嬢を呼び出し、そこに駆けつけた婚約者と揉めて傷を負わせたという。そのことは言い知れぬ恐怖を感じた。何も言わずに思いを募らせて爆発させるなんて……気に入らないと思われたら突然刺されるのではないかとの恐怖が湧いた。
「フィリーネ様が心配です」
そう言って私の手を握って真剣な目を向けたハリマン様。彼はフレディ様が他の令息に威圧的に接しているなどと教えてくれて、私の身を案じてくれた。その姿に、手の熱さに心がすっかり囚われてしまったわ。そうしているうちに自覚してしまったの、フレディ様に今まで感じたことのない恐怖と嫌悪を感じていると。
一度嫌だと思ったら心は止められなかった。筆頭侯爵夫人の地位は惜しいわ。我が国では公爵家は王子殿下が臣籍降下した一代限りの爵位で、次代に移れば侯爵、伯爵と爵位が下がる。それに王子時代の個人資産と祝い金しかない公爵家は裕福とは言えない。だから我が国では五大侯爵家が実質的な頂点になる。
力も資産もある侯爵家は公爵家よりもずっと魅力的だけど、それ以上に命の方がずっと大事よ。我が家に来る度に心配してくれるハリマン様。仲のいいお友達の中でも特に麗しくて優しくて地位も高い。そんな彼の優しい心遣いはフレディ様から得られなかったものだった。
そのうちハリマン様は真剣に妹との婚約を解消して私と再婚約したいと言うようになった。そのかわり妹がフレディ様の婚約者になればいいと。それはとても名案のように思えた。
だからお父様にお願いしたわ。ハリマン様もシリングス公爵様に掛け合って下さった。お父様もお母様もどっちにしてもゾルガー家とシリングス家と縁が繋がるのは同じだと賛成して下さったわ。唯一シリングス公爵夫人は外聞が悪いと難色を示されたけれど、ハリマン様が熱心に説得してくれたせいか夫人も妹との婚約解消を賛成してくれた。
そして卒業生を祝う夜会。私はハリマン様のエスコートで出席している。お父様の話では妹をエスコートする男性はフレディ様っぽいのだけど迎えには来ないらしく、やっぱり彼は変わらないのねと妹を気の毒に思っていたら、何と妹は会場に一人で現れたのよ。しかも自前のドレスで。侯爵家から届いたドレスはどうしたのよ? フレディ様は? 一人で入場させるなんて我が家に恥をかかせる気だったのかしらと疑ったわ。それくらい一人で入場するのは珍しいことだったから。
驚いたのはそれだけじゃなかった。なんとフレディ様は見知らぬ令嬢をエスコートして現れたの。会場内も騒めいていたけれど、これにはびっくりしたわ。でもその直後、陛下からフレディ様とあの令嬢、私とハリマン様の婚約が発表されたの。しかも私とフレディ様、妹とハリマン様の婚約解消は円満で問題ないと陛下自ら仰って下さったわ。妹には申し訳ないけれど、陛下自らの宣言に私の心は晴れ晴れとしたわ。
これで順風満帆、私の未来は明るいと信じていたけれど……
「まぁ、ゾルガー侯爵様がご令嬢とダンスを?」
「どなたかしら? 卒業生にしては大人っぽい方ですわね」
「ええ、お若いのに羨ましいプロポーションをなさっているのね」
侯爵様と一緒に踊る二人の姿に私は目を疑ったわ。どうして妹が、イルーゼが侯爵様と踊っているのよ。
「フィリーネ……どうしてイルーゼが侯爵閣下と……」
ハリマン様が何か言っているけれど、そんな言葉は頭に入ってこなかった。そりゃあ、今日はフレディ様が卒業されたから侯爵様が出席しているのはわかるけれど、どうしてイルーゼと踊っているのよ? あの二人の接点なんかなかったわよね?
