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ストーカー予備軍?
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「凄いわ…たった一日でこんなに…」
我が家の影にリシャール様の調査をお願いした私でしたが…翌日にはリシャール様の身辺調査が届けられました。資料は封筒に入っていますが…その厚みはかなりのものです。これは、以前から調べていたという事でしょうか…
「お母様…ここまで調べるのは如何かと…」
ちらっと資料をめくりましたが…あまりにも細かくプライベートな事にまで及ぶ資料に、私は引き気味になりました。さすがにここまで調べるのはやり過ぎではないでしょうか…これはもはやストーカーレベルと申しますか、もしリシャール様に知られたらドン引き間違いなしです…
「レティの婚約者にと考えているならこれくらいは当然よ。もし相手に表立って言えない交友関係があった場合、我が家にも影響が出るのですからね」
お母様は当然と言い切りましたが…そういうものなのでしょうか…確かに我が家は公明正大を心がけていますし、我が家を陥れようとする政敵もごまんといますが…
「レティが全てを見るのが嫌なら、無理に見なくてもいいのよ」
「ですが…」
「その代わり、私達が見ておきます。もし問題があるなら直ぐに教えるわ。それでいいかしら?」
「はい…」
結局、見たいところだけ見なさいとお母様に言われて、リシャール様の調査資料を受け取りました。ズシリと重い資料はリシャール様の貴重な個人情報の塊ですが、いくら好きな人とはいえ、勝手にプライベートを覗くのはどうかと思います。そんな事をしたら、ストーカーと一緒ですよね…
(うう、でも、気になっちゃう…)
資料が入った紙袋を前に、私は暫くどうしたらいいものかと頭を悩ませました。好きな人の事ならどんな些細な事でも知りたいと思う一方で、勝手に覗き見るのは失礼だとも思うのです。リシャール様にバレれなきゃいいかも…と思う一方で、リシャール様には正直でいたい思いもあります。何よりも嫌われるかもしれない事はしたくありません。
(そう、よね。ちょっとだけ…趣味とか、お好きな食べ物だけなら…)
そう思って私は、その紙袋に手を伸ばしました。
「お嬢様、お茶はいかがですか?」
それからどれくらいの時間が経ったのでしょうか。コレットの声をかけられて私は我に返りました。えっと、私って…
「お嬢様ったら、凄い集中力ですわね。ずっと声をかけていましたのに、全然気づかれないんですもの」
「え?そ、そうだったの?ごめんなさい」
「いえいえ、いいんですよ。それにしても…そんなに熱心に何を読んでいらっしゃったのです?」
「え?」
そこで私は、自分が手にしているものを改めて繁々と見つめました。これはお母様から渡されたリシャール様の調査資料…
「ええええっ?!!」
なんて事でしょうか!気が付けば私は、資料の半分に目を通していました。
(そんな…ちょっとだけと思っていたのに…私ってもしかして、ストーカーの気があったの…?)
私は慌てて資料を封筒に戻して、そのままお母様に返しました。半分呼んでしまった私が言っても説得力がないかもしれませんが…さすがに人のプライベートを興味本位で覗くのはよくないと思ったからです。
我が家の影にリシャール様の調査をお願いした私でしたが…翌日にはリシャール様の身辺調査が届けられました。資料は封筒に入っていますが…その厚みはかなりのものです。これは、以前から調べていたという事でしょうか…
「お母様…ここまで調べるのは如何かと…」
ちらっと資料をめくりましたが…あまりにも細かくプライベートな事にまで及ぶ資料に、私は引き気味になりました。さすがにここまで調べるのはやり過ぎではないでしょうか…これはもはやストーカーレベルと申しますか、もしリシャール様に知られたらドン引き間違いなしです…
「レティの婚約者にと考えているならこれくらいは当然よ。もし相手に表立って言えない交友関係があった場合、我が家にも影響が出るのですからね」
お母様は当然と言い切りましたが…そういうものなのでしょうか…確かに我が家は公明正大を心がけていますし、我が家を陥れようとする政敵もごまんといますが…
「レティが全てを見るのが嫌なら、無理に見なくてもいいのよ」
「ですが…」
「その代わり、私達が見ておきます。もし問題があるなら直ぐに教えるわ。それでいいかしら?」
「はい…」
結局、見たいところだけ見なさいとお母様に言われて、リシャール様の調査資料を受け取りました。ズシリと重い資料はリシャール様の貴重な個人情報の塊ですが、いくら好きな人とはいえ、勝手にプライベートを覗くのはどうかと思います。そんな事をしたら、ストーカーと一緒ですよね…
(うう、でも、気になっちゃう…)
資料が入った紙袋を前に、私は暫くどうしたらいいものかと頭を悩ませました。好きな人の事ならどんな些細な事でも知りたいと思う一方で、勝手に覗き見るのは失礼だとも思うのです。リシャール様にバレれなきゃいいかも…と思う一方で、リシャール様には正直でいたい思いもあります。何よりも嫌われるかもしれない事はしたくありません。
(そう、よね。ちょっとだけ…趣味とか、お好きな食べ物だけなら…)
そう思って私は、その紙袋に手を伸ばしました。
「お嬢様、お茶はいかがですか?」
それからどれくらいの時間が経ったのでしょうか。コレットの声をかけられて私は我に返りました。えっと、私って…
「お嬢様ったら、凄い集中力ですわね。ずっと声をかけていましたのに、全然気づかれないんですもの」
「え?そ、そうだったの?ごめんなさい」
「いえいえ、いいんですよ。それにしても…そんなに熱心に何を読んでいらっしゃったのです?」
「え?」
そこで私は、自分が手にしているものを改めて繁々と見つめました。これはお母様から渡されたリシャール様の調査資料…
「ええええっ?!!」
なんて事でしょうか!気が付けば私は、資料の半分に目を通していました。
(そんな…ちょっとだけと思っていたのに…私ってもしかして、ストーカーの気があったの…?)
私は慌てて資料を封筒に戻して、そのままお母様に返しました。半分呼んでしまった私が言っても説得力がないかもしれませんが…さすがに人のプライベートを興味本位で覗くのはよくないと思ったからです。
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