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変わらない関係
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破損していた商品は、幸いにもリシャール様お抱えの職人さんが綺麗に直し、無事納品出来たそうです。商品の到着が遅れるのはいつもの事ですし、時には破損や紛失もありますが、納期は信用に直結するので商人にとってはとても需要なのです。
「…レア嬢、この前は助かった。ありがとう」
「いえ…お役に立ててよかったです」
それから数日後、たまたま二人きりになった時、リシャール様がお礼を言ってきました。どうやらあれでよかったようで、私は思わずホッと胸をなでおろしました。実はずっと気になっていたのですよね。
(あれで、よかったんだ…)
それからです、マリアさんが苦手だからと言って帳簿を私のところに持ってくるようになったのは。さすがにお金の事は…と思ったのですが…
「レアちゃんがやった方が正確だから!それにリシャール様から許可は頂いているわ」
そう言われてしまうと、それ以上断る事は出来ませんでした。帳簿を見てもいいと言われると、それだけ信用されているのだと思えて嬉しかったのは否めません。
しかし…
(リシャール様との関係は…全く進展していないのよね…)
そうなのです。お店の従業員としては信頼されるようになったと思うのですが、肝心の婚約に関しては…以前と何も変わっていないのです。
(どうしたら、結婚相手として見て貰えるのかしら…)
最近の私の悩みはもっぱらその事でした。従業員として店主のリシャール様との関係は悪くないと思います。私の提案を受け入れてくれる事も増え、時にはお礼を言ってくれることもあるので、お役に立てているとは思うのですが…
私も私なりに頑張ってはいるのです。時々はクッキーなどを作って差し入れしたり、髪形を可愛く見えるように工夫したりもしました。
でも、クッキーもマリアさん達は喜んでくれるものの、リシャール様は甘い物はあまりお好きではないのか殆ど手を付けません。髪形に関しては…いくら頑張ってもかつらですし、顔を出す事は出来ないのでお洒落にも限界があるのですよね。そもそも職場で着飾るのは何かが違う気がしますし…
「ねぇねぇレアちゃんってさぁ…もしかして、リシャール様のこと好きでじょ?」
「…っ!」
マリアさんと事務所に二人きりになったある日、急にそんな事を言われた私は、思いがけず激しく動揺してしまいました。ふ、不意打ちのその質問は心臓に悪すぎです…
「な、何を…」
「ふふっ、誤魔化してもダメよ~だってレアちゃん、わっかりやすいんだもん」
「わっ、わかりやすい?」
思わず声が裏返ってしまい、マリアさんが益々笑みを深くしました。こ、これは…完全にバレてしまった、のでしょうか…?
「だってレアちゃん、いつもリシャール様を目で追っているもの」
「そ、そんな事は…」
「安心して!誰にも言わないから。リシャール様は確かに素敵だし、恋する心は咎められる事じゃないわ!」
そう言ってマリアさんが腰に手を当ててブイサインを出しましたが…全く安心出来ません。
「でも、気を付けてね。店担当のセリアさんもリシャール様を狙っているから。あの人にばれたら虐められるわよ」
「ええっ?」
「これまでにも何人か、リシャール様を好きになった子が虐められて辞めていったわ。あの人、気が強いし実家が伯爵家だから威張ってるのよね」
「セリアさんが…」
セリアさんはお店の販売員の一人です。綺麗な金髪に濃い緑色の瞳を持つ華やかな顔立ちの美人で、年は私よりも三つ上だと聞きます。時々リシャール様とも親し気に話をしているのを見かけますが…あんな綺麗な人が…その日はその事がショックで中々寝付けませんでした。
「…レア嬢、この前は助かった。ありがとう」
「いえ…お役に立ててよかったです」
それから数日後、たまたま二人きりになった時、リシャール様がお礼を言ってきました。どうやらあれでよかったようで、私は思わずホッと胸をなでおろしました。実はずっと気になっていたのですよね。
(あれで、よかったんだ…)
それからです、マリアさんが苦手だからと言って帳簿を私のところに持ってくるようになったのは。さすがにお金の事は…と思ったのですが…
「レアちゃんがやった方が正確だから!それにリシャール様から許可は頂いているわ」
そう言われてしまうと、それ以上断る事は出来ませんでした。帳簿を見てもいいと言われると、それだけ信用されているのだと思えて嬉しかったのは否めません。
しかし…
(リシャール様との関係は…全く進展していないのよね…)
そうなのです。お店の従業員としては信頼されるようになったと思うのですが、肝心の婚約に関しては…以前と何も変わっていないのです。
(どうしたら、結婚相手として見て貰えるのかしら…)
最近の私の悩みはもっぱらその事でした。従業員として店主のリシャール様との関係は悪くないと思います。私の提案を受け入れてくれる事も増え、時にはお礼を言ってくれることもあるので、お役に立てているとは思うのですが…
私も私なりに頑張ってはいるのです。時々はクッキーなどを作って差し入れしたり、髪形を可愛く見えるように工夫したりもしました。
でも、クッキーもマリアさん達は喜んでくれるものの、リシャール様は甘い物はあまりお好きではないのか殆ど手を付けません。髪形に関しては…いくら頑張ってもかつらですし、顔を出す事は出来ないのでお洒落にも限界があるのですよね。そもそも職場で着飾るのは何かが違う気がしますし…
「ねぇねぇレアちゃんってさぁ…もしかして、リシャール様のこと好きでじょ?」
「…っ!」
マリアさんと事務所に二人きりになったある日、急にそんな事を言われた私は、思いがけず激しく動揺してしまいました。ふ、不意打ちのその質問は心臓に悪すぎです…
「な、何を…」
「ふふっ、誤魔化してもダメよ~だってレアちゃん、わっかりやすいんだもん」
「わっ、わかりやすい?」
思わず声が裏返ってしまい、マリアさんが益々笑みを深くしました。こ、これは…完全にバレてしまった、のでしょうか…?
「だってレアちゃん、いつもリシャール様を目で追っているもの」
「そ、そんな事は…」
「安心して!誰にも言わないから。リシャール様は確かに素敵だし、恋する心は咎められる事じゃないわ!」
そう言ってマリアさんが腰に手を当ててブイサインを出しましたが…全く安心出来ません。
「でも、気を付けてね。店担当のセリアさんもリシャール様を狙っているから。あの人にばれたら虐められるわよ」
「ええっ?」
「これまでにも何人か、リシャール様を好きになった子が虐められて辞めていったわ。あの人、気が強いし実家が伯爵家だから威張ってるのよね」
「セリアさんが…」
セリアさんはお店の販売員の一人です。綺麗な金髪に濃い緑色の瞳を持つ華やかな顔立ちの美人で、年は私よりも三つ上だと聞きます。時々リシャール様とも親し気に話をしているのを見かけますが…あんな綺麗な人が…その日はその事がショックで中々寝付けませんでした。
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