本当にわからないことばかりの夜会だった。私たちやフレディ様の婚約も知らなかったし、あのご令嬢が陛下の姪のロジーナ様なのも今知ったわ。妹は知っていたの? あの子に話を聞かなきゃと待っていたけれど、ダンスが終わったらあの二人の姿が消えていた。
妹の姿を再び見つけたのは卒業生のダンスが全て終わった後で、あの子は侯爵様が贈ったドレスに着替えていた。さっきのドレスよりもより身体の線が出るデザイン。一目で特注品とわかるそれは艶めかしいのに品よく見えた。デザインのせいかしら? パッと見ただけでも侯爵様と揃いになっているのも驚きよ。侯爵様はそのつもりだったってこと? 腹立たしくてドレスに悪戯してやろうかと思ったけれど手を出さなくて正解だったわ。もし汚したりしていたら怒りを買っていたもの。
「フィリーネは知っていた?」
もう一度ハリマン様に話しかけられた。
「い、いいえ。私にも何が何だか……」
私だって知らないわ、そんなこと。お父様も何も仰っていなかったし。フレディ様がロジーナ様と婚約したからイルーゼはあぶれちゃったのねと可哀相に思っていたのに。話を聞こうにもお父様もお母様も姿が見えないし、この人の多さでは探し回るわけにもいかないわ。もう、どこに行ったのよ!
「今宵はもう一つ、めでたい報告がある。ゾルガー侯爵がガウス伯爵令嬢イルーゼと婚約した」
国王陛下の宣言に、会場内が一瞬静まり返ったけれど、何と仰ったのか理解出来なかった。イルーゼが婚約? 侯爵様と? フレディ様とじゃなくて?
「イルーゼが……侯爵様と?」
隣ではハリマン様が呆然と妹を見ていた。年よりも大人っぽく見える妹はその羨まし過ぎるプロポーションを惜しげもなく晒しながら注目を浴びていた。周りの男性たちが食い入るように見つめている。私には絶対に向けられないその種の視線に苛立ちが募った。
そうしている間に王族のダンスが始まり、それが終わったら今度は五侯爵家の番。侯爵様はあまり夜会に出て来られないのもあって何度かフレディ様と踊ったことがあるけれど、今はイルーゼが侯爵様と踊っている。あの子、ダンスが下手だった筈。ハリマン様と踊っているといつもぎこちなくて見苦しかったもの。
そう思ったのに、侯爵様のリードが上手いのかイルーゼは難なくダンスを踊っていた。光沢のある濃緑の生地は動く度にキラキラ光って見えるわ。何なの、あの生地。色は地味に見えるのにこうして見るとすごく華やいで見えるなんて。しかもあの宝飾品! よく見ればあんな大粒の緑玉、見たこともないわよ。ゾルガー家の家宝かしら? あんな凄い物を所有されていたの? もしフレディ様に嫁いでいたらあれらは私の物になっていたの? そんな……イルーゼは最後まで綺麗に踊り切っていた。
「フィリーネ、あそこにイルーゼ嬢が」
ハリマン様の視線の先に妹と侯爵様がいたからすぐに向かった。
「イルーゼ!」
見失わないように声を掛けたら二人の足がようやく止まったわ。近くで見るとイルーゼが身に付けている宝石たちの素晴らしさがよくわかる。これらが私の物になるはずだったなんて……それだけで頭に血が上りそうになるわ。でも今は我慢よ。
「イルーゼ、どういうことなの? 侯爵様、どうして妹を?」
お得意のポーズで侯爵様を見上げて尋ねてみたけれど、興味がないと言わんばかりにあしらわれ、終いには侯爵家の問題だと一蹴されてしまった。もうフレディ様の婚約者じゃなくなったからそれ以上は何も言えなかった。やっぱり侯爵様は怖い方なのだもの、仕方ないわ。呆然とする私たちを残して二人は悠々とその場から離れて行ってしまった。
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