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ファリエール伯爵家
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周囲からの非難の視線を受け、ようやく殿下はご自身の立場をご理解なさったのか項垂れてしまわれましたわ。一部では若いご令嬢たちが目を輝かせているのが見えました。彼女たちは…先日のアデレイド様のお茶会に出ていらした方々ですわね。両親や私たちを応援して下さっている方がちゃんといてくださいますし、私はその方々が居れば十分ですわ。
「リ、リシャールぅ…」
そんな中、アネット様はまだ情況を理解出来なかったようです。リシャール様に縋り付くような視線を向けていますが…減るから見ないで欲しいですわ。それに、真っ黒なお顔はちょっとホラーです。
「婚約破棄したのですから、今後は家名でお呼びください、メルレ男爵令嬢」
リシャール様が幼子に諭すような口調で、アネット様にそう話しかけました。うう、リシャール様ったら、そんなに優しそうな言い方では勘違いされてしまいますわ…
「か、家名でって…」
「ええ、これからはファリエール伯爵令息と」
「えっ?」
「な…!ファリエールだと?!!」
「う、嘘っ…」
「そんな…」
リシャール様のその一言に、アネット様や殿下、ドミニク様達が戸惑いの声を上げました。どうやらリシャール様がファリエール伯爵に養子に入ったとご存じなかったようです。
「ファ、ファリエール伯爵って…」
「そうですわ、私の婚約者はファリエール伯爵家の後継として養子に入りましたの」
にっこり笑ってそう告げると、ドミニク様達の顔色が一層悪くなりました。ドミニク様達、先ほど散々リシャール様を子爵家の三男だと馬鹿にしていましたものね。
でも、ファリエール伯爵家は、伯爵家の中で最も家格が高い家なのです。ドミニク様達の実家の伯爵家も、いずれバルト公爵令息が継ぐであろう伯爵家も、ファリエール伯爵家、つまりはリシャール様の下になります。貴族にとって家格は重要な意味を持つので、彼女たちの態度は大問題なのですよね。
「そ、そんな事って…」
「た、ただの子爵風情が…」
認めたくないのでしょう、ドミニク様達もバルト公爵令息も、青い顔のまま何やらブツブツ言っています。まぁ、今更何を言っても彼女たちの言葉は私がしっかり覚えていますから、今後のお付き合いはそれを踏まえてになるでしょうね。
「レティシア様、こちらだったのね。探しましたわ」
そんな中、優雅な足取りと共に現れたのは、ベルティーユ様とロイク様でした。ベルティーユ様は深みのある青に金糸で見事な刺繍がされたご衣裳ですが、完全にロイク様の色ですわね。華やかなベルティーユ様によくお似合いです。そして白を基調とした騎士服の正装のロイク様も凛々しくて、本当に絵になる似合いの二人ですわね。
「まぁ、ベルティーユ様にロイク様、ごきげんよう」
「ごきげんよう、レティシア様にリシャール様」
ゆったりとした所作で私の側にやってきたベルティーユ様ですが、公式の場での彼女は完璧な淑女ですわね。いつもはマナーなんか面倒だと言っているのが別人のようです。
「あら、お取込み中だったかしら?」
ベルティーユ様の視線を向けられた殿下達は、明らかに戸惑っている様に見えました。相手は侯爵家であり、第二王子殿下の妃殿下の実妹でもあります。それに犬猿の仲のラフォン家とカロン家の娘が居合わせれば一色触発、場合によっては自分達も巻き添えを食うと思ったのかもしれませんわね。
「いえ、何の問題もございませんわ」
私は笑顔で彼女に応えました。
「リ、リシャールぅ…」
そんな中、アネット様はまだ情況を理解出来なかったようです。リシャール様に縋り付くような視線を向けていますが…減るから見ないで欲しいですわ。それに、真っ黒なお顔はちょっとホラーです。
「婚約破棄したのですから、今後は家名でお呼びください、メルレ男爵令嬢」
リシャール様が幼子に諭すような口調で、アネット様にそう話しかけました。うう、リシャール様ったら、そんなに優しそうな言い方では勘違いされてしまいますわ…
「か、家名でって…」
「ええ、これからはファリエール伯爵令息と」
「えっ?」
「な…!ファリエールだと?!!」
「う、嘘っ…」
「そんな…」
リシャール様のその一言に、アネット様や殿下、ドミニク様達が戸惑いの声を上げました。どうやらリシャール様がファリエール伯爵に養子に入ったとご存じなかったようです。
「ファ、ファリエール伯爵って…」
「そうですわ、私の婚約者はファリエール伯爵家の後継として養子に入りましたの」
にっこり笑ってそう告げると、ドミニク様達の顔色が一層悪くなりました。ドミニク様達、先ほど散々リシャール様を子爵家の三男だと馬鹿にしていましたものね。
でも、ファリエール伯爵家は、伯爵家の中で最も家格が高い家なのです。ドミニク様達の実家の伯爵家も、いずれバルト公爵令息が継ぐであろう伯爵家も、ファリエール伯爵家、つまりはリシャール様の下になります。貴族にとって家格は重要な意味を持つので、彼女たちの態度は大問題なのですよね。
「そ、そんな事って…」
「た、ただの子爵風情が…」
認めたくないのでしょう、ドミニク様達もバルト公爵令息も、青い顔のまま何やらブツブツ言っています。まぁ、今更何を言っても彼女たちの言葉は私がしっかり覚えていますから、今後のお付き合いはそれを踏まえてになるでしょうね。
「レティシア様、こちらだったのね。探しましたわ」
そんな中、優雅な足取りと共に現れたのは、ベルティーユ様とロイク様でした。ベルティーユ様は深みのある青に金糸で見事な刺繍がされたご衣裳ですが、完全にロイク様の色ですわね。華やかなベルティーユ様によくお似合いです。そして白を基調とした騎士服の正装のロイク様も凛々しくて、本当に絵になる似合いの二人ですわね。
「まぁ、ベルティーユ様にロイク様、ごきげんよう」
「ごきげんよう、レティシア様にリシャール様」
ゆったりとした所作で私の側にやってきたベルティーユ様ですが、公式の場での彼女は完璧な淑女ですわね。いつもはマナーなんか面倒だと言っているのが別人のようです。
「あら、お取込み中だったかしら?」
ベルティーユ様の視線を向けられた殿下達は、明らかに戸惑っている様に見えました。相手は侯爵家であり、第二王子殿下の妃殿下の実妹でもあります。それに犬猿の仲のラフォン家とカロン家の娘が居合わせれば一色触発、場合によっては自分達も巻き添えを食うと思ったのかもしれませんわね。
「いえ、何の問題もございませんわ」
私は笑顔で彼女に応えました。
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