【完結】悪役令嬢だって真実の愛を手に入れたい~本来の私に戻って初恋の君を射止めます!

灰銀猫

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私の親友?との対峙

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「全く信じられないわ!今からラフォン侯爵令嬢のところに行って、この店の無礼を全て話してやるわ!そうなればこんな店などもうお終いね!」

 既に勝ち誇った表情でそう宣言した女性は、踵を返して店を出ようとしましたが…

「あら、そんな必要はありませんわ。グラネ伯爵家の若奥様」

 私は彼女の前に姿を現しました。どうしようもないほどに怒りで目の前が赤く染まりそうなのに、不思議と頭はこれまでにないほどに冷め切っているのを感じます。自分でも思った以上に低い声が出たせいか、横でベルティーユ様が驚いた表情を見せています。そう言えば彼女の前で怒る事はなかったですわね。

「な、何よ、あんたは…」
「あら、私がお判りになりませんの?」
「…し、知らないわよ。あんたみたいな小娘…」

 不思議にもこんな時だというのに自然と笑みが浮かびましたが、目の前の女性がビックリするほどに表情を歪めました。いやだわ、随分と失礼な方ですわね。そしてその向こうには表情を硬くしたリシャール様が見えました。これ以上私の名でご迷惑をおかけしたくありませんし、こうなったらここできっちり片を付けた方がよさそうですわね。

「まぁ、先ほどから私の親友だと、あんなに大声で叫んでいましたのに?」
「な…、ま、まさか…ラ、ラ…」
「ええ、私がラフォン侯爵家唯一の娘、レティシアですわ」

 そう言ってもう一度にっこり笑みを浮かべると、店内が騒めきました。まぁ、ラフォン家の娘が自ら店に行くなど普通はあり得ませんものね。高位貴族が買い物をする際は、屋敷に商人を呼ぶのが普通ですから。

「あ…あり得ないわ!ラフォン侯爵家の令嬢が店に来るなんて!第一ラフォン侯爵令嬢は縦ロールの髪にきつい顔立ちなのよ。偽物なんじゃないの?」
「縦ロールですか?あれは王妃様のご指示でそうしていただけ。婚約を破棄してからは一度もしておりませんわ。嘘だと思うのなら、そうですわね…学園にでも問い合わせて下さいな」
「な…」

 私の言葉に、目の前の若夫人だけでなく、セリアさん達店の従業員や他のお客様まで騒めきましたわ。やっぱりあの縦ロールは相当インパクトが強かったのですね。あれから随分経ちますのに、まだ言われるなんて…

「ああ、彼女が本物のレティシア=ラフォン侯爵令嬢であるのは、カロン侯爵家の私が保証いたしますわ」
「カ、カロン侯爵ですって?!」
「ええ。あと、私達が学園でいつも一緒なのは有名な話ですわ。こちらも学園に問い合わせて下さって結構よ」

 ベルティーユ様ったら、ここで正体をばらしてはマズくないのですか?今日はお忍びだと言っていましたのに…店の入り口近くにいる護衛の方が青い顔をしておりますわよ。

「これまでもあちこちのお店で、私の親友だと仰って随分と横暴な事をなさっていたそうですね?」
「な、なぜそれを…」
「ふふ、侯爵家ともなればたくさんの目と耳を持ちますのよ。ああ、伯爵家に嫁ぐほどの方なら、当然ご存じですよね」
「っ!」

 若夫人が目に見えて狼狽えました。なんてわかりやすい方でしょうか。それでは伯爵家の夫人は難しいでしょうに。

「私の名を使ってのあちこちでの横暴な振る舞い、詳しくお話を聞かせて頂きますわね」

 若夫人の向こう側にいるリシャール様の視線を感じながら、私はもう一度にっこりと笑みを浮かべました。

 


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