【完結】悪役令嬢だって真実の愛を手に入れたい~本来の私に戻って初恋の君を射止めます!

灰銀猫

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悪意のある噂

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 それからは他愛もない話をしながら庭園を散策していました。そうは言ってもリシャール様の想定外のお優しい態度に魂がどこかに行ってしまいそうになり、現実感が薄かったのは…仕方がないですわよね?出来る事ならずっとこうしていたかったのですが、舞踏会なのでずっと庭にいるわけにもいきません。それにベルティーユ様達ともお会いしたかったので、ホールに戻る事にしました。ダンスはリシャール様と三曲も踊れたので十分ですし、後はリシャール様にとって有益になりそうな方と上手くお会い出来ればいいのですが…

「…まぁ、レティシア様よ」
「殿下にフラれたからって、ずっと引きこもっていたそうじゃない」
「しかも今度の婚約者、お聞きになって?子爵家の三男ですって」
「やだわぁ、そこまで落ちぶれたくないわね」

 ホールに戻った私の耳に届いたのは、悪意の籠った囁きでした。これまでエルネスト様の婚約者だった頃は毎日のように聞かされていたものなので、私にとっては気にする価値もないものですが…リシャール様の事に関しては許し難いですわね。それに、私への中傷をリシャール様に聞かれるのも辛いですわ…

「あらぁ、これはこれはレティシア様、ごきげんよう」
「ごきげんよう、レティシア様」

 さっさとその場を去ろうとした私の足を止めたのは、白金色の髪と紫紺の瞳を持つドミニク=アロシュ伯爵令嬢とそのご友人達でした。ドミニク様は王妃様の妹の娘で、エルネスト様とはいとこで幼馴染です。エルネスト様に好意を寄せていたようで、婚約者に選ばれてからは何かと突っ掛かってきた一人です。

「ごきげんよう」
「お久しぶりですわね。最近はこのような催しにはお出になりませんでしたのに」
「そうですわね、色々忙しかったものですから」
「そうですの?ああ、新しい婚約者選びのためかしら?そう言えばご婚約なさったとか、おめでとうございます」
「ありがとうございます」

 無視するわけにもいかずに挨拶を返すと、にやにやとリシャール様に目踏みするような視線を向けましたが…リシャール様の凛々しいお姿を目すると途端に見とれてしまいました。先ほどは貶めていたのに、随分と節操がないですわね。

「こ、この方が新しい婚約者の方?」
「子爵家の三男とお聞きしていますわ」
「という事は、ご結婚したらレティシア様は平民に?」
「まぁ、殿下に婚約破棄されたからと言って、そこまでレベルを下げる必要はありませんでしょうに」
「確かに見目はよろしいけれど、ねぇ?」
「ああ、男性にも女性を誘惑するのを生業にしていらっしゃる方がいると聞きますわ」
「そうそう!メルレ様のような感じでね」

 リシャール様を馬鹿にした発言を繰り返す彼女たちですが…お気の毒ですが今の発言、口が滑っただの知らなかったでは済ませませんわよ?私は彼女たちの顔と名前、発言内容をしっかり頭に記憶しました。まぁ、影がどこかからか見て記録しているでしょうけど。


「レティシア様!」

 さて、どうしてくれようかと思っていたところに、また呼ぶ声が聞こえました。援軍だといいのですが…声の方に視線を向けた私は、その期待が外れたのを理解して、気づかれないように小さくため息をつきました。



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誤字報告ありがとうございます。
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