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面倒な父子
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「ああ、レティシア様、お会いしたかった!」
そう言って小走りにこちらに向かってきたのはバルト公爵家のラザール様でした。後ろには父君の公爵の姿も見えます。面倒な相手に捕まってしまいましたわね…それにしても、この前の忠告はご理解頂けていない様で残念です。リシャール様の前での馴れ馴れし態度と、我が家の色でもある水色の衣装に、ついイラっとしてしまいましたわ。
「これはバルト公爵令息、ごきげんよう」
「レティシア様、そのような他人行儀な…」
「名前で呼び合うような関係ではありませんわ。誤解を生むような真似はお控え下さい」
何度言ってもわからないのなら、わかるまで言い続けるしかないようです。ラザール様の出現にドミニク様は一瞬驚きの表情を浮かべましたが、直ぐに口元を引き結んで鋭い視線を向けてきました。そう言えばドミニク様、ラザール様を狙っていた事もあったのですよね。全く相手にされていませんでしたが…
「バルト公爵様、ごきげんよう」
遅れてやってきた公爵に挨拶をしました。さすがに公爵様相手に塩対応をするわけにもいきません。その横ではリシャール様も一緒に頭を下げて下さっていますし、ドミニク様達もそれに習いました。王弟殿下でいらっしゃった方ですし、精力的な方なのもあって影響力は健在なのですよね。
「お久しぶりじゃな、レティシア嬢」
「ご無沙汰しておりました」
何度も婚約の申し込みを断っている相手なので気まずいのですが、どうやらこの親子にはそう言う感性はおありにならないようです。お父様もいませんし、厄介ですわね…
「中々お会い出来る機会がなくて残念に思っていたのじゃよ」
「そうでしたか、それは失礼致しました」
「いやな、レティシア嬢がエルネスト殿下との婚約を解消されたと聞いて、ずっとお父上にお会いしたいと打診しておったのだよ」
「ええ、父からも伺っておりますわ」
「なら話は早い。いやなに、我が家にも年の近い後継者がおってな。中々相手を決めずに心配しておったのじゃが、なんともまぁ、レティシア嬢をずっと昔からお慕いしていたというではないか」
公爵は芝居がかった様にわざとらしくそう言いましたが…それ、絶対に嘘なの知っておりますわよ。なんせ私の事を能面女だ、華がないと、お仲間たちと散々馬鹿にしていらっしゃいましたものね。
「まぁ、それは意外でしたわ。ご令息からは何度も能面女や氷人形だと言われていましたので、てっきり嫌われていると思っておりましたわ」
「あ、あれは…!」
「はっは、それも若さゆえの照れ隠しというものですよ。なぁ、ラザール?」
「…は、はい。そうです。あの時は殿下の婚約者でしたし、完全に手に届かない方だと思っていましたから…」
ドミニク様があからさまに私を睨みつけてくるし、ラザール様は恥ずかしそうに顔を赤らめていますが…
(はっきり言って気持ち悪いわ…)
嫌っている上、好みではない顔でそんな風にされてもドン引きなのですが…はぁ、こんなのを見せられるなんて、一体何の罰ゲームなのでしょうか…こんな事ならずっとリシャール様のご尊顔を眺めていたいですわ。
「レティシア!ここにいたのか!」
げんなりしているところに再び名を呼ばれましたが、今度は呼び捨てです。もう何度も何だというのでしょうか…いい加減にして欲しいですわ。
そう言って小走りにこちらに向かってきたのはバルト公爵家のラザール様でした。後ろには父君の公爵の姿も見えます。面倒な相手に捕まってしまいましたわね…それにしても、この前の忠告はご理解頂けていない様で残念です。リシャール様の前での馴れ馴れし態度と、我が家の色でもある水色の衣装に、ついイラっとしてしまいましたわ。
「これはバルト公爵令息、ごきげんよう」
「レティシア様、そのような他人行儀な…」
「名前で呼び合うような関係ではありませんわ。誤解を生むような真似はお控え下さい」
何度言ってもわからないのなら、わかるまで言い続けるしかないようです。ラザール様の出現にドミニク様は一瞬驚きの表情を浮かべましたが、直ぐに口元を引き結んで鋭い視線を向けてきました。そう言えばドミニク様、ラザール様を狙っていた事もあったのですよね。全く相手にされていませんでしたが…
「バルト公爵様、ごきげんよう」
遅れてやってきた公爵に挨拶をしました。さすがに公爵様相手に塩対応をするわけにもいきません。その横ではリシャール様も一緒に頭を下げて下さっていますし、ドミニク様達もそれに習いました。王弟殿下でいらっしゃった方ですし、精力的な方なのもあって影響力は健在なのですよね。
「お久しぶりじゃな、レティシア嬢」
「ご無沙汰しておりました」
何度も婚約の申し込みを断っている相手なので気まずいのですが、どうやらこの親子にはそう言う感性はおありにならないようです。お父様もいませんし、厄介ですわね…
「中々お会い出来る機会がなくて残念に思っていたのじゃよ」
「そうでしたか、それは失礼致しました」
「いやな、レティシア嬢がエルネスト殿下との婚約を解消されたと聞いて、ずっとお父上にお会いしたいと打診しておったのだよ」
「ええ、父からも伺っておりますわ」
「なら話は早い。いやなに、我が家にも年の近い後継者がおってな。中々相手を決めずに心配しておったのじゃが、なんともまぁ、レティシア嬢をずっと昔からお慕いしていたというではないか」
公爵は芝居がかった様にわざとらしくそう言いましたが…それ、絶対に嘘なの知っておりますわよ。なんせ私の事を能面女だ、華がないと、お仲間たちと散々馬鹿にしていらっしゃいましたものね。
「まぁ、それは意外でしたわ。ご令息からは何度も能面女や氷人形だと言われていましたので、てっきり嫌われていると思っておりましたわ」
「あ、あれは…!」
「はっは、それも若さゆえの照れ隠しというものですよ。なぁ、ラザール?」
「…は、はい。そうです。あの時は殿下の婚約者でしたし、完全に手に届かない方だと思っていましたから…」
ドミニク様があからさまに私を睨みつけてくるし、ラザール様は恥ずかしそうに顔を赤らめていますが…
(はっきり言って気持ち悪いわ…)
嫌っている上、好みではない顔でそんな風にされてもドン引きなのですが…はぁ、こんなのを見せられるなんて、一体何の罰ゲームなのでしょうか…こんな事ならずっとリシャール様のご尊顔を眺めていたいですわ。
「レティシア!ここにいたのか!」
げんなりしているところに再び名を呼ばれましたが、今度は呼び捨てです。もう何度も何だというのでしょうか…いい加減にして欲しいですわ。
